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佐倉市令和4年度決算:髙橋とみおの討論 消防出初式

◆討論原稿の説明
佐倉市消防出初式

消防団の件については、全国的にしっかり取り組まなければならない問題が山積しています。

佐倉市についても同様です。

例を挙げれば

  • 消防団の編成の抜本的改革、あるいは担当地域の再構築について
  • 消防団員の成り手不足の問題
  • 消防団員の処遇改善の問題
  • 機能別消防団の検討
  • 消防団員の訓練の内容と質の問題
  • 消防団に対する寄付金について
  • 消防団関連事業の有効性の検証について

など、多岐に及びます。

日本全体の消防、防災の背骨ともいえる消防団制度は、間違いなく制度疲労をおこしている。しかし、抜本的な改革は先送りされている、というのが、我が国の現状だと考えます。

それらについて、私としては論考にまとめて発表しているのと同時に、佐倉市でははじめてそれら問題に焦点をあてた一般質問を議会で実施しています。ご興味のある方は、ぜひご一読ください。

防災と消防団①:岐路に立つ消防団システム

2021年6月16日一般質問:佐倉市の消防団について

そんな中にあって、とはいえ、現時点でも改善できるところは改善していこう、ということを、討論で述べています。

具体的には、消防出初式の改善です。

佐倉市民の皆さまにはなじみが薄いかもしれません(なじみが薄いという点から問題なのですが)が、佐倉市消防団では毎年1月初旬に出初式を実施しています。

この実施場所が岩名運動公園など屋外なのですが、とにかく強烈に寒い。文字通り体調を壊すレベルの極寒の中、団員の皆さまは直立のまま2時間近い時間を過ごすことになります。この式典を運営する消防団員の皆さまは、早朝から屋外で訓練などを実施するのですが、それにどれだけ意味があるでしょう。

実際、式典中に寒さで倒れたり座り込んだりしてしまう団員が複数人出た年もありました。また、出初式で体調を壊してしまった団員のご家族の方から、悲痛な訴えの連絡をいただいたこともあります。

もしこの式典を、功績を上げた団員の顕彰のために毎年1月にどうしても実施すべきというのであれば、屋内実施をすればよい。実際、コロナ禍の最中にあった出初式は佐倉音楽ホールで実施した実績もある。

私は、本件について現役の消防団員の実に数十人にヒアリングをしましたが、誰一人屋外実施がよい、といった人はいませんでした。

もし市民の皆さまに対するアピールのために必要なのだとしたら、手段自体が大きな間違いです。この式典を見に来ている一般の佐倉市民の方は、見る限り10名にも満たないように感じます。また式典を見に来ている市民の方は、おそらく団員のご家族などに限られているように見受けられます。

もしアピールが必要というのであれば、例えば団員不足を解消するため、教育委員会の協力をえながら市内の小学校や中学校の児童生徒が見ることができる訓練や説明会を実施する、などのほうがよほど効果をあげることができるでしょう。

極寒の中での屋外の出初式の実施が、つまり我が国の消防団の「硬直化した旧態依然の在り様」を体現しているように、私には見えます。

以上を前提に、討論をお読みください。

討論

審議により、次年度も消防出初式は屋外実施を予定していることがわかりました。

出初式に関する決定プロセスについては、確かに消防団にありますが、事業執行予算の可否について全責任を負うのは議会であるため、本件については本決算委員会で慎重に審議してきました。結果、審議の中で団員の意識はすでに屋内実施に傾いていることがわかりました。

本件については、屋外で実施する理由がほぼない中で、一部上層部の意向だけでかたくなに屋外実施を強いている現状はないでしょうか。

報道やネット言論では、出初式や操法大会も無理強いが団員の減少の一因となっているとあります。 危機管理部においては、佐倉市の消防団員から集めた「出初式の開催場所でふさわしいのは、屋内か屋外か?」という趣旨のアンケート内容の公開と、開かれた議論による決定をしてもらいたいと強く願います。

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