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【選挙戦後談】私ができなかったこと「選挙はがき」とその闇

私のように、政党や業界団体のバックグラウンドがない候補者にとって、「何をやり、何をやらないか」を決めるのは、立候補を決めた初期段階の重要な仕事です。

私がごく初期から「やらない」と腹をくくっていたことの一つに「選挙はがき」があります。
正確に言うと「やらない」というよりは「できない」と言うべきかもしれません。できるなら、絶対にやったほうがいいからです。

「選挙はがき」とは何か?

「選挙はがき」とは何かと言うと、選挙期間中に市民の皆さまに郵送できるはがきで、印刷代は自費ですが、配送料は公費、つまり税金で行う選挙プロモーションです。
一般的な新人の場合、現職と比べると「圧倒的に」知名度が足りません。しかし、選挙期間中市民の皆さまに配れる資料は、選挙管理委員会からもらったシールを貼り付けた「選挙ビラ」4,000枚のみ。これだけでも、公職選挙法は新人に不利な作りになっていることがわかります。
それを補うことができるのが、「選挙はがき」で、市議会議員選挙では2,000通まで送ることが認められています。
そのため、候補者はたいてい選挙期間前までに、2,000名分の「支援者名簿」を作って、そこに「選挙はがき」を送るという活動をします。

正直、この「選挙はがき」をやらない、という決断は、勇気がいりました。

しかし、私は事務処理は一人でやらざるをえなかったため、「選挙はがき」については「絶対できない」と考え、最初から手を出しませんでした。

もちろん、選挙期間前の政策チラシ配布の折、「支援者登録用はがき」を添えて、戻りを待つところまでは、やればできたと思います。
しかし、名簿というのはいったん集めてしまうと、メンテナンスが最も大変な作業です。
また、仮に登録してくださった方へ「送るべきもの」を送らなかった場合、失礼ですし、結果逆効果にもなるとも考えました。

支援者名簿の闇

候補者の中には名簿業者から自分が「重点エリア」と決めた住民名簿を購入し、一斉に「選挙はがき」を郵送する方がいることも知っていました。
しかし、名簿業者が勝手に収集した宛先に「選挙はがき」を送ることは、ほとんどの場合個人情報保護法違反になります。
個人情報を収集する際には、必ず「何のために情報収集するか」を明示し、許諾を得る必要がありますが、少なくとも私や私の家族は、名簿業者や他の候補者に「政治家から選挙はがきやチラシ」を受け取ることを許諾したことはありません。しかし、我が家には多数の候補者から「選挙はがき」が届けられました。
なお、私の亡くなった父宛に届けられたものが大半という、ブラックジョークのような状況であったことを申し添えます(泣)。

こういった残念な事象ひとつひとつが、市民の政治嫌いを助長します。
「選挙はがき」そのものは、時代を勘案した場合議論の余地はありそうですが、2019年現在の選挙人の年齢層を考えれば、そう悪い制度であるとは思いません。
とはいえ、もし選挙期間前までに思うように名簿が集まらなかったとしたら、それはきっぱりあきらめないといけないよ、と思うのですがいかがでしょうか。

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