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佐倉市の一般会計における「当初予算」と「補正予算」の関係

6月議会で審議された「市長提出議案」に対する私の討論を掲載しようと原稿を整理していたところ、「当初予算」や「補正予算」という用語がわかりづらい、ということに思い至りました。

そこで今回は、佐倉市の令和3年度6月議会をもとに、「当初予算」と「補正予算」の関係を説明します。

◆当初予算は3月に審議される

佐倉市の場合、市の1年間の予算である「当初予算」は、2月議会(実際の審議は、佐倉市議会の場合通常3月)に「予算審査特別委員会」という委員会が立ち上がって、そこで審議されます。結果、議会で可決されれば1年間の佐倉市の「当初予算」が確定します。
ちなみに、佐倉市の令和3年度の一般会計の当初予算は、約477億2400万円。

さて、佐倉市をはじめとする行政は、この当初予算で一年間しのぎ切ることはできません。わかりやすいところでいえば、災害などのために当初予定していなかった事態が発生した場合、追加的な予算が組まれますし、当初見込んでいた建築費が入札によって予定価格より目減りした等では、当初予算を減額することだってあります。

そんな予算の足し引きで、別途組まれる予算を「補正予算」と呼びます。
佐倉市議会では、主に年に4回開かれる「定例会」で、当初予算に対する「補正予算」を審議するわけです。

◆令和3年度6月定例会の補正予算は「約1億4500万円の増額補正」

今回の6月議会の補正予算は、表題のとおり「約1億4500万円の増額補正」でした。
結果、これまでの何回かの補正の結果とあわせ、佐倉市の一般会計の予算総額は、「約477億7000万円」になりました。つまり、当初予算からみると約4600万円増えている、ということになります。

議会では、今回の「約1億4500万円の増額補正」の内訳となっている事業について、「この増額補正は適切なのか?」という視点で審議していくわけです。

もう一つ説明しておくと、この「約1億4500万円の増額補正」の予算は、市税だけで構成されているわけではありません。国や県からの交付金などもあるので、事業の内訳とは別に、「このお金の出どころはどこなのか?その内何割、市税が使われるのか?」という点も確認していく必要があります。

◆補正予算の中身の審議

先の説明のとおり、「約1億4500万円の増額補正」にはいくつかの事業予算の積算で成り立っています。

議会では、その一つ一つを精査する過程で、議員間で「賛否が割れる事業」が発生する場合が多い。過去の補正予算において、「補正予算に紐づくすべての事業に、全議員が賛成!」となったことは、無かったのではないでしょうか。

今回の議会において、議員間で「賛否が割れた」事業の一つは、「臼井公民館など2施設のESCOサービス委託」についてでした。

これ以降は、個別事業に関する件なので以降の記事に譲ります。

以上、行政における「当初予算」と「補正予算」の関係でした。


次の記事 佐倉市の施設の省エネ施策:ESCO事業の論点整理


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