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「若者議会」を考えるようになったきっかけについて

小・中・高生が「勉強しにくい」象徴としての、ある夜のできごと

2018年夏、私は出勤時の駐車場として、臼井駅前のイオンの屋上駐車場を借りていました。
帰宅のため夜イオンに入ると、1Fの本屋の横にできたドリンクスペースで、いつも中学生から高校生くらいの若者が数人勉強していました。
ある夜、中学生くらいの女の子が勉強をしている机の横で、60代くらいの男性がスナック菓子を食べながら、ちらちらと女の子のほうを見ているのに気づきました。
その男性は、悪気はないのかもしれませんが、いかにもその女の子に話しかけたそうなそぶりで、独り言をつぶやいたり、そわそわと露骨に女の子のほうに顔を寄せたりし始めました。注意をすると面倒なことになりそうな雰囲気ながら、あまりにいやらしい感じでしたし、女の子も眉をひそめて嫌がっている様子だったので、意を決して男性に近寄ると、それを合図にするかのように、女の子はあわてて筆箱をまとめ席を立ってしまいました。トラブルを回避したのだろうと思います。

その夜、帰宅時に車を運転しつつ考えたのが、夜に小・中・高生が安心して勉強できる環境は作れないものか、というものでした。確かに、自習室のある学習塾に通っている子ならば自習できる環境はありますが、それ以外の子供や若者のために、行政でなんとかできないものか。
そこで考えたのが、エリアごとに設置された自治会の会館を、夜間勉強スペースとして若者に開放する施策でした。そのための管理者ついては地域住民にお願いして、1時間500円程度を市が助成する、というのはどうだろう。予算が厳しい折ではありますが、週に2日程度で、希望するエリアのみ実施するなど、段階的なスタートであればできそうな規模です。
その場合のリスクや検討事項がたくさん思い浮かびましたが、悪くない筋だと、その時は思いました。しかし、このアイディアには、政策の受益者である若者の意見が入っていません。
仮に、大人たちでこういった施策を決めて、いざはじめてみても、ふたを開けたら全然ニーズに即していなかった、ということもあり得えます。とはいえ、若者にヒアリングする、となると、ヒアリングする先はどこでしょうか?教育委員会が実施するアンケートや、子供を持つ役所の職員や議員となるのでしょうか。しかし、その場合若者同士の意見交換はなされないまま、一方的に「こんな感じでしょ?」という大人たちの質問に、「Yes」or「No」と答えた無機質な回答ばかり、となりそうです。

「特別なこと」ではない、若者の街づくりへの参加

ユースカウンシルという手法について

少子高齢化が加速していく今後、活力ある佐倉市となるためには、子を持つ若い世代から選ばれることはもちろん、その世代の子供たちからも「よい街だ」と感じてもらう必要があることは、誰もが賛成してくれることと思います。彼らがまた子をなしたときに、やはり佐倉市に住みたい、という思いでいてくれるという循環が、不可欠だからです。
「若者に選ばれる街」になる施策の一つに、若者のことは若者が決められる風土、もっと言えば、若者が政治参加しやすい環境づくりがあげられます。
事実、ノルウェーやドイツ、イギリスなどでは、「ユースカウンシル」と呼ばれる若者の議会ともいうべき制度が確立していて、もうずいぶん長い歴史を持っています。
他方、日本では、安保闘争の苦い経験から、若者の政治参加は「忌避されるべきこと」という暗黙の了解めいた空気があるのも事実です。

その状況を見直し、前に進めるために「若者のことは若者が決められる」佐倉市を目指し、「若者議会」の設置を提案します。
次の記事では、愛知県新城(しんしろ)市の「若者議会」を事例として紹介しつつ、私が現時点でイメージしている「若者議会」について書きます。

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書 名:地方議会議員の選び方 佐倉市の事例を参考に
著 者:髙橋 とみお
カラー:表紙フルカラー 中面モノクロ
版 型:A5版
価 格:500円(税別)
出版元:欅通信舎 ご購入はこちら
書 名:佐倉市域の歴史と伝説 旧石器時代から戦国時代の終焉まで
著 者:けやき家こもん(本名:高橋富人)
カラー:全頁フルカラー
版 型:A5版
価 格:900円(税別)
出版元:欅通信舎 ご購入はこちら