- 2019.12.26
【市民の方の意見と批判_1】佐倉市職員の給与改定について
覚悟はしていたことですが、私が公務員給与改定について「賛成」の記事を公開したところ、市民の方からご意見やご批判をいただきました。そこで
- Twitterからいただいたご質問と、私の回答。
- メールでいただいたご意見・ご批判と、私の回答。
を、本ブログ用に一部加筆修正して投稿させていただきます(内容は変えていません)。
なお、投稿にともない、内容の掲出は、それぞれご本人の了解をいただいています。
◆Twitter:ご質問
地方公務員の給与は一般国民の平均収入よりもかなり高い水準にあるように思います。
しかし公務員が汚職や、勤務中に政治活動(沖縄県など)をしないで、住民本位の働きなら良いのです。
でもボーナスが公務員にある事は不自然だと思います。
民間の様に(企業業績の変化に応じて)増減など出来るのでしょうか?
◆髙橋回答
ご質問ありがとうございます。
公務員のボーナスの件、理論上は確かに議論の余地があります。
他方、公務員も日本国民ということを考えると、例えばボーナス時期にまとめて支払いをする慣習など、日本の社会制度にある程度あわせた支払い方法は考慮する必要があるように思います。
ようは、1年間に支払われる総額が、民間と比較してどうか?という点が、一番の「見るべきポイント」かと思います。その意味で、ご指摘の「一般国民の平均年収」は、重要な指標の一つだと思います。
さらに具体的に言うと、「同等の職種、経歴、年齢」において設定された給与額が、民間の平均値や中央値と比べて高いのか、安いのか、もしくは「高くあるべきなのか」という議論が一つ。
また、それとは別に公務員の人事制度の議論としては「首になりづらい身分保障」や「減点主義的・年功序列式人事制度」等が別にあるわけですが、市民国民感情としては「特権ずるい」と感じがちなナイーブな問題でもあるため、冷静に議論したいところだと考えます。
質問に対する回答:業績に応じた給与設定の方法
ご質問の「民間のように業績に応じた(給与の)増減」については、私が知る限り二つの方法が考えられます。
一つは市長提案によるもの。例えば、ふるさと納税で有名になった泉佐野市が20年度決算で財政破綻一歩手前の財政健全化団体に転落した際は、様々な業務効率化とあわせ、一般職の給与削減を実施しました。当初は13~8%、27年4月からは9~4%に削減幅を縮小しつつ、来年の4月に削減終了予定だそうです。
もう一つは、議会により給与改定を否決し続ける、という方法です。その前提として「業績悪化(経常収支比率の増加や財調の大幅減、等)」という理由をたてれば、おっしゃるのと同じ効果にはなります。
今回、佐倉市では「市民オンブズマンひまわり会」がざっくりこのスタンスで議会に臨んだわけですが、私を含む多数がそれには反対しました。ようは、職員の給与を削減して財政健全化を図るか、職員のやる気や将来的な質を落とさないようこれまで通り人事院勧告に従った給与改定をするか、のトレードオフの判断だった、というのが、今回の大きな議論の枠だと考えます。
他方、泉佐野市などの話を考えた時、千葉県でもいくつか、財政健全化団体一歩手前の「財政ギリギリ自治体」が出現しはじめたことを思うと、あながち「市民オンブズマンひまわり会」の言っていることが「ポピュリズム」とは言い切れない、と考えてもいます(とはいえ、仮に勧告に従わない「据え置き」という判断をする場合は、中長期の計画や何らかのターゲットを設定しない限り、政治サイドのふるまいとしては乱暴だと思います)。
一番恐ろしいこと
何度も言っていることですが、一番恐ろしいのは、相当厳しくなりつつある佐倉市の財政状況を、ほとんどの市民が興味をもっていないということです。財政破綻した場合、市民サービスは想像以上に落ち込みますが、「他が大丈夫だから佐倉市もOKでしょ」と思っている。あるいは、それすら思っていない。
確かに、佐倉市より厳しい自治体はたくさんあります。しかし、例えば大きな災害がおきたら、あるいは、このまま無策に税収が落ちていったら、財政健全化団体への転落までの距離は、そう長くはありません。
とはいえ、財政健全化のために引き締めばかり行っていても、落ち込みを緩和する効果しかない(税収は上がらない)。なので、私は「出すべきところには、計画的にしっかり出す」という考えを持っています。先のとおり、行政は職員により成り立っているため、人事院勧告に従っての給与改定は、私は現状「出すべきところ」だと考えた次第です。
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