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佐倉市の防災・防疫関連協定について

今年になって、佐倉市は関連諸機関との防災・防疫関連協定の締結を加速させています。

例えば、大規模水害や大震災が発生したとき、過去の事例では様々な「生活上の危機的状況」が発生します。

そのような問題に見舞われてから、佐倉市の担当者が外部に助けを求めても、外部機関としては「それは想定していなかったので、協力できません」ということになってしまいます。

そこで、「災害が発生していない平常時」に、何等かの点で「協力してもらえると嬉しい」外部機関と佐倉市が、防災・防疫関連協定を結んでおこう、というものです。

こういう一見地味な案件を積み上げることについては、「やって当然」とか、「そのために役人がいるんでしょ」などと、心無い言葉を口にする方もおられます。

そして実際、そういった「危機的状況」となったときにその恩恵に与ったとしても、それが当然と思ってしまう。

他方、このような「まさかのときの協定締結」をするのは、日常業務に追われる担当者としては、優先順位を高く保つことは困難です。さらに、前例がない事案であれば、協定先の思惑の調整などもあり、なかなか骨が折れる作業であることも事実です。

そうなると、これは公務員であるなしに関わらず、「ま、協定結ばなくても、評価がさがるわけじゃなし」ということで、放置されてしまう。

こういった仕事について、私達市民がしっかり注目することは、市役所の業務に対するモチベーションを確実にあげます。そして結果的に、私達市民の「住みよい街づくり」の礎となることになります。

そこで今回は、今年になってから佐倉市が外部機関と結んだ「防災・防疫関連協定」の一覧と、そのいくつかの「期待できる効果」を概観したいと思います。

◆2020年佐倉市が締結した「防災・防疫関連」協定とその効果事例

災害時等における施設の一時利用に関する協定
協定先:大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館
締結日:2020年3月25日
昨年の水害時、佐倉市の公共交通機関である千葉グリーンバスが所有しているバス5台が、田町車庫で水没してしまいました。
公共交通機関のバスが使えなくなったことで、水害後の長い間「間引き運転」などが発生し、佐倉市民の移動手段に多大な不便が発生しました。
そこで、水害等の恐れがある際には、バスを高台の駐車場に逃がすため、佐倉市は歴史民俗博物館と「災害時等における施設の一時利用に関する協定」を締結しました。
これにより、「水害等が発生する可能性が高い」状況においては、佐倉市の公共交通機関であれば、歴史民俗博物 館の駐車場に車を逃がすことができるようになりました。

災害時における支援協力に関する協定
協定先:千葉県行政書士会
締結日:2020年3月26日

災害時及び感染症発生時における防疫業務に関する協定
協定先:一般社団法人 千葉県ペストコントロール協会
締結日:2020年5月1日

災害時における停電復旧の連携等に関する基本協定
締結先:東京電力パワーグリッド株式会社 成田支社
締結日:2020年7月1日

災害時における仮設トイレ等の提供に関する協定
協定先:むつみ産業株式会社
締結日:2020年8月18日
大震災等が発生し、避難所生活をする市民が多く集まる場所では、トイレの問題が必ず発生します。平常時には想像もできないような劣悪なトイレ環境に置かれても、備えがなければ私達市民はほぼ打ち手がない状態におかれます。
そこで佐倉市では、仮設トイレのレンタル・リースを手掛ける「 むつみ産業株式会社」 との間に協定を締結しました。これにより、佐倉市の要請があれば、当該事業者が保有している仮設トイレを優先的に設置していただけるようになります。さらに、定期的な汚物等の処理についても、すでに協定を結んでいる有限会社印旛防疫社などにご協力をいただける状態にあることで、佐倉市の指定避難所等では、トイレ問題を最小限に食い止められる可能性が高まります。

災害時における電動車両等の支援に関する協定
協定先:三菱自動車株式会社、千葉三菱自動車販売株式会社
締結日:2020年9月30日
大規模停電が発生した場合、佐倉市内の病院、障害者施設、老人ホームなどに優先的に、電力を供給するための協定です。これにより、例えば真夏、真冬などの時期に、当該事業者の提供する車両が供給 する電力で冷暖房を提供できたり、命を守るための医療器具を動かす最低限の電力を供給できたりする可能性が高まります。

今後とも、「想定しうる危機」に備えるために、このような協定締結を積極的に行っていただけることをお願いしていきたいと思います。

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