- 2024.06.11
佐倉市の里山自然公園について
里山自然公園について
里山自然公園は、佐倉西高校の近くに立地する森の公園です。
緑が深く、市街地のすぐ近くにあって、サシバやカワセミもいるとても気持ちの良い公園です。この公園エリアの土地は約73.8ヘクタールである旨公式サイトに書かれています。
この公園で、佐倉市が所有している土地の大半については、当時大林組から購入したと承知しておりますが
- 用地取得の時期と背景
- 購入したときの面積と購入金額
についてうかがいます。
また、大林組から購入して以降、2023年6月議会までに、大林組以外から取得した民有地の面積と、譲渡された土地と購入した土地の比率、また購入した場合その総額についてうかがいます。
執行部(市役所)回答
佐倉里山自然公園に係る市有地につきましては、谷津田の自然環境や生態系の保全を理由に、平成18年に株式会社大林組から土地を取得したものでございます。購入した土地の面積は、公園の区域内約18.1ヘクタール、公園の区域外約2.0ヘクタール、金額は約3億8,500万円、同じく大林組から無償譲渡で取得した土地は約14.5ヘクタールと合わせ、合計で約32.6ヘクタール、総面積約73.8ヘクタールのうち約44%の土地を市が取得しております。その後、市が取得した民有地は約7,500平方メートルで、総面積の約1%、これらは全て無償譲渡されたものでございます。
大林組から購入した土地面積は、公園エリアのほぼ半分にあたる約35ヘクタール、金額は約3億8000万円と確認できました。
また、その後市が取得した土地が〇ヘクタールであり、そのすべてが譲渡によるものであることがわかりました。
では次に、現在民有地として残っている当該エリアの土地については、すべて市街化調整委区域なのかうかがいます。
さらに、当該エリア内には、一部鉄板で囲われた、いわゆるスクラップヤードのような施設やごみ捨て場のような場所が数カ所みられますが、そもそもこの公園内の土地に、地権者がヤードやごみ捨て場を設置することは可能なのかうかがいます。
執行部(市役所)回答
佐倉里山自然公園は、全て市街化調整区域にございます。区域内でありましても法令等に抵触しない土地利用につきましては、許容されるものでございます。
なお、区域内のヤード等につきましては、違法建築物がある場合には市街地整備課にて指導しておりますが、ヤードそのものや不法投棄につきましては関係部局と連携を図っております。
このエリア一帯は、「里山自然公園」と名のついた立派な公園です。単なる私有地ではありません。
まず、公園のど真ん中にある、鉄板で覆われたスクラップヤードのような場所にあるものは、どうみてもコンクリートガラ、あるいはコンクリートくずでしょう。
これらは、法的に産業廃棄物ですから、そもそも放置することは違法の可能性が高い。
また、一般ごみにみえるゴミの山も、やはりこの公園のど真ん中に存在します。
例えば、昨今「ゴミ屋敷」問題が頻繁に取りざたされますが、あれは一般の住宅地に著しく景観や居住環境を損ねる「ゴミ屋敷」が出現した場合、地域住民の不利益になることから、行政は①地域住民からの聞き取りや徹底した現地調査、②ゴミ処分に関する助言や指導を行います。それでも状況が改善されなければ、文書による戒告、行政代執行までいきつくケースも増えてきました。
それでは、里山自然公園がどのような状況か、写真を提示します。
この写真をみて、「個人財産が積まれているな」と考える人は皆無であると考えます。
本公園は、先に紹介した資料にて、「グリーンインフラの推進」「ウェルビーングの向上」等、その基本方針を公表しています。それら公園の主旨に照らせば、このような個所を放置すべきではないと考えます。
地権者が自身の財産だと強弁するにせよ、ゴミと認めるにせよ、この場所を「正しいグリーンインフラ」として整備するステップに入るには、地権者の見解をきくことが本件の解決の第一歩と考えますが、佐倉市役所としてそのようなヒアリング等は行った実績はありますか?また、あるようであればそれはいつで、結果どのようなものであったかうかがいます。
さらに、もしこの場所に置いてあるものがゴミだとした場合、履歴の残らない口頭による注意ではなく、行政行為としての助言や指導を行った実績はありますか。
またあった場合それの時期と回数、さらにその助言や指導の効果についてうかがいます。
執行部(市役所)回答
これらの状況は、市でも認知はしているものでございますが、土地所有者とこれらの扱いについてお話しした経緯はございません。今後とも適時必要に応じて土地所有者と協議はしてまいりたいと考えております。
助言や指導が財産権の侵害にあたるならば、ゴミ屋敷に対するそれも同様、ということになります。実際、佐倉市が公園指定し「市民の憩いの場」として整備しているエリアに明らかなゴミの山があるならば、しっかり履歴が残る方法で助言、あるいは指導をし、場合によっては警察や県と連携して真剣に取り組んでいただきたく思います。買い取よりも前に必要なことではないでしょうか。
本件は、引き続き次回以降も質問させていただきます。
民有地に関する整理・今後の購入計画
昨年6月、佐倉里山自然公園整備基本構想が公表されています。
佐倉市公式サイト:里山自然公園整備基本構想
その14ページの「(2)用地取得」に以下のような文言があります。
「用地取得対象地(民有地)について、地権者の意向を確認します。売却の意向が確認できた民有地については、順次、用地測量と不動産鑑定を行い、有償による計画的な用地取得を進めます」
また、昨年6月の建設常任委員会でも、部長がその趣旨にそって答弁していました。そこでまずは現在残っている民有地の面積と、筆数、土地収用について交渉する対象となる地権者の数についてうかがいます。また、それら民有地所有の地権者のうち、何名から、どの広さの面積について「売却の意向」が確認できているかうかがいます。
執行部(市役所)回答
全体約73.8ヘクタールのうち、現在残っている民有地の面積は約32.4ヘクタール、現時点で把握している筆数は215筆、重点整備区域約16.2ヘクタールのうち、民有地の面積は約11.2ヘクタール、筆数は43筆、地権者数は34名でございます。
なお、売却の意向につきましては、意向確認を含め現在交渉中のものもございますので、明確な人数は持ち合わせておりません。
1ヘクタールあたりの価格について、議会で上程された2ヘクタールを購入するための予算6,695万を前提にすると、1ヘクタールは約3,350万円ですから、民有地の残り30ヘクタールをかければ、単純計算で総額約10億円となります。
金額について、詳細な査定がなされていないにせよ、仮に民有地の残り30ヘクタールの地権者すべてから売却の意向が確認できれば、基本構想の書きぶりでいえばそのすべてを「順次、有償による計画的な用地取得を進める」と読めますが、その考えで間違いありませんか?
執行部(市役所)回答
佐倉里山自然公園内の全ての民有地を買い進めるという方針はございません。
文言を見る限り、全てと読まざるを得ない、どこにも附帯条件がないというわけで、部長答弁でもたしか前回の6月……違う?(←ここで、部長が私に身振りで「違う違う」という意思表示をしました)では、ちょっとその件に関して一言お願いできますか。
執行部(市役所)回答
議員、14ページの用地取得のページを採用されたと思いますが、その2ページ前、12ページです。14ページには用地取得対象地について意向を確認しますとあります。その用地取得対象地は何かといいますと、12ページにあるように「活用ゾーンの一部エリアについては、「重点整備区域」に設定し、有償による計画的な用地取得を進めます」とあります。この用地取得対象地は、重点整備区域のことを指します。
それでは伺います。
重点整備区域以外の土地で、地権者から買ってくれと言われたら買わないということですね。
執行部(市役所)回答
これも先日の議会でもお答えしたとおり、その区域以外の土地は全て一切買いませんという方針でもございません。適宜判断してまいりたいと考えております。
つまり佐倉市のフリーハンドで、「ああ、これは買うべきだ」というふうに言えば買えると。全く同じです。 (←ここで、部長は再び私に身振りで「違う違う」という意思表示をしました) 言っていることは全く同じです。私からすれば全く同じです。
ということで、計画に書かれている売却の意向が確認できた民有地については、順次有償による計画的な用地取得を進めるという文言をやはり訂正しなければ、これは読む人が読んだらそういう解釈になります。見解の違いという話ではないです。
そんなわけで、私はそもそもこの公園の民有地について、どこであれ、買取りを進める必要性に強い疑念を抱いていることを表明します。むしろ、まずはその土地に捨てられているゴミに関して、地権者がどういうようなことを考えているのかとか、そのごみについてどうやって処分するのかとか、そちらのほうが(土地の買収より)明らかに先だと私は考えます。
目的とビジョン
次に、本公園の目的とビジョンについてうかがいます。特に、本公園が
- 佐倉市民にとってどのような利益をもたらし
- 他の事業とくらべて、この公園の民有地を買い取ることがより重要である
ということがわかるよう、目的とビジョンをご説明ください。
執行部(市役所)回答
佐倉里山自然公園の基本理念は、佐倉市の自然環境という資産を享受している現役世代の責任として、これらを次世代に継承し、発展させていくことでございます。
なお、先ほど髙橋議員がおっしゃった今後の土地買収について、フリーハンドというのは全く誤解でございまして、その必要性が生じた場合にはその都度予算化して議会にお諮りしたいと考えております。
ご案内のとおり、佐倉市の経常収支比率は90%を超えている。つまり、政策的予算として使えるのは10%もない、という厳しい財政状況の最中にあります。
そんな中、佐倉市では、子育て世代を中心に人口が激減している。
子育て世代の人口減少に歯止めをかけるために、例えば冒頭にあった子育て支援拠点事業へ一般財源を充当したり、保護者の子育て支援のための各種補助金を充実させたり、幼稚園・保育園・学校の施設や教員の充実をはかったりすることより、ウェルビーングの向上のための民有地買い取りにかかる10億円は重要か?
また一方で、佐倉市では高齢化率は32%を超えています。65歳以上の一人暮らしのご高齢者世帯も10軒に1軒です。ご高齢者の孤独死対策等の拡充より、この公園の民有地の買い取りにかかる10億円は重要か?
子育て支援、老朽化する施設対策、大災害対策、ICT活用促進、それらの多くの対策拡充予算より、この公園の民有地を10億円で買うことのほうが重要か?
ウェルビーングの向上、グリーンインフラの整備も結構ですが、それは現在佐倉市が所有している本公園の土地の整備でも可能と考えます。先の執行部の説明では、民有地をあえて買い進めるのが絶対に必要である、という理由にはなっていません。
他の重要事業をひとまず置いても、当公園の民有地の買い取りを進めなければならないという確証がなければ、買い取り予算に賛同することは不可能です。 一方、先の今年度の予算委員会では、先行して2ヘクタールの用地購入予算6,695万が、議会で承認された。実に由々しき事態であることを申し述べておきます。
○議長(敷根文裕) ちょっと待って。髙橋議員、今都市部長は手を挙げていますので、お待ちください。
執行部(市役所)回答
ただいまの髙橋議員の10億円というのは、全くもって髙橋議員の皮算用でございまして、執行部はそんなことは一言も申しておりません。重点区域について適宜取得を進めるというだけを言っておりまして、用地取得につきましても髙橋議員のように不要だ、不要だ、ここ十数年以上もそのまま放っておいた結果がヤードや不法投棄につながっているものと考えております。ここで佐倉市が公有地として残さなければ、できないことがたくさんあります。
○議長(敷根文裕) 髙橋議員、言い方一つなのですけれども、ちょっと言うときに金額を決めつけてしまったりとかそういったところは、今こうして答弁をしてくれているので、聞いた上で、それが納得いかないのであれば、それは発言すればいいですけれども、お互いすり合わせが毎議会うまくいっていないような気がするのです。その辺ちょっと注意して、これから発言をお願いします。時間止まっているので。
ありがとうございます。
まず、予算に関しては、先ほども申し上げましたとおり、割り返した予算であるということは前提としてお話ししております。皮算用である、確かにそのとおりですが、前提を提示しています。
また、ごみに関しても、今まで放置してきた結果というのは、では放置しなければよかったわけで、そこは見解の違いと思います。
2024年6月11日:髙橋とみお一般質問目次
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