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【2020年9月14日】高齢者外出支援「割引」制度事業化を求める陳情への反対討論(未発表原稿)

この討論原稿は、議場で読み上げられなかった「幻の討論」原稿です。

私が「反対」した陳情はこちらです。
陳情第5号 高齢者外出支援・市内公共交通網利用促進「割引」制度の新たな事業化を求める陳情書

本ブログの読者の方ならば、議会でいうところの「討論」とは、当該議会で上程された議案等に対する「議員による議場での賛成or反対演説」であることをご存知かと思います。

本件は、当該陳情をあげた佐倉市民の方から、私宛にメールにて当該議案に対して賛同してほしい旨、事前にご連絡をいただいておりました。

私としては、内容を精査する旨回答させていただいたところでしたが、結果からすると下段に公開した原稿にある理由から、私は「反対」をいたしました。

何度か本ブログで意見表明しているところですが、このように議員ごとに大きく意見が割れ、かつ佐倉市民に重要な意味を持つ議案等については、しんどくても議場で賛否の理由を述べるのが、議員の務めだと思っています。

では、なぜ私がこの討論を実施しなかったのか?それは、以下二点の理由によります。

  • 新型コロナウイルスの防疫対策の一環として、議員による討論の時間が3分に制限されていたこと。
  • 当該陳情より緊急性が高いと判断した議案があり、そちらの討論を優先させたこと。

陳情いただいた市民の方には、討論で理由がお伝えできず、申し訳ないことをしたと思っております。

新型コロナウイルス防疫対策で、佐倉市議会において討論を3分に制限する、とするのは、私は行き過ぎた措置だと考えます。慎重な姿勢をとっていた政府ですら、9月19日からイベント人数規制を緩和します。市議会の運営は、ロックコンサート、スポーツイベント等の「感染リスクの高いイベント」という分類にはなりません。
状況の推移にもよりますが、佐倉市の11月定例会でも同様の措置をとるとするならば、よほどコロナに関する状況が切迫している必要があるでしょう。

以下、3分で読み上げられる分量で書かれた、未発表原稿です。


いわゆる「高齢者外出支援「割引」制度事業化を求める陳情書」に、「反対」の立場で討論いたします。

本陳情は、公共交通機関を使う市民の高齢者が、年間有効パスを購入すれば、市内どこでも一律料金で移動できるような制度を実現するため、当該政策にかかる予算編成を市に求めるものと理解しました。

もちろん、このような仕組みができるのはすばらしいことです。しかしながら

① 65歳以上人口が30%を超える佐倉市では、ご高齢者が満足できる価格での年間有効パス制度を実現するためには、予算が十分ではないこと

② 来年1月に実施予定のコミュニティバスの割引制度として、以下の施策を検討しています

  • 後期高齢者被保険者証を持つ市民が、当該被保険者証を提示すれば、乗車賃を通常の半額の100円とする
  • 市民の免許返納者が運転経歴証明書を提示すれば半額の100円とする
  • 制度実施以降の免許返納者が、市が発行するパスを提示すれば1年間無料とする
  • 上記の他、子育て世代の割引設定なども実施する検討が進行していること。
  • ※髙橋注:上記の事業は、検討段階であることから、当該陳情の上程者は、陳情上程時点では知りえない情報でした。よって、上記の内容を丁寧にお伝えすることができれば、あるいは当該陳情は議会にあがってこなかったかもしれません。

③ 以上を踏まえた場合、コミュニティバスでも網羅できていない市内エリアの交通網整備のほうが、現状の公共交通を利用可能な高齢者の追加の割引制度実現より、優先順位が高いと考えること。

特に「③コミュニティバスでも網羅できていないエリアの佐倉市民のための公共交通網の整備」については、昨年6月議会の一般質問で私が提案した手法の他にも、今後検討・提案していく予定であることから、当該陳情には反対いたします。

本陳情の提出者の方から、陳情に賛成するよう要請をいただきましたので、礼儀としても、ここで、反対の立場ではございますが、討論をさせていただきました。

以上、討論とさせていただきます。

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