【2019年7月10日】佐倉市敬老会事業に関する私の意見
これから公開する原稿は、7月10日に開催された議会の本会議にて、議員全員の採決が行われる前に実施される、「討論」とよばれる意見表明原稿です。
ここにいたるまでの、佐倉市の敬老会事業に関する過去の議論の推移と、本会議の前に開催された「文教福祉常任委員会」での結論については、一つ前の原稿をお読みください。
結論を言えば、佐倉市の敬老会事業は、佐倉市議会により予算が「0」となり、市役所側に再検討を促すことになりました。つまり、文教福祉常任委員会が提出した修正案が、本会議で多数決により可決されたわけです。
少々ややこしいですが、上記の委員会側が提出した修正案に、私は反対しました。しかし、繰り返しになりますが、結果は上記のとおりです。
ここで補足しておくと、市議会では「敬老会事業をなくす」のではなく、制度設計をしなおすよう、市役所側に要請する(そのためにいったん「0」にする)、という可決結果でした。
また、敬老会事業は、これまでは毎年実施されていた継続案件です。もし今年度も継続して実施するのであれば、この議会で予算が通らない限り、ほぼ実施できないというギリギリのタイミングでした。議会の直後、市長に「臨時議会を開催して、今年度実施できるようにするのですか?」と聞いたところ、「それはありません。」と断言されていましたので、おそらくそういうことなのでしょう。
「もっと早く議会に通せなかったの?」と思うかもしれませんが、この4月にあった市長と市議会議員選挙の関係で、この議会の前には、個別案件の予算を審議することはできなかったのです。
そんな状況をふまえ、私が議会で実施した「討論」原稿をお読みください。
髙橋とみお:討論原稿
修正議案第1号:「令和元年度佐倉市一般会計補正予算」は、「おじいちゃん・おばあちゃんにありがとうの気持ちを伝えたい事業」について、執行部提案の予算450万円を0にしたうえ、再検討を促すという修正案です。
本修正案に
あいまいさ、計画的観点、予算的観点
の3つの観点から、反対討論いたします。
◆あいまいさ
本件、まったく何もない状態であれば、執行部に0から検討を促すということはありますが、執行部は450万円とその根拠、個別イベントの予算算出方法も提案しております。それを0にする、ということは、「どの部分を、どういう風にしてほしい」という、ある程度具体的な修正案が、議会から提示されてしかるべきであると考えます。
確かに、先のご説明で「市内全ての地区で実施できるような制度設計」という言葉はありましたが、それはたとえば「お弁当代くらいは出すような制度とすべきだ」なのか「前年度の予算同様4200万円程度に戻し、補助金ではなく委託事業に戻すべきだ」なのか「地区ごとに、予算を割り返したときの、一人当たりにかける費用の不公平を解消すれば、予算規模は大きく修正する必要はない」なのか、判然としません。
これでは、執行部はどう再検討してよいかわからないのではないでしょうか。
◆計画的観点
敬老会は、毎年の継続イベントです。
昨年度までは、社会福祉協議会に委託し、地区社協とボランティアの皆さまの多大なるご協力のもと、実施されています。
ここで議会が予算を0にしたとなると、今年度の実施ができるのか、危うい状態になります。
今年度、もし「まったくやらない」ということになれば、地区社協の担当者やボランティアの皆さまのノウハウの継承は難しくなります。
また、一部には、敬老会を運営するに際して、ボランティアの皆さまもまた高齢化が進んだことで、お弁当の確保にかかる出欠確認のための膨大な事務の他、数百個のお弁当の持ち運びなどは勘弁願いたい、というご意見もあると聞き及んでおります。
まずは、今回執行部が提案してきた予算と内容で実施して、そこで出てきた反省点を踏まえて次年度につなげていくほうが、市民の皆さまにとってよりよい方策であると考えます。
◆予算的観点
昨年度の4200万円に対して、450万円。予算ベースでは約1/10ですから、大幅削減です。
他方、今年度の予算では、これまでにはなかった「高齢者見守り事業」に、1000万円を付けるなど、重要な高齢者関連事業に予算をあてる方向性を打ち出しています。
急速に進む高齢化社会において、一人暮らしの高齢者問題は、より重要度が高い事業です。
また、これまでどおりの規模の敬老会を開き続けることは、予算的にみても困難であり、どこかで大幅な見直しをかける必要はあったと考えます。
敬老会を楽しみにされているご高齢者の皆さまには大変申し訳ないけれども、提案事業の重要度を考えたとき、今回の予算案は、一定の妥当性があるものと考えます。
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