- 2021.03.31
「佐倉市議会だより」に無会派の質問執筆議員の名前を「掲載してはならない」とする機関決定がなされました
本日の広報公聴委員会にて、「佐倉市議会だより」に、質問執筆をした無会派議員の名前を「掲載してはならない」とする機関決定がなされましたので報告いたします。
伴い、本年5月1日に発行される議会だよりでは、玉城議員、稲田議員両名が執筆した原稿は、その名前を掲載されることなく、髙橋とみおの質問として掲載されることになりましたので報告いたします。
玉城議員、稲田議員には、私の当該委員会での訴えが届かず、大変申し訳ないことをいたしました。また、市民の皆さまにおかれましては、「髙橋とみお」の欄に書かれている2つめの質問は稲田議員の質問、3つめの質問は玉城議員の質問であることを、まずはこの場で表明させていただきます。
本件について、質問執筆議員の名前を「掲載してはならない」とした議員は、広報公聴委員会の委員における、さくら会、公明党、自由民主さくらの所属議員5名です。
本件に反対したのは、広報公聴委員会の委員における、共産党、市民ネットワーク、市民オンブズマンひまわり会の所属議員、及び私の4名です。
なお、委員長は賛否表明をしない立場であることから、上記のとおり9名の議員により、多数決にて決定がなされました。
議員の名前をご確認される場合は、以下のページから「広報公聴委員会」の委員をご覧ください
また、これまでの経緯を確認される場合は、アゴラに寄稿した原稿をご確認ください。
無会派議員の不安定な立場と度重なる「要請」:佐倉市議会問題①
なお、本委員会にて、本日私が実施した意見表明は以下のとおりです。
本来であれば、当該委員会の議論について、オンライン動画でご確認いただきたいところですが、現在多くの議員が「委員会の動画公開」について反対をしている関係で、残念ながらご覧いただくことができません。
「委員会の動画公開」については、今後もしっかりと訴えていきたいと思っております。
前回の委員会でなした発言の繰り返しになりますので、端的に説明します。
本件は、本日が最終日となる今年度の、6月、9月、11月、2月に開催されたいわゆる「コロナ下短縮定例会」においておこなわれた、いわゆる「無会派議員」3名の一般質問と、その質問に関する議会だよりの扱いについてです。
コロナ下短縮議会の運営が決定された6月議会において
①無会派議員3名で、質問時間を30分とすること
②無会派議員3名のうち1名を代表として、適宜3名の原稿をもとに質問すること
が、佐倉市議会の機関決定としてなされ、過去4回の一般質問において、そのように実施されました。
また、直近開催された2月定例会を含む過去3回の議会においては、質問原稿を執筆した議員の名前を議場で読み上げました。
また、直近過去2回の議会だよりでは、質問原稿を執筆した議員の名前を掲載していました。
以上は、先の当該委員会において、石井委員がご指摘のとおり、すべて当委員会を含む担当諸機関により慎重に審議されたうえの「機関決定」をもとに実施されてきたものです。
特に議会だよりでは、掲載原稿は当該広報公聴委員会にはかり、問題なしと決定され掲載されたものであることは、ここにお集まりの皆さま全員が認知している事実です。
そこで疑問に思うのは、先の広報公聴委員会で、突然委員長からなされた「執筆議員の名前非掲載」という発言の根拠です。つまり、これまでと今回で、いったい何が変わったのか?という点です。
もし、特に何も変わっていないが、今回から掲載しない、と決定するならば、これまで当該委員会でなした決定が誤りであったことを認めることになります。その点も踏まえ委員長の見解をうかがいたく思いますが、議論をすることなく採決する、との委員長の差配がありましたので、質問は割愛させていただきます。
ここで委員の皆さまに思い返していただきたいのは、委員長と私あわせ10名の当該委員会の委員が、過去2回にわたり、事前にしっかり原稿を読み込んだのち「問題なし」とされたことである、という事実です。
これが、文章中の文法用法の間違いや、誤字脱字のたぐいであれば見落としはあり得ますが、議員の名前の記載を10名の委員が、2回にわたり「見落とす」ことは考えられません。
これらはすなわち、10名の委員全員が、原稿執筆議員の名前を議会だよりに書くことは妥当と考えていたことの証左です。
さて、本件について顧問弁護士(※1)に確認したところ、過去類似の訴訟に関する原告勝訴の事案がありましたので紹介いたします。
判決は、平成13年11月16日、神戸地方裁判所にてなされました。
【PDF資料】判決 平成13年11月16日 神戸地方裁判所 平成9年(ワ)第181号 損害賠償請求事件
本件は、現在の篠山市(係争事案発生当時は篠山町)において、佐倉市でいえば「広報公聴委員会」の決定で、議会だよりに、特定の議員の質問が掲載されなかった事案です。
当該自治体の広報公聴委員会にあたる機関が決定、実施した当該議員の質問非掲載の理由は、当該議員が当該自治体の議会だよりを「デマ記事だ」などと誹謗中傷したことによる措置としてなされましたが、裁判ではその措置が当該議員に与えた精神的損害を認め、国家賠償法の規定に基づき、市に15万円の支払いを命じたものです。
さて、私は本件について言論の場で市民に経過をお知らせしたところですが、佐倉市議会だよりについて誹謗中傷したことは一切ありません。
にもかかわらず、議会、及び広報公聴委員会が機関決定したとおりの手続きを踏み提出した原稿について、質問の本質をなす「執筆議員の名前」を掲載しない、という決定が、当委員会でなされようとしています。
議員の言論を考えるうえで、本件は佐倉市議会という枠の中でおさまるものではない重要な決定を、これからなそうとしている、という点をお考えいただきたい。
なお、もし本件の決定が司法の場に持ち込まれた場合、被告となるのは地方公共団体、すなわち佐倉市となります。
しかし、争われるのは、当然に本委員会でなされた機関決定の妥当性をめぐるものであり、係争の場では皆さまが当委員会でなした発言も、賛否行動も、証拠物件として提示されることになります。
最後に、引用させていただいた判例中、当該委員会がなした「質問非掲載」という決定が、「編集委員の裁量権の濫用」と判決した司法の立場について、裁判官が述べられた部分を紹介し、意見とします。
「議会だよりの編集・発行は議会活動そのものではなく、町民に議会及び議員活動についての情報を提供することを目的とする広報活動であって、町民は議会及び議員の活動の全体像を正しく知る権利を有しており、また、議員も自己の活動について正しく町民に広報される利益を有している。したがって、議会だよりの編集・発行が違法であるか否かについては、司法判断の対象とすることができると解するのが相当であり、そう解しても地方議会の自立権を損なうことにはならない。」
以上を踏まえ、ご賢察いただくようお願いいたします。
(結果、3月31日の佐倉市議会・広報公聴委員会にて、上記のとおり5対4にて、名前を「掲載してはならない」とされました)
(※1)髙橋注:当弁護士に確認したところ、正確には「弁護士」とするべきだそうです。顧問弁護士というと、顧問契約を前提としているそうですが、当弁護士は私にとって「常の相談先」の弁護士ですので、その旨訂正させていただきます。
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