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佐倉市の防災 ④防災トイレ

◆防災トイレの設置

現在、佐倉市で唯一の応急仮設住宅建設予定地である西志津多目的広場に、防災トイレが設置されています。なぜ防災トイレというかというと、大きく3点の特徴があるからです。

  • 大災害時、万一水道が使えなくなった場合でも、地下水をくみ上げることができる井戸が完備されている。
  • 下水管が壊れた場合でも、排泄物をため込む汚水槽が整備されており、くみ取りできる設備となっている。
  • 停電時の発電機の常備

以上の点により、大災害時のトイレの問題を最小限におさえることができます。

多くの報道であった通り、避難所や仮設住宅など被災者が集まる場所では、仮設トイレはあっという間に排泄物でいっぱいになり、機能不全になってしまいます。衛生状況の悪化やトイレの機能不全による被災者の「排泄控え」の弊害は、市民の命に直結します。

土地と地下水に恵まれた佐倉市ならば、そのような問題を最小限に抑えられることを、西志津多目的広場の防災トイレは教えてくれています。

その意味で、今後佐倉市では、各地に設定する応急仮設住宅立地予定地には、このような「防災トイレ」の設置は不可欠と考えます。

◆西志津多目的広場の防災トイレ

西志津多目的広場の防災トイレは、蕨元市長時代の平成28年度、電気工事や機械工事を含め、当時約3,300万円で建設されたものです。地下の便槽容量は約32立方メートルであり、これは平成24年に実施した佐倉市防災アセスメント調査における西志津1丁目から8丁目住民の避難所生活者予測人数1千377人が1日に大1回、小を4回すると仮定し、10日間使用することを想定し積算したもの、ということが、一般質問の答弁で明らかになりました。

2024年6月11日 一般質問

このような防災トイレの優れた点は、発災直後から、自宅の水道やトイレが使えなくなった地域住民の重要な生活インフラとして活用可能である、という点です。特に、発災後数日は、行政の機能も止まってしまう可能性もありますから、「行政が備えるべき必須のインフラ」の一つだと考えています。

昨今高騰する物価を考慮して、上記と同スペックの防災トイレの建設に5千万円かかるとした場合でも、5つ造っても2億5千万円です。

佐倉市の厳しい財政事情を考えれば、非常にインパクトのある予算です。しかし、佐倉市には、現在大きな予算をつけて実施している事業の中に、優先順位が必ずしも高くないものも複数あります。例えば、里山自然公園の民有地買収に、今後数億円規模の予算を投入する計画があります。

行政の西志津多目的広場防災トイレ地域住民の憩いの場として利用されている広場のトイレ。普段から、広場利用者は自由に利用できるよう開放されている。行政の役割が市民の命を守ることである以上、里山自然公園の民有地買収を取りやめてでも、各地域の防災拠点に防災トイレの設置をすべきであると考えます。

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