「高齢者の一人暮らし」を見守るサービスを充実させる
ある体験
2014年、佐倉市の歴史の入門書を出版した折、その本をあるフリーペーパーでとりあげていただいたことがありました。その記事に記載されていた私のメールアドレス宛に、佐倉市に在住のある女性からメールが入りました。
内容を読むと、自分は60代後半になるが、夫に先立たれ、一人娘は結婚してずいぶん前に関西方面に引っ越し、年に2回くらいしか帰ってこない。最近では足が痛くなってしまい、本屋に行くのもおっくうなので、本を届けてもらえないだろうか、という趣旨の内容で、末筆にその方のご住所が書かれていました。
当時はネットでの書籍販売はしていなかったため、了解の旨お返事をし、本を届けに行きました。
本を届けた後、玄関先で話を聴くと、以前は歴史関連のサークルなどにも参加していたけれど、足を悪くしてから外出がおっくうになり、今では人と話すのも、近所のスーパーマーケットで偶然会ったご近所さんと立ち話をする程度、ということでした。
その後、気にはなりつつもその方に連絡するきっかけもなく、恥ずかしながら現在に至るのですが、その時私が感じたのは、そういった一人暮らしの高齢者を見守るサービスはできないものだろうか、ということでした。
佐倉市で10,000人を超えようとしている、一人暮らしの高齢者
佐倉市でも、上記の方のような一人暮らしの高齢者が増えています。
千葉県の国税調査資料が公開されていて、そこに市町村別「一人暮らしの高齢者」の推移資料があり、佐倉市の実数も記載されています。
資料を読むと、佐倉市の一人暮らしの高齢者は平成22年(2010年)には4,688人、平成27年(2015年)には6,529人になっています。2018年の調査結果は公表されていませんが、このペースを見ると10,000人を超えるのもそう遠くない将来でしょう。
事実、私の佐倉市在住の知り合いでも、一人暮らしの高齢者は何名かいますし、連れ合いをなくしたら一人になる、という方は、それこそたくさんいます。
とりわけ、これまで地域活動は熱心しておらず、親族も近くにいない、あるいは身寄りがない、という方の状況は深刻です。たとえば「孤独死」という言葉は、残念ながらずいぶん前から社会問題のひとつとして市民権を得てしまっています。
「一人暮らしの高齢者」と行政の役割
さて、このような一人暮らしの高齢者に関する対応は、行政にすべてをまかせるのではなく、親族、地域住民、ボランティアの方々が見守り活動などを実施することは大切です。また、元気で近所づきあいも盛んな高齢者ならば、大げさな見守り自体が余計なお世話になることもあるでしょう。
「元気で近所づきあいも活発な」一人暮らしの高齢者はいったんスコープから外すとしても、親族がいない、もしくは疎遠になって久しい、という方は案外多いものです。さらに、地域によっては近所づきあいそのものがほとんどないところもありますし、先の例のような集合住宅の場合は、両隣にどんな方が住んでいるのかもよくわからない、というケースは多くあります。そういった方がどこに住み、どんな状況にあるか、という把握は、やはり行政が担うべき役割です。
また、いったん把握した一人暮らしの高齢者の現状にあわせて、現実的でよりよい見守り環境を整えていくことも、行政が実施してく必要があると考えます。そこで、一人暮らしの高齢者の見守りについて、以下の施策を提案します。
1.一人暮らしの高齢者の徹底調査
- 現在の佐倉市で、一人暮らしの高齢者がどこにどれだけ居住しているか。
- 一人暮らしの高齢者のおかれている経済状況。
- 一人暮らしの高齢者の現状把握(身寄り・親族・付き合いのある近隣住民等の有無、地域活動状況等)。
2.一人暮らしの高齢者の見守りサービスの開始
上記で把握した一人暮らしの高齢者に対して、以下の二つの施策を提案します。
- 親族が別居している一人暮らしの高齢者:「生活見守りセンサー」設置の提案
- 親族がいない一人暮らしの高齢者:「高齢者電話訪問」の提案
上記のうち「1.一人暮らしの高齢者の徹底調査」については、行政の得意とするところかと思いますので、特に「2.一人暮らしの高齢者の見守りサービスの開始」について、事例とあわせ概要と予算を説明します。
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