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佐倉市の消防団員の車両保険(マイカー共済)

一般質問 2024年9月5日 佐倉市議会 髙橋とみお質疑

◆はじめに

佐倉市の消防機関には、消防本部・消防署と消防団とがあります。

消防本部・消防署は「常備消防」と呼ばれ、消防職員が不意の事態に備えて常に待機しています。

一方、消防団は「非常備消防」と呼ばれ、団員は普段はそれぞれの生業につきながら、災害発生時には消防団員として市民の生命・身体及び財産を保護するとともに、災害による被害を軽減するという重要な任務に従事します。

消防団の組織は、佐倉市を佐倉地区、志津地区、臼井地区など7つの地区に区画し、各区に一つの分団をおいています。それらの分団の下に52部を組織している他、現在は女性消防部も組織され、全53部が存在しています。

総団員数は、本年4月1日時点で701名(うち女性12名)です。

◆本論

通常消防団員は、災害や火災で出動命令が発せられた際、各部に設置している消防車両で現場にかけつけます。

しかし、団員は通常正業をもっているため、参集のタイミングが遅くなるなどすると、部の消防車両が出動してしまっている場合も多くあります。そこでこのほど、やむをえず団員個人がマイカーで現場に駆け付けた場合、現場にマイカーを緊急駐車できるように、佐倉市では各部に「消防団員による緊急駐車」周知用のプレートを用意しました。

プレートは、52部すべてに配置されており、配置は各部に5枚配備されています。

このプレートは、例えば現場に急行した団員が、緊急的に現場近くにマイカーを停めた場合、「消防団員の緊急車両」であることを周知するためにフロントガラスに見える位置に設置するものとうかがいました。

そのプレートは、各部の消防車、もしくは機庫内に置かれており、団員は必要な場合に機庫に配備されたプレートを借り受け、そのプレートをもって現場に参集することになるとうかがいました。

一方、団員個人の所有物である車で、水害などの危険な災害現場にかけつけるわけですから、事故や物損が生じる可能性は比較的高い状態にさらされます。

そこで、総務省消防庁では、そのような危険に対して、団員のマイカーにかける保険制度を作りました。

内容を読むと、特別交付税の措置として、保険料の50%は国が負担する制度となっています。また、その保険を予算化するかどうかは自治体に権限があり、佐倉市は現時点で採用しておりません。

そこで、本制度を利用し消防団員の保険や共済を措置するお考えがないかうかがいます。

加えて、仮に団員全台に保険をかけるのが予算的に難しい場合、1部あたり台数を絞る手法も考えられるかと思いますが、そのような措置についてどのようにお考えかうかがいます。

執行部(市役所)回答

確かに、公平性を考えた場合、全員の車両に保険をかけることができるのが理想です。

しかし、これは部によって事情が異なるかもしれませんが、現場参集の際マイカーを使う頻度が高いことが想定される団員は、ある程度特定できるともうかがいました。

その場合、1部あたり2から3台など台数をしぼって保険をかけることも有効と考えます。

消防庁が令和2年に発出した通知で料金表が公表されていましたので、本当にざっくりと試算したところ

この表でいうと、分担金の列が行政が払う金額(内50%が国、50%が市)となります。

例えば、佐倉市全52部のうち、1台の 団員 のマイカーについて共済に加入した場合

当該車両の評価額平均が200万円の乗用自動車と想定すると

1台当たりの分担金は2,7670円ですから

2,7670円×52部×1/2(半分)=71万9,420円

これが予算です。

仮に、各部に配備されたプレート分5枚を元に試算しても、先の前提でいえば

719,420円×5枚=359万7,100円

です。

他方、この制度に問題がないわけでもありません。

仮に、車両価格が購入時に200万円でも、購入から6年を経過すると価値算定は10%になってしまう。つまり、共済保険の上限額は20万円です。一方で、一般的な物損事故、例えばドアが壊れた、などについては20万円までは満額支払いとなりますから、保険に入っていることが一定の安心材料にはなります。また、何より対物、対人には無制限であることも安心でしょう。

確かに、佐倉市で経常予算として措置するには相当にインパクトのある数字ですが、消防団のなり手不足が加速している状況にあって、少しでも団員の危険や負担を緩和する措置をご検討いただきたく思います。

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