【2019年7月10日】佐倉市敬老会事業の議論推移と文教福祉常任委員会でのサマリ
◆経緯
佐倉市の敬老会は、ここ数年にわたって執行部と市議会との間で、ときに激しい議論があった事業です。
過去の議事録を紐解くと、市議会側が「敬老会事業は、受益者が少ない割に、予算をかけすぎではないか?」という理屈で、当時の市長であった蕨氏ならびに執行部と対峙したところから本議論が本格化していきます。
機会があればまとめて公表しますが、相当緊張感のあるやりとりがなされていたのは、議事録を見る限り平成29年あたりからでした。
当時、敬老会の予算は6000万円程度。敬老会に参加できる年齢に達した高齢者中、敬老会に参加するのは約3割程度だったそうです。対して、成人式の予算が約150万円とのことですので、そこだけみれば確かにバランスがとれていないように感じます。
その後、佐倉市の敬老会事業そのものが「なくなる」という新聞報道があったことから、佐倉市議会側が「議会にはかることなく、勝手に敬老会をなくすのは議会軽視だ」という論調で執行部に詰め寄ります。
当時の市長であった蕨氏は「なくすのではなく、形をかえて継続する」という趣旨の答弁を繰り返し、市議会との間で議論は平行線をたどることになります。
そんな中、2019年の統一地方選挙が行われ、結果市長は蕨市長から西田市長に交代することになりました。
さて、私の手元にある西田市長の選挙チラシには、1番目に「高齢化・少子化対策の推進」とあり、その一番上に「敬老会の充実」をあげています。
そんな西田市長が、今回の市議会で、敬老会事業についてどんな予算案を提出してくるか、注目が集まっていました。
◆予算案
市が提案した敬老会事業は、名称を「おじいちゃん・おばあちゃんありがとうの気持ちを伝えたい事業」に変わりました。長いので、引き続き「敬老会事業」と呼びます。
今回「文教福祉常任委員会」で審議された本事業の概要は、以下のとおりです。
まず、対象は佐倉市在住の76歳以上の高齢者です。
予算は、450万円。この予算を使って、14ある地区社協で、それぞれ独自の敬老会を運営してもらおう、というもの。
予算配分としては、申請してきた地区社協に対して、20万円と、自治会加入世帯数に30円を掛けた金額の合計額を補助金として支払う、というたてつけでした。
これまでは、佐倉市社会福祉協議会に委託して実施していたところ、補助金事業に変えることから、お弁当代金は含まれない金額として設定されました。
昨年度の敬老会事業につけた予算は約4200万円。対して、今年度の450万円は、確かに大幅な削減案でした。
他方、高齢者福祉予算として、今年度から「高齢者見守り事業」に約1000万円をあてるなど、重要な施策についても考慮した予算案となっていました。
◆文教福祉常任委員会での否決と修正案
当該予算案を含む文教、福祉に係る議案は、2019年7月2日(火)、佐倉市議会の「文教福祉常任委員会」にて議論されました。
その折、さくら会の為田委員が、本案について
- 地区社協にしっかりヒアリングや説明をしていない
- 執行部提案の予算算出方法では、対象人数の多い地区社協は、あてがわれる予算を参加人数で割り返したときに不利になるため、不公平が生じる
などの点をあげ、本予算案に疑問がある旨の発言がありました。
結果、議会基本条例98条に基づき、為田委員から委員長である久野議員に、「予算案450万円を0円にして、執行部に再考を促す」という趣旨の修正案が上程されました。
その後、上記修正案が文教福祉常任委員会で「賛成多数」で可決され、当該委員会の結論では、敬老会に係る予算はいったん「0円」とすることが決まりました。
当該文教福祉常任委員会の結論である「修正案」は、同年7月10日(水)の本会議にて、議員全員の多数決により賛否を決することになりました。
さて、通常常任委員会ででた結論は、よほどのことがない限り本会議でひっくりかえることはありません。
これから公開する私の原稿は、本会議で議員の賛否をとる手前で行われる、議員の意見表明の場である「討論」にて、私が発表した内容です。
長くなりますので、ページを分けます。
続きの原稿「佐倉市敬老会事業に関する私の意見」については、こちらをご覧ください。
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