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「めざまし8」で紹介された佐倉市の「ゴミの山」にみる「問題の本質」

本日朝8時から放映された「めざまし8」にて、佐倉市の上別所の産業廃棄物不法投棄事案が取り上げられました。

2021年6月14日「めざまし8」:住民不安「変な匂い」「火事が怖い」 大型家具、家電の山・・・撤去従わず社長逮捕

本件、昨年10月に私の記事がアゴラで取り上げられたことを皮切りに、いろいろなメディアで取り上げていただきました。改めて、アゴラという媒体の力を思い知った次第です。
小泉大臣に告ぐ!レジ袋よりはるかに深刻「廃プラ産廃の闇」

このように、テレビで全国に知れ渡る事案に発展した場合、国政政治家も動きますし、その結果行政の対応が加速されるのは事実です。報道で何度も取り上げてくださったフジテレビさんには、心よりお礼申し上げたいと思います。

この事案については、不法投棄を行っていた人物が逮捕された、と報道されました。

とはいえ、番組でも詳報されていましたが、積みあがった産廃の山は現在そのままの状態で、近隣住民の方々の迷惑や不安は計り知れないものがあります。

◆本件的な事案は今後多発する

番組の中で元大阪府知事の橋下徹氏がおっしゃっていましたが、「県が行政代執行すべき事案」とのこと。現況を見る限り、私も橋下氏に賛成です。

熊谷千葉県知事の決断を期待したいところですが、この問題は仮に「行政が代執行をしたからきれいになったね。終わり」の話ではありません。

というのも、行政代執行というのは、「悪いことした人の代わりに執行する」行政行為である以上、それにかかる予算は税金であるわけで、今回の場合仮に犯人が破産するなどして支払えない場合は、皆さんの税金で犯人の肩代わりをする行為になってしまうからです。

実を言えば、今回の件のような「派手な事案」ならテレビなどのネタになりますが、「こっそり山の中」的事案は、佐倉市のような「ゴミを捨てやすい地方都市」にはたくさん発生しているのです。

警察も必死に立件しようと努力していますが、いかんせん数が多すぎる。卑劣な者たちは「あの手この手」で、なんとか警察の目をかいくぐってきます。なぜ「ゴミをこっそり捨てたい不届き者」が後を絶たないかといえば、単純に「金になり、リスクが少ないから」です。

ちなみに、手前みそで恐縮ですが、そのような背景から佐倉市で「犯行現場を抑えるための監視カメラ」の購入を私が一般質問で要望したことから、佐倉市には現在持ち運び可能な監視カメラが3台配備されてまいます。

【2020年3月4日】一般質問:佐倉市の不法投棄対策について

元へ。さて、何が言いたいのかといえば、不法投棄事案については量刑の見直しを含む「法律の整備」が必須だ、ということ。

以前の記事にも書きましたが、この問題は国会議員の号令のもと、実質的に「リスクが期待される報酬を超える」法的枠組みを作らないかぎり、無限に繰り返されるのです。

「めざまし8」のコメンテータの立岩氏というジャーナリストがよいことを言っていました。『日本では、こういうことを放置しがちだ。自由の国アメリカでは、庭をゴミためのようにするいわゆる「ゴミ屋敷」ですら、罰金が課されるはずだ。自由を尊重する国の国民は、「自由と義務」はセットと考えている。』と、こんな趣旨であったと記憶しています。

コロナ対応におけるマスクの着用など、日本では「民度に頼った」オペレーションで、ある程度これまでやってこれました。しかし、この状況を見る限り、そうも言っていられません。

国会議員の皆さま、とりわけ、本件を解決すべき位置におられる小泉環境相に、ぜひ「ゴミの不法投棄を許さない法的枠組みを早急に確立してください」と切にお願いします。

そうしない限り、この状況は永遠に解決しません。

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