佐倉市の住民自治と地域一括交付金
我が国では、地域活動を支える自治会が衰退しています。
この問題の原因は、社会情勢の変化によるところが大きいと考えます。いわく、夫婦共働き、長時間通勤や核家族化による余暇時間の減少などの要因により、若い世代が住民自治に割く時間が減少したこと。また、定年年齢が急激にあがってきたことから、住民自治に参加できる年齢も高齢化していることも、原因としてあげられます。
さらに、集合住宅の増加により、自治会や住民自治活動に参加するモチベーションが少なくなっていることも、原因のひとつでしょう。
地域住民同士で「助け合い、支え合う」共助の体制が弱くなると、私たちの生活環境は不安定化していきます。
この状況に対する特効薬はありませんが、少しでも良い方向にもっていく必要がある。そんな思いで、この提案をしました。
以下質問です。
2022年12月8日:髙橋とみお一般質問
昨今の我が国の課題として、住民自治の衰退の問題があります。
実際、佐倉市においても、昨日の稲田議員のご質問で自治会加入率は年々減少傾向にあることがわかりました。
そこで私からの質問としては、複数の自治会エリアで実施されている地域活動として地域まちづくり事業がございますが、令和元年度の関係条例改正前は14団体あった活動団体数は、現在どのように推移したか伺います。
執行部(市役所)回答
現在活動されている地域まちづくり事業実施団体数は、10団体でございます。令和元年度と比較しますと、4団体減少しております。
ありがとうございました。こちらも、活動団体が減少していることがわかりました。
住民自治活動を活性化する方策の検討が必要です。
例えば、地域一括交付金制度の導入も、視野に入れる必要があるのではないかと考えます。
地域一括交付金:総社市の事例
この制度は、すでに全国で複数の市町村が導入していることから、参考になる事例がたくさんあります。
資料をご覧ください。
【PDF資料】地域づくり自由枠交付金制度とは:総社市の事例
これは、地域一括交付金を2015年に導入した岡山県総社市のウェブサイトを引用して作ったものです。
総社市では、本制度を「地域づくり自由枠交付金」と呼んでいます。冒頭の制度紹介部分を引用しつつ、制度の説明をします。
本制度導入の前提として、総社市では以下のような認識にたっています。
- 人口減少、少子高齢化の進展により、草刈り、溝掃除、お祭り等これまで地域で実施できていたことが困難になりつつある。さらに、人口減少による税収の減少、高齢化による社会保障費の増加等により、行政ができることの範囲もせばめられていく。
- こうした状況を改善するためには、住民同士の話し合い、支えあいによる地域づくりが重要になる。
そこで、地域住民の皆さまに「地域づくり協議会」を作っていただき、そこに地域の皆様が自ら使途を決定し活用することができる自由度の高い交付金を支給する。
とまとめています。
総社市の場合は、基本的には小学校区単位で協議会を構成していただき、その協議会の中に地域福祉、防災、交通、防犯などの部会を設定し、地域の話し合いの中で決定した優先順位にもとづき交付金の使い道を決定します。
従来の地域活動に対する補助金は、市が予算を配分していましたが、この方法は、金額の上限や予算枠など使途に制約があるため、地域で本当に必要なことが実施できないといった問題が起こります。本交付金では、そのような制約を解消することができます。
また、市は単に交付金を拠出して終わり、というのではなくて、それぞれの協議会としっかり連携をとり、常に風通しのよい関係を構築し、任せきりにしない。その点が、本制度の成否の鍵となります。 これから先の超高齢化にともなう地域社会の崩壊を食い止めることは、佐倉市においても喫緊の課題です。本方式にかかわらず、是非いろいろ検討し、前に進めていただきたいと思います。
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