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2021年9月21日討論:請願第20号いわゆる水道料金値上げ等中止を求める請願に反対

はじめに

この議案は、請願に関する私の審議結果です。

請願というのは、簡単に言えば市民から紹介議員を介して議会にあげる要望です。

この「請願」というのはとても強力で、議会の審議で「可決」された場合、市役所はその可決内容について最大限の努力をはらう必要があるのです。

例えば、今回の請願は、ざっくり言えば「佐倉市の水道料金の値上げをしないでください」という要望です。

確かに、この請願が言うように、コロナ禍で傷んだ経済状況の中、水道料金の値上げはできれば回避したい。これは、特にコロナによって影響を受けた市民の方の声としてしっかり検討する必要がある。

他方、佐倉市の水道事業の財政状況はどうか、といえば、千葉県の条例のもときわめて限定された水源政策をもとに、やはり「待ったなし」の状態です。これは、佐倉市の水道事業を総合的に考える懇話会で慎重に審議された結果であり、その審議内容をないがしろにした結果を議会が決定し、万一大災害などで多くの佐倉市民の生命を危機に陥れることになったらどうする?という点等も、考慮に入れて慎重に審議する必要があります。

水道料金値上げで喜ぶ佐倉市民は、私も含めおそらく一人もいません。しかし、「やらなければならないこと」として、私は当該請願に反対しました。

なお、私の水道事業に関する考え方についての詳細は、以下のページに公開しているので、ご一読ください。

1.佐倉市の水道事業について:はじめに
2.佐倉市の水道事業について:2021年7月現在における概要
3.佐倉市の水道事業について:水道料金の値上げと広域化
2021年6月16日一般質問:佐倉市の水道事業について

なお、以下に当該8月定例会の「請願第20号」のリンクがございますので、議案の詳細をご覧になりたい方はそちらからご確認ください。

2021年8月定例会:請願第20号 水道料金値上げ、及び生活保護世帯への上下水道基本料金免除制度廃止の中止を求める請願


討論原稿

水道事業における料金の見直しは、佐倉市全市民の安定的な水道水の供給に直結する大切な検討事項です。

その方針や料金改定の時期についても、懇話会で複数のサンプルを元に緻密に議論され、その内容について疑義を抱かせる点は、私には見出せませんでした。

本請願の趣旨は、コロナ禍により市民や事業者にとって経済的な痛みが激しいこの時期に、値上げを実行することに反対する、という趣旨と理解しました。

他方、懇話会の審議結果を見る限り、水道事業もまた財政的に「待ったなし」の状態であることが読み取れます。

公共料金の値上げは、どのようなものにせよ市民生活にとってうれしいはずはありません。まして、確かにコロナ禍により市民や事業者が経済的に打撃を受けていることは否めません。しかし、仮にこの時期に将来を見据えた改定を先延ばしにした結果、同事業の現金預金残高が不足した状態で大規模災害が発生したら、佐倉市の水道供給は機動的な対策が打てず、市民に多大な影響を及ぼす可能性があります。

また、同請願では生活保護世帯への上下水道料金免除制度の継続も求めておりますが、これは執行部側の「生活保護費は水道料金に含まれる」とする説明が説得的です。

以上から、同請願に反対いたします。

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