【2019年7月10日】佐倉図書館など新町活性化複合施設に対する請願について(1/2)
本件は、一言で言うと、「老朽化した佐倉図書館を建て替える事業」の内容に関する検討、です。
結論から言えば、私は市役所がまとめた「新しい佐倉図書館」計画について、賛成の立場の意見表明をしました。つまり、今回提出された請願には反対をしました。
今回提出された請願の詳細については、こちらをご覧ください。
本件に関する私の意見(2019年7月10日の議会における私の討論原稿)だけをお読みになりたい方は、こちらをご確認ください。
◆前提
基礎自治体において、図書館などの文化施設については、「100人いれば100通りの意見がある」と言えます。
佐倉市の図書館、という点に絞って言うと、「本館」と呼ばれる大きな図書館は3館あります。
志津図書館、佐倉図書館、佐倉南図書館がそれで、1館あたりの蔵書数も1万から3万冊ある大きな図書館です。
3館の位置は、下の図の赤いマークがついている箇所を確認してください。
江原台に住む私が一市民として言わせてもらうなら、「どの図書館からも等しく遠い」立地であることは不便であり、とても残念です。学生時代、図書館で勉強したくても「遠い」、郷土史の本を執筆中に図書館で調べものをしたくても「遠い」、これにはとても苦労しました。
冒頭「100人いれば100通りの意見」と言ったのは、つまりこういうことで、市民全員が満足いく文化施設の数と質を用意することは「絶対に無理」であるという前提が、まずあります。
しかし、「絶対に無理」だから、市役所や市長が考えたことを進めてしまえばよい、ということでは「絶対にない」ともいえます。なぜなら、図書館を使う主体は、計画者ではなく市民だからです。
以上から、必要なのはまず市民の皆さんの声を聞くことです。本議案についていえば、佐倉市5回のワークショップ、461票を回収した公共施設利用者アンケートの実施、学生や子育て世代を対象としたグループインタビューを4回、意見交換会を1回実施しました。
詳細については、こちらのページをご確認ください。
市役所は、それら市民の皆さまの意見をくみ、意見調整の経緯と内容をしっかり公開したうえで、計画としてまとめあげることが求められます。
さて、この規模の文化施設案件については、先の理由から市民全員が「賛成」をすることはほぼありません。真剣に考える市民の方々が多ければ多いほど意見はでてくるもので、それ自体はとてもよいことだと思います。
では、市役所がしっかりステップを踏み、市役所として「市民の皆さまの意見をしっかり反映した計画をたてた」と考える案件に対して、仮に反対者がいて、話し合いで平行線をたどった場合どうすればよいでしょうか?
理想なのは、「とことん、何年かかってでも話し合い、相互理解をはかること」でしょう。
他方、物事には常に計画があり、人的・予算的リソースの制約があり、その計画に対する背景があります。たとえば、この案件でいえば
- ワークショップの結論として、図書館機能・保存機能・相談機能・展示機能を含む複合施設化、秋祭り等イベントと図書館機能の両立、等が方針として決定していること。
- 「新町の活性化に資する図書館」を作るという意見書が、議会議員全員の賛成により可決されていること 。
などが、背景となります。
また、地域住民や、関係するイベント関連団体の大半が賛意、あるいは了解を表明している案件であったならば、どこかで「白黒」をつける判断が必要です。
反対意見を持つ市民の皆さまが、市役所の計画に対して「NO」を言う最終手段として、「請願」があります。請願は、市議会にて議論され、議決されます。
◆請願について
請願は、日本国憲法で認められている権利で、その意見に賛同する市議会議員を紹介者として、議会に提出することができます。
もし、その請願が議会で可決されたら、たとえ市が進めていた計画でも取り消すことができるという強力な効力を持ちます。
「拒否権」というのはそれだけ強力なパワーがあるわけです。
さて、今回議会にて議論された「請願第3号 地下室ではなく、明るく使いやすい佐倉図書館に建て替えるよう求める請願」は、いってみれば「最後の砦」として、市民の方から議会に提出された新図書館への「NO」です。
まずは、本請願をしっかりお読みいただいたうえで、私の意見をご確認ください。
繰り返しになりますが、私の意見は、本請願に対して「反対」の立場です。そして、本請願については、佐倉市議会では私同様「反対」が多数であったため、否決されました。
佐倉図書館など新町活性化複合施設に対する請願について(2/2)はこちらです。
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