- 2025.12.13
佐倉市の防災対策と応急仮設住宅について
私の一般質問で何が変わり、何がまだ足りないのか
昨今、東北地方や茨城県を中心に、比較的大きな地震が頻発しています。
大規模地震は「いつか来る」ものではなく、「いつ来てもおかしくない」段階に入っています。
佐倉市においても、防災対策には依然として多くの課題が残されていると私は考えています。
こうした認識のもと、本年、特に緊急性が高い防災施策について、私は議会において複数の決議案を提案しました。
しかし、以下の決議案はいずれも、
さくら会・公明党・自由民主さくら・市民ネットワークの各会派が採決を拒否し、議場を退席するという異例の対応の結果、否決されています。
- 発議案第5号
災害時応援協定締結事業者との継続的な会合・訓練の実施に関する決議
(令和7年3月25日/否決:賛成4人、反対10人) - 発議案第6号
災害時協力井戸・農地の契約促進に関する決議
(令和7年3月25日/否決:賛成4人、反対10人) - 発議案第7号
避難所運営委員会の設立と継続的な避難訓練の実施促進に関する決議
(令和7年3月25日/否決:賛成4人、反対10人) - 発議案第8号
応急仮設住宅建設予定地の指定に関する期日目標の設定と、防災トイレ設置の促進に関する決議
(令和7年3月25日/否決:賛成4人、反対10人)
そこで今回は、これらの中でも特に重要性が高い
「応急仮設住宅の建設予定地」に焦点を当て、
-
私が行ってきた一般質問によって
行政が実際にどこまで動いたのか - そして、何がいまだに手つかずなのか
を整理してお伝えします。
本文の下には、参考資料として一般質問と答弁の全文を掲載します。
① 進捗(私の質問により、実際に動いた点)
2023年時点では、佐倉市における応急仮設住宅の具体的な建設候補地は西志津多目的広場のみであり、
- 地区別の配置計画はなく
- 実質的な検討も進んでいない状況でした。
これに対し、2024年の私の一般質問において、
-
国の指針
(全半壊想定戸数の2~3割程度の用地確保) -
被災後の孤立を防ぐための
コミュニティ維持・地域分散の必要性
を繰り返し指摘しました。
その結果、2025年の答弁で初めて、以下の進展が明らかになりました。
- 市内部での検討会を 計11回開催
-
市有地の洗い出しを実施し、
- 面積
- ライフライン
- 接道条件
-
災害リスク
などを精査
-
ユーカリが丘北公園・南公園、山王公園、七井戸公園など
複数の新たな建設候補地を選定
これにより、応急仮設住宅の候補地は「単独」から「複数」へと拡大したことが、明確に確認されました。
また、「特定の地域に偏らないよう配慮する」との答弁も繰り返し示され、
市の姿勢そのものが変化した点は、重要な前進と評価できます。
② 残る課題
一方で、課題も依然として残されています。
- 地区別・人口規模を踏まえた配置計画は、いまだ示されていない
(臼井・印南地区、和田・弥富地区などで手薄な状況は解消されていない) - 江原新田旧無線塔跡地(民有地)については、
- 2023年:
「地権者と協議する」と答弁 - 2025年:
「公共用地優先」を理由に協議を行わないと後退
- 2023年:
民有地を活用する選択肢が、事実上閉ざされたままとなっています。
-
必要戸数(想定1,000~1,500戸規模)に対し、
「どこに、何戸確保できるのか」という全体像はいまだ不透明です。
③ 総括
私の一連の一般質問により、
-
応急仮設住宅の候補地検討は、
「構想段階」から「具体的な場所を検討する段階」へ前進しました。
しかし、
- 地域分散の具体化
- 民有地も含めた柔軟な確保
- 想定必要戸数を満たす全体計画の提示
といった点は、
今後も継続して問われるべき重要な課題として残されています。
別添参考:私がなした応急仮設住宅関連質問と答弁
2025年 令和7年 8月定例会-09月04日-05号
◆5番(髙橋とみお) 発生した事件の反省に立ってご提案を申し上げましたが、今の現状のままでは、また2024年の事故が起きないとも限らないというふうに思いますので、ぜひこういった制度を含めていろいろとご検討いただければというふうに思いまして、次の大項目に移りたいと思います。
当面の課題です。応急仮設住宅について伺っていきます。本件については、2024年の私の質問に答えて、上座総合公園、ユーカリが丘北公園、佐倉城址公園について、応急仮設住宅の指定に関する協議を執行部内で開始したという答弁がございました。また、昨年12月5日の三谷英継議員の質問に答えて、特定の地域に偏ることがないよう努めるという答弁がございました。
さらに、応急仮設住宅指定について、江原新田旧無線塔跡地について、2023年の私の一般質問の答弁では、議員ご提案の旧臼井無線送信所跡地につきましても広大な平地であることから、所有者に対して災害時における応急仮設住宅建設候補地として協力していただけるよう協議してまいりますといただいております。一方、その後、本件に関する地権者との協議の進捗を伺う私の一般質問では、相手方に対し協議の申入れを行っているが、協議に入れていないとの答弁もございました。
そこで、以上2点について、特定の地域に偏ることがないよう努めつつ、上座総合公園、ユーカリが丘北公園、佐倉城址公園について、応急仮設住宅の指定に関する協議を執行部内で開始した後、現在応急仮設住宅の指定について、協議の進展についてお聞かせください。また、江原新田旧無線塔跡地に関する地権者との協議の進展について、併せてお聞かせください。
◎危機管理部長(川島淳一) お答えいたします。
応急仮設住宅建設候補地の選定については、昨年5月に検討会を開催して以降、関連会議を11回開催し、地域防災計画に基づき市有地の洗い出しを行い、面積や土地の形状、ライフラインや接道条件、災害危険の有無など個別の状況について検討を行いました。さらに、東京電力や東京ガスなどのライフライン事業者等にもアドバイスをいただく中で、新たにユーカリが丘北公園、ユーカリが丘南公園、山王公園、七井戸公園などを建設候補地として選定したところでございます。
また、江原新田の旧臼井無線送信所跡地に関する協議の進捗については、企業分割等により協議が進まなかった経緯もあり、地域防災計画においても応急仮設住宅の建設用地については公共用地を優先して選定するとしておりましたことから、現時点では協議を行っておりません。
以上でございます。
◆5番(髙橋とみお) まず、応急仮設住宅の指定については進展があるということを確認できました。ありがとうございました。引き続き特定の地域に偏ることなく、指定の検討等をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
次に、江原新田の旧無線塔跡地については、いただいた事情で協議は進めないというような趣旨のご答弁、ご見解いただきました。以上を前提とした場合臼井地区は、先ほどご答弁いただいた染井野の七井戸公園が一番近いのかなというふうに思うわけですけれども、そうなるとやはり臼井地区またはその上、坂を上って印南小学校区が手薄になるということもありますので、折を見て旧無線塔跡地、引き続きご検討いただきたいというふうに思いまして、次の質問に移ります。
避難所運営委員会についてであります。避難所運営委員会の設置については、過去何度か質問しています。避難所運営委員会とは、避難所を中心とした住民により組織される委員会です。大規模災害の折、家屋の崩壊や火災などにより住居を失った住民が避難所に避難しますが、その運営は基本的には住民が実施するという前提に立ち、平常時に運営方針を協議し、訓練をすることで災害に備えるための組織です。本件について、私は繰り返し組織率の向上と実質的な訓練の実施を訴え続けてきました。直近の質問では、千代田小学校区1つのみ開設していると伺っておりますが、現在の開設状況と見通しについてお聞かせください。
◎危機管理部長(川島淳一) お答えいたします。
避難所運営委員会のモデルケースとして、平常時から避難所運営マニュアルの作成や避難所の開設、運営訓練等を実施している千代田小学校避難所運営委員会に加えまして、現在2つの避難所におきましても自治会や自主防災組織の方々と協議を進めており、避難所運営委員会の設立に向けて、会議の開催や情報提供等の支援を行っているところでございます。
以上でございます。
◆5番(髙橋とみお) ありがとうございました。本件に関しても進展があるということを大変頼もしく思います。どうもありがとうございます。
現在高齢化や成り手不足により自治会の存続が危ぶまれる中、地域にさらに負担がかかる避難所運営訓練等の実施を促すのは大変な苦労であることは承知しています。しかし、これは必ず来る大災害に対して人命を一人でも多く救う、つまり市民自身のための事業であることを辛抱強く伝え、委員会の開催を呼びかけることが重要です。非常に困難な作業ではあると思いますが、危機管理部という名前にふさわしい活動をしっかり継続してくださいますようお願いいたします。
2024年 令和6年 6月定例会-06月11日-03号
◆5番(髙橋とみお) こんにちは。傍聴席の皆様、こんにちは。また、ネットで傍聴してくださっている皆様、こんにちは。議席5番、公開と改革の髙橋とみおです。会派を代表して質問させていただきます。
調整により、通告にあった起震車、青パト補助金、持家手当、コミュニティバスの質問を割愛し、里山自然公園の項目中、目的とビジョンを項目内の最後に入れ替え、質問いたします。なお、以下質問の資料については私のブログに掲載しておりますので、適宜ご利用ください。
それでは、事業目標と時限設定について伺っていきます。昨年の9月議会で佐倉市の第5次中期基本計画が可決しました。本計画は、佐倉市の4年間の政策の柱であるまちづくりの基本方針であり、佐倉市の最重要計画です。まずは、本計画について質問いたします。成果指標の妥当性についてです。皆様、お手元の資料は第5次総合計画中期基本計画の消防・防災の成果指標等が書かれたページです。8年後の目指す姿を読み上げると、「災害等が発生した際の、情報伝達体制や資機材、防災施設の体制整備が充実し、地域における自助・共助の力が高まった、安全・安心なまちの実現」とあります。目指すべき姿として共感できます。
しかし、成果指標に並んでいるのは、①、消防機庫の耐震化率、②、消防署庁舎の大規模改修件数とあります。これらは計画すれば実施できるものですし、3番、4番に関しても、これは非常に大切な数値ではございますが、実施施策としてはほとんどが啓発となり得、具体的な内容は広報紙を使って啓発などの通常の作業の枠を出ません。特に①や②の計画すれば実施できる項目より、例えば既に佐倉市で取り組んでいるものの広がりのない避難所運営訓練の実施回数であったり、国が要請している応急仮設住宅の立地予定地の面積や指定件数であったりといったチャレンジングなことのほうが目指す姿を実現するための成果指標にふさわしいと考えます。確かに政策についてどちらが重要かという内容の精査については議論があるところですが、中期計画の成果指標には達成が容易な指標や数値から逆算して目標設定しているのではないかと勘ぐらせるものが相当数あるように感じられます。
そこで質問です。この成果指標の設定については、議会での総合計画の審議までにどのようなプロセスで検証され、議会に上程されるのか。また、この成果指標の達成についてはどのような検証がなされ、公表されるのか伺います。
以下の質問は、自席にて実施いたします。
〔市長 西田三十五登壇〕
◎市長(西田三十五) 髙橋議員のご質問にお答えいたします。
第5次佐倉市総合計画中期基本計画につきましては、市民の皆さんとともに将来を見据えながら、オール佐倉でまちづくりを進めていくことが重要であるとの考えに基づき、策定プロセスの各段階で市民参加の仕組みを取り入れるなど、様々なご意見を聴取しながら策定したものになります。
ご質問の評価指標につきましても、取組の取捨選択が迫る厳しい財政状況下にあることを踏まえ、市民の皆さんにご納得いただける指標設定に注力し、公募市民を含む総合計画審議会にご理解いただいた上で行政素案として取りまとめたものでございます。
評価指標設定に係る詳細につきましては、担当部長から補足答弁をさせます。
私からは以上でございます。
〔企画政策部長 向後昌弘登壇〕
◎企画政策部長(向後昌弘) 市長答弁の補足をいたします。
中期基本計画における成果指標につきましては、第5次総合計画が目指す8年後の目指す姿の達成に向け、当該計画期間の4年間で予定している取組を踏まえた項目としております。また、その目標値は中期基本計画の最終年度となる4年後を達成年次として、8年後の目指す姿を見据えつつ、前向きに取り組むための段階的な数値を設定しております。成果指標の設定主体につきましては、一義的には各基本施策の担当部局となりますが、計画全体の整合性を図るため、企画政策課との協議、調整を経て設定しております。
次に、達成状況でございますが、これまで同様、部長級職員による内部評価を経て、外部委員で組織された行政評価懇話会で検証を行っていただいた後、市ホームページ等で公表をしてまいります。
以上でございます。
◆5番(髙橋とみお) ありがとうございました。成果指標そのものの妥当性については、企画政策課で総合調整を図っているということが理解できました。
これは私見ですが、今回の中期基本計画は前期基本計画より練られているというふうに感じておりますが、さきのとおり達成が容易な指標や数値から逆算して目標設定しているように見える成果指標も散見されますので、今後さらなる精査をお願いしたいと思います。また、達成状況の公表についても確認しました。ありがとうございました。
(中略)
◆5番(髙橋とみお)
それでは次に、防災について質問をさせていただきます。西志津多目的広場の防災トイレと地区ごとの応急仮設住宅立地予定地についてです。まず、本年2月29日、つまり能登半島地震発災から2か月後の読売新聞の記事から紹介いたします。皆様、お手元の資料にもございます。記事を要約しますと、輪島市を含む8市町、人口およそ20万人のエリアで応急仮設住宅の入居申請が約8,000戸に上ったとあります。一方、発災後2か月で完成したのは約300戸にすぎず、避難所や親戚宅に身を寄せる被災者が1万9,000人となっているとあります。人口20万人は佐倉市に近似しますから、震度6の地震が起きた場合、佐倉市も同じような規模の被災状況になることが想定されます。このように応急仮設住宅が重要であることは、本地震にかかわらず、あらゆる大震災で証明されています。
国土交通省は、応急仮設住宅立地予定地について、自治体で見積もっている大震災の全半壊の戸数のうち、おおむね2割から3割程度の応急仮設住宅の建設予定地を求めているところであります。前回の資料を再掲しますが、これは佐倉市の防災アセスメントに掲載されている表です。この表を見ると、東京湾北部地震ではマグニチュード7.2かな、震度6弱でしたか、佐倉市は4,794棟が全半壊するとされています。能登半島地震を前提とすると、この数も控え目な見積りと考えますが、この数値の2割から3割といえばおよそ1,000から1,500弱の応急仮設住宅立地予定地が必要です。しかし、現在は西志津多目的広場の207戸のみです。そんな中、佐倉市は地域ごとの応急仮設住宅立地予定地の立地計画はないとの答弁でした。その理由は、西志津多目的広場以外では公共用地、都市公園、民間の遊休地に仮設住宅を造ると考えているからという趣旨でした。
しかし、前回の質問で引用したとおり、国土交通省が公表した応急仮設住宅建設必携中間取りまとめでは、大災害時には行政もまた被災するため、当初計画していたこと以上のことは実施できないという教訓に立ち、計画する必要がある旨の通達を出しています。私もそのとおりと思います。災害時にどこが崩壊、寸断するのか分からないから事前計画を立てないのだとすれば、そもそも計画を立てる必要すらなくなりますから、そんな理屈の通らない話はありません。
また、私が地域ごとの応急仮設住宅立地予定地にこだわる理由は、全半壊した建物に住む住民がランダムに設定された住居にあてがわれてしまった場合、コミュニティーが崩壊し、最終的には孤独死などにつながるためです。これも能登半島地震の報道が多数なされておりましたので、引用は控えますが、皆様にお配りの資料にはございますけれども、大災害の後、縁もゆかりもない地域の住宅をあてがわれ、コミュニティーから引き離された結果、孤独死するご高齢者の問題は誰でも一度はご覧になったことと思います。
佐倉市は、現在65歳以上の人口の比率が32%を超えています。また、65歳以上の独り暮らしの高齢者世帯、これ驚きます、直近の国勢調査の結果である令和2年の段階で既に8,046世帯、令和2年の佐倉市の世帯数は約7万8,000世帯ですから、何と10軒に1軒以上の世帯が65歳以上の独り暮らしだといううそのような状況であり、令和6年現在はその比率が上がっているはずです。人口割を考える必要はあるものの、私が地域ごとの応急仮設住宅の建設にこだわる理由は以上のとおりです。
前回の質問と今回とで危機管理部の部長が替わったので、改めて伺いますが、人口割を考慮に入れつつ、コミュニティーの維持を極力担保できるよう、地域ごとの応急仮設住宅立地予定地を計画する予定はないか伺います。
◎危機管理部長(菅澤雄一郎) お答えいたします。
応急仮設住宅建設候補地につきましては、佐倉市地域防災計画において、第1として西志津スポーツ等多目的施設用地、第2に当面利用が決まっていない公共用地、第3に都市公園、第4に民間の遊休地の順に従い、既成市街地へのアクセスがよく、ライフラインが整備された建設用地を選定することとしており、地区ごとの選定はしておりません。
応急仮設住宅につきましては、仮設住宅建設のほか、公営住宅や民間賃貸住宅の借り上げなどの手法も考えられますことから、不足が生じることがないよう、様々な方策を検討してまいります。
以上でございます。
◆5番(髙橋とみお) 前回の質問から一歩も動いておりません。佐倉市は、こういう市であります。
さて、資料をご確認ください。これは、佐倉市で唯一応急仮設住宅立地予定地に指定されている西志津多目的広場にある、いわゆる防災トイレです。なぜ防災トイレと言うかというと、大きく3点の特徴があるからです。1つ、大災害時、万一水道が来なくなった場合でも地下水をくみ上げることができる井戸が完備されている。2つ、下水管が壊れた場合でも排せつ物をため込むピットが整備されており、数日後くみ取りできる設備となっている。3、停電時の発電機の常備。以上の点により、大災害時のトイレの問題を最小限に抑えることができます。
多くの報道であったとおり、避難所や仮設住宅など被災者が集まる場所では仮設トイレはあっという間に排せつ物でいっぱいになり、機能不全になってしまうことはご存じのとおりと思います。衛生状況の悪化やトイレの機能不全による被災者の排せつ控えの弊害は、市民の命に直結します。土地と地下水に恵まれた佐倉市ならば、そのような問題を最小限に抑えることができる方策があることを西志津多目的広場の防災トイレは教えてくれています。その意味で、今後佐倉市では各地に設定する応急仮設住宅立地予定地には、私はこのような防災トイレの設置は不可欠と考えます。
そこで、西志津多目的広場の防災トイレはいつ造られ、幾らの予算で造ったのか伺います。
また、下水管が壊れた場合、およそどの程度の排せつ物をためることができ、またそれは何名が何回分のものと想定しているのか、またそれはあくまで想定としては何日分に相当するのか伺います。
◎魅力推進部長(鈴木研悟) お答えいたします。
西志津多目的広場の防災トイレにつきましては、平成28年度に建設し、建設費につきましては電気工事や機械工事を含め、約3,300万円でございました。
また、地下の便槽容量につきましては約32立方メートルとなっております。これは、平成24年に実施した佐倉市防災アセスメント調査における西志津1丁目から8丁目住民の避難所生活者予測人数1,377人が1日に大1回、小を4回すると仮定し、10日間使用することを想定し、積算したものでございます。
以上でございます。
◆5番(髙橋とみお) ありがとうございました。当時、平成28年当時ではありますが、約3,300万円ということで、10日間現地での生活者のいわゆる衛生環境を保つことができるということであります。例えば高騰する物価を考慮して、現在であれば例えばトイレ1つに5,000万円かかるとした場合でも、5つ造っても2億5,000万円です。一方、後ほど確認しますが、里山自然公園の民有地買取りに、場合によっては10億円、どちらが有効な市税の使い道でしょうか。
そのような状況にあって、佐倉市では地域ごとに応急仮設住宅の立地予定地が計画にないのは非常に残念です。本当に残念です。ぜひ人口割を考慮に入れた地域ごとの応急仮設住宅立地予定と当該立地予定地に西志津多目的広場にあるような防災トイレの設置を数値目標をしっかり立て、時限設定を区切って実現してほしいと要望し、市長のご見解を伺いたいところですが、同じ回答になると思いますので、次の質問に移ります。
災害時協力井戸、農地についてであります。災害時協力井戸については、前回の議会で紹介しました。平常時において佐倉市内の民家、農家、事業者が保有する井戸について、大災害時のみ利用をお願いする契約を佐倉市と井戸保有者とで締結しておく、いわゆる災害時協力井戸について、私はやはりエリア別に目標値を設定し、締結を急ぐべきという立場です。前回の答弁では、水質検査の問題や所有者とのトラブルの可能性などを理由に挙げて、残念ながら研究を進める止まりで、計画はないという趣旨のご答弁でした。
他方、生活用水の確保ならば水質の検査は要らないこと、所有者とのトラブルならば過去のあまたある先行事例において、契約手法を含め回避できる方法が既にあることなどから、それらはやらないことの理由には当たらない旨、指摘しました。
以上のとおり、行政行為としては既によい意味で枯れた技術である災害時協力井戸について、計画にないとした前回のご答弁の方針に変わりはないか伺います。
◎危機管理部長(菅澤雄一郎) お答えいたします。
市民や事業者が所有する井戸を災害時に使用できる登録制度である、いわゆる災害時協力井戸につきましては、水質の安全確保や井戸の所有者と利用者とのトラブル等の課題も懸念されるところでございます。市内の事例といたしましては、自主防災組織等が中心となり、地域の井戸所有者の協力を得て、地域内における災害時協力井戸として活用している団体もございます。地域による共助の取組として非常に有効な事例であることから、地域での防災訓練などの機会を捉えて紹介してまいります。
以上でございます。
◆5番(髙橋とみお) 市民の命を守ることは、危機管理の行政範囲と思っておりました。
次の質問です。今回は、それに加えて能登半島地震で実際に利用が多くあった災害時協力農地について提案します。名古屋市にあった説明をそのまま紹介します。防災協力農地とは、地震災害が発生した場合に、農地所有者との協力により農地をあらかじめ登録することによって、市民の避難空間としての活用と、災害復旧用資機材置場を確保することを目的とした制度です。
能登半島地震では、農地やビニールハウスが一時避難場所、避難所として実際に利用された事例について多数報道がありました。千葉県内では、やはり災害対策に積極的に取り組んでいる船橋市、柏市、八千代市などが先行事例としてありますが、市の面積に占める農地面積の広さからすれば、佐倉市が先行他市を上回っていることから、ポテンシャルは高いと言えます。市民の命を大切にするのであれば、ぜひ導入すべき事業です。ちなみに、名古屋市の制度では平常時には無償となっております。
昨日橋岡議員の質問にも資機材置場の分散化の提案がございました。災害時協力農地については、千葉県内でも多くの先例がございますので、ぜひ研究して制度導入を前向きに検討いただきたいところですが、執行部の見解を伺います。
◎経済環境部長(和田泰治) お答えいたします。
現在防災協力農地について整備の計画はございませんが、先進自治体の事例や当市の状況に鑑み、関係部署とも連携し、研究してまいります。
以上でございます。
◆5番(髙橋とみお) 前向きに研究いただきたいと思います。
防災訓練です。質問です。佐倉市の防災に関する課題のうち、共助の礎とも言うべき避難所ごとの実際的な防災訓練の実施は必須と考えます。私は、これまで一般質問でこの件に関し、複数回質問してきましたが、現在避難所運営委員会の開設数は、市内ではたった1件である旨、前回の質問で確認いたしました。執行部としても、しっかり取り組みたいという意思は表明いただいているものの、なかなか数値が伸びない。この要因として考えられることの一つに、危機管理部の防災班に7名しか人員がいないという人員不足の課題はないでしょうか。
佐倉市には39か所の指定避難所があります。それら全てに寄り添って、しっかり避難所運営委員会を立ち上げ、かつ実効性の高い避難訓練を実施するまでをサポートするには、他市の事例を見ても相当数の職員が必要と考えますが、執行部の考えを伺います。
◎危機管理部長(菅澤雄一郎) お答えいたします。
全ての避難所における避難所運営委員会の設立等につきましては、共助のさらなる推進において重要であると認識しております。このことから、市では避難所配備職員による避難所への非常登庁訓練の際に、自主防災組織や自治会の皆様に訓練に参加していただき、その際、災害発生時には避難所の開設、運営にご協力いただけるよう呼びかけを行っております。
今後もこれらの呼びかけを継続するとともに、既に設立されている千代田小学校運営計画委員会の事例をモデルケースといたしまして、地域の特性を生かした避難所運営委員会の設立を積極的に促してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◆5番(髙橋とみお) 実質的な意味での避難所訓練をぜひ推進していただければと思います。
2023年 令和5年 6月定例会-06月21日-04号
◆5番(髙橋とみお) ありがとうございました。いずれにいたしましても、地域コミュニティーの在り方、しっかり検討して取り組んでいただきたいと思います。
次に、応急仮設住宅について質問をしていきます。応急仮設住宅建設予定地とは、大規模災害に被災したことで住居を失った住民の皆様に対し、早期に一時的な住居を提供するために、行政が災害前に仮設住宅の建設を予定したまとまった土地を指すと承知しています。
国土交通省が取りまとめた応急仮設住宅建設必携中間取りまとめには、このような記述がございます。読み上げます。「自治体機能や職員等も被災を受けるような大規模発災後は、冷静に考える余裕などはなく、決められたことを決められた通りにこなしていくことで精一杯です。中略。発災後の混乱時期においては、平常時から準備していたこと以上のことは、対応できないという前提に立ち、平常時からできることは準備を進めておくということも、今回得られた大きな教訓であります」。
この中間取りまとめには、平常時からの準備として、被害想定に基づく応急仮設住宅の必要戸数の想定、想定必要戸数に応じた建設候補地の確保などがうたわれています。現在、佐倉市では唯一、西志津多目的広場が応急仮設住宅建設予定地として指定されている旨、本年2月定例会の玉城清剛議員の質問に対する答弁にございました。なお、同じ玉城議員の質問の中で、当該広場では大規模災害時に一戸当たり29.7平米の仮設住宅を最大207戸建設する計画となっている旨答弁されました。
そこで質問です。現在でも、佐倉市の応急仮設住宅建設予定地は、西志津多目的広場のみという認識でよいでしょうか。
また、佐倉市において大規模災害時、およそ何棟の仮設住宅の建設が必要となる想定かご教示ください。
また、応急仮設住宅予定地は、どのような公式文書に規定されているものなのか、教えてください。
◎危機管理部長(高科英明) お答えいたします。
応急仮設住宅建設候補地につきましては、佐倉市地域防災計画に、第1の候補地として西志津スポーツ等多目的施設用地、第2に、当面利用目的が決まっていない公共用地、第3に、都市公園、第4に、民間の遊休地の順番で建設予定地を選定することとなっております。
また、大規模災害時に必要な仮設住宅の戸数につきましては、災害の規模や被害状況によって必要戸数が変化することから、素早い情報収集を行い、公営住宅や民間賃貸住宅の一時借り上げ等の方法も検討しながら、必要戸数の確保に努めてまいります。
以上でございます。
◆5番(髙橋とみお) ありがとうございました。先ほど紹介した国交省の必携では、決められたこと以外のことはできないというふうにうたっておりますので、やはりバイネームでどこと、その場所には何戸建つのかというところに関しても、しっかりと検討していただきたいというふうに思います。よって、今の話でいえば、バイネームで決められているところは、少なくとも西志津多目的広場のみということですので、そちらは大変に重要である一方、それだけでは足りないということが、私的には感じました。
それでは次に、コンテナハウスの協定についての確認です。現在佐倉市では、株式会社デベロップとの災害時応援協定により、移動式宿泊施設等の提供について取決めがございます。その協定内容と、仮に大規模災害時にコンテナハウスが設置された場合、それはプレハブ等が建設される前の一時的な仮設住宅という位置づけなのか、コンテナハウスがそのまま応急仮設住宅として使われるものなのか、その辺りの計画についてご教示ください。
◎危機管理部長(高科英明) お答えいたします。
市では、災害時における移動式宿泊施設の提供に関する協定を、令和2年10月14日に株式会社デベロップと締結しております。協定の内容といたしましては、災害時における市からの要請に対し、移動式宿泊施設を優先的に提供していただくものでございます。提供を受ける移動式宿泊施設は、避難所生活が長期化した場合の二次的避難場所や、応急仮設住宅が建設されるまでの一時的な避難場所として考えているところでございます。
以上でございます。
◆5番(髙橋とみお) ありがとうございました。さきの玉城議員の質問に対する答弁で、応急仮設住宅建設予定地の選定については、例えば電気や上下水道等のライフライン整備などといった様々な物理的条件があるというふうにご答弁されました。
応急仮設住宅建設予定地の選定について、定められた要件はありますか。また、いずれかの場所を予定地として選定した場合、災害時以外の当該予定地の管理について規定はあるでしょうか。
◎危機管理部長(高科英明) お答えいたします。
応急仮設住宅建設用地の選定要件といたしましては、議員のご質問にもございましたが、佐倉市地域防災計画に、既成市街地へのアクセスがよく、地震による地盤の液状化や土砂災害など二次災害の危険性がないこと、建設候補地の道路や上下水道、電気、雨水排水などライフラインが整備され、防火対策のための消火水利が確保可能な土地であることなど9項目が明記されております。
また、応急仮設住宅建設用地における平常時の管理につきましては、所管する施設管理者が維持管理を行います。
以上でございます。
◆5番(髙橋とみお) ありがとうございました。これまでのご答弁で、応急仮設住宅の建設予定地は、バイネームで言われているところでいえば西志津多目的広場となりますけれども、それでは足りないこと。また、予定として指定する要件についても、ただいま確認ができました。
そこで、ご提案がございます。296号線沿いにある江原新田旧無線塔跡地を予定地とするのはどうでしょうか。本地は、比高差20メートル程度の丘の上にあり、二次災害の危険はほとんどありません。また、市街地へのアクセスも至便であり、物理距離でいえば、佐倉市のほぼ中央に位置します。また、太陽光発電が行われている立地であることも、防災協定を結べば、災害時には有利に働くはずです。
以上より、ご提案した場所が候補地として規定的に問題ないか、また検討候補地としてあり得るか、ご教示ください。
◎危機管理部長(高科英明) お答えいたします。
応急仮設住宅建設用地につきましては、基本的には公共用地を優先的に活用する予定でございますが、議員ご提案の旧臼井無線送信所跡地につきましても、広大な平地であることから、所有者に対して災害時における応急仮設住宅建設候補地として協力していただけるよう協議してまいります。
以上でございます。
◆5番(髙橋とみお) ありがとうございました。ぜひ前向きにご検討くださいますようお願い申し上げます。
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