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2022年6月16日:髙橋とみお等に対して出された「残念な問責」の結果とお蔵入りの討論原稿

まずは、佐倉市議会において本筋の政策論ではない醜態をさらしてしまったことについて、市民の皆さまに深くお詫び申し上げます。

6月16日、私と稲田議員は佐倉市議会から問責されました。

理由は、コロナ対策を理由として、自分以外の議員の一般質問を、会派室と呼ばれる小さな控室に備え付けられたテレビで「閲覧することを認める」とする権利を行使しなかったこと、とのことです。つまり、私と稲田議員は会派室のテレビでは閲覧せず、通常通り議場で全一般質問を傍聴したのですが、その振る舞いがけしからん、と問責されたのです。

議会で決定したのが「テレビで観なければならない」という「義務規定」であるなら、問責は当然です。しかし、本件は「テレビで観てもいいよ」という「権利規定」なので、その権利を行使しないことに対して罰を与えることができないことは、一般社会では「当然」のことであり「常識」です。

◆問責の報復としての問責

この問責の裏側には、私がさくら会幹事長の櫻井道明議員に発出した問責決議の報復という意味合いがあります。6月15日の私の一般質問中、櫻井議員から、執拗に大声の不規則発言を繰り返し受けたことについて、私は16日の午前中、佐倉市議会議長であるさくら会の高木大輔議長に、櫻井議員に対する問責決議案を提出していたのです。

髙橋とみお議員の一般質問の際の櫻井道明議員による不規則発言に関して:その1

櫻井議員は、過去何度となく議会中に不規則発言を繰り返していました。酷い時には、櫻井議員は自席から議長に向かって大声で指示を出すような、マウンティング行為ともとれる振る舞いをしたことも複数回ありました。また、議会での不規則発言による議事の妨害は、明確に佐倉市議会会議規則違反です。

(議事妨害の禁止)
第146条 何人も、会議中は、みだりに発言し、騒ぎ、その他議事の妨害となる言動をしてはならない。

つまり、私に発出された問責の根拠はなく、櫻井議員に発出された問責は規則違反が確定しているうえに、過去複数回なされていた、という状態でした。

しかし、残念なことに櫻井議員に発出された問責は否決され、私と稲田議員に発出された「根拠なき問責」は、さくら会、公明党の賛成と、宇田議員の退席により可決してしまいました。

これが、佐倉市議会の現状であり、他の地方議会でも多々発生している「暗黒議会」のリアルです。

以下、私の問責が確定する直前、私が書いた「私と稲田議員に出された問責に対する反対討論」です。

私自身が読み上げるつもりでしたが、問責を受ける当事者は当該決議を審議中は退出しなければならないため、議場で私が読み上げることはできませんでした。よって、議会の議事録でも掲載されない「お蔵入り原稿」です。


6月16日 稲田議員と髙橋議員に課された問責決議案に対する反対討論

本議案は、コロナ対策として議員に付与した権利に関し、私がその権利を行使しなかったことに関する問責決議です。本決議に、反対の立場で討論いたします。

具体的には、議席番号奇数の議員が質問している際には偶数番号の議員が、偶数番号の議員が質問している際には奇数番号の議員が、「一般質問時に限り、(中略)会派室での本会議視聴を認める」という権利に関する取り決めです。なお、この文言は私たち議員に本会議場で配布された「会派室で視聴する議員一覧」という正式文書にある文言であり、これ以外に議員に配布された文書による明文化がない以上、本件が議員に課された義務規定ではなく、権利規定であることは確定しています。

私は、以下4点の理由で、本問責決議に反対いたします。

  1. 本権利規定は、全議員が従わなければならない義務規定でないこと
  2. 私が本権利を行使しないことについては、議長にその理由を含め伝えており、了解いただいていること
  3. 議員がこの権利を行使した場合、「議場における動議を発議する権利」が実施的に失われるため、議場に残らざるを得ないと考えたこと
  4. 本施策はコロナ対策の名のもとに行われているものの、コロナ対策として体を成していないこと。また、そのような意見を、無会派議員である私が申し述べる機会がないにもかかわらず、あたかも義務であるかのように運営する議会の姿勢が間違いであること

以下、順次詳述します。

まず、一番の「権利規定」である点については、この議場に参集されている議員であればだれもが知ることです。

本件を決定した会議は、私を含む無会派議員3名は参加できない会派代表者会議、及び議会運営委員会でしたが、その議事録が公開されれば「会派室に備え付けのテレビで質問を閲覧いただきたい」という議長からの要請とあわせ、その要請に従うかどうかは議員の裁量にまかされた権利規定であることが明らかになります。

権利の行使をしない人間に問責を発出する行為とは、つまり「ここでは水を飲んでよい」という場所で、水を飲まない人間に罪を科す行為と同義です。

次に、「無会派室でテレビ閲覧する権利を行使しない」という件については、一般質問がはじまった13日月曜日に、議長に対して申し述べ、少なくとも私たちの意見は「残念だけど、まぁ仕方ないね」という言葉で了解いただいております。もし、権利行使をしない行為が問責に該当するのであれば、その折にその根拠とあわせ、私たち無会派議員に伝えていなければなりません。そもそも、私に問責が発出できる明確な根拠はなんでしょうか?

権力を握る者による「あいつが気に入らないから、規定になくとも罰を与える」という規則運用がまかり通るならば、佐倉市議会はロシアや中国といった非民主主義国家と同様です。

3点目は、まさに議長に対して「なぜ私が権利行使しないか」という理由として述べた点です。佐倉市議会では、残念ながら一部議員により、議会会議規則第146条違反である「議場での不規則発言」が繰り返されていました。私は、議会という佐倉市の最高議決機関において、その尊厳を踏みにじる行為はかねてから問題であると思っていたため、そのような行為が発生した場合、速やかに動議を発出し当該議員の規定違反を問題にすべきと考えていました。くしくも、私の一般質問の折そのような行為が発生したため、対応したことは周知のことと存じます。さて、「質問を会派室のテレビで見てよい」とした権利の付与を決めた会議体では、議員の発議権については一切話し合われておりません。そのような状況で、私は発議権を手放すわけにはいかないと考えました。

最期に、そもそも「会派室に戻ってテレビ閲覧する」行為は、コロナ対策として体を成していない、という点を指摘しておきます。

現在皆さまがおられるこの議場は、入室時には消毒し、全員がマスクをしたうえで、パーティションに区切られた席に着座しています。また、この議場であれば発言者は、不規則発言がない限りは常に一人であり、議場で質問を聞く議員は一言も言葉を発することはありません。

また、天井の高さは高く、密集率は大変に低い。つまり、厚生労働省のガイドラインでも、感染対策がみとめられた状態で運営がなされています。

一方、テレビが備え付けられている会派室は大変狭く、まじめにテレビを閲覧した場合、テレビの前に議員が密集することになります。また、監視者は誰もいないうえ、会派室での振る舞い規定は一切ないため、実質的にはお茶を飲んだり、議員同士で質問に関する感想を言い合ったりしているはずです。

以上をもとに考えれば、議場と会派室のどちらが感染防止対策としてすぐれた状態にあるかは自明です。

しかし、なぜか佐倉市議会では、そのような本質論から逃げ、ひたすら「議場にいないことがコロナ対策である」という運営を続けている。なぜか。

それは、これまで主要会派がはじめてしまった「会派室でのテレビ閲覧」が間違いであったことを認めたくないがために、おとしどころが見つからなくなってしまった。あるいは、そもそも議場で黙って他議員の質問を聞くより、会派室で自由にしているほうが楽だから、ではないでしょうか。

事実、さくら会の議長経験者である爲田議員は、「会派室でテレビ閲覧してもよい」という運営がはじまってからずいぶん長い期間、会派室に戻らず議場で質問を聞いておられました。その姿勢のほうが、よほど議員として誠意ある対応だと私は感じていました。

皆さん、この問責決議に賛成することは、率直に言って恥ずかしい行為です。

もし万一、この問責決議が正しいと思うかたがおられましたら、ぜひ上記の私の意見に明確な根拠を示して反論していただきたい。

その議論のやりとりこそ、議会のあるべき姿のはずです。

もし、反論なく、いつものとおり無言の議決でこの問責が通ったとしたら、佐倉市議会は議論なく、数の論理で物事を決する議決機関という不名誉な歴史を、さらに上塗りすることになってしまいます。

以上、ご賛同くださいますようお願いいたします。

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