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佐倉市役所の人事制度

人は、現状が「当たり前の状態」とつい思ってしまいます。

人事制度もそうで、自分が今いる環境が、いわゆる普通の状態だと思ってしまう。しかし、民間ではすでに「年功序列による給料体系」は「成果主義」や「ジョブ型人事制度」にとってかわられて久しい状態にあります。

例えば、「あの社員は役職にはついていないけれど、長く勤めているから係長よりベース給料が高いそうだよ」という状況は、もはや聞いたことがありません。しかし、公務員は「それが当然」なのです。

そうなると、「長く勤めてさえいれば、そこそこ給料はあがるから役職なんていらないよ」という気持ちになりますよね。

公務員の人事制度も、変わらなければなりません。

以下質問です。


2022年12月8日:髙橋とみお一般質問

公務員の人事制度は、一般的に年功序列による給料制度に関する批判があります。いわく、どんなにがんばって級や役職をあげても、年次の高い職員の給料が高く、責任だけがのしかかってくる、とする制度的課題に関する批判です。

そこで、現在の佐倉市の人事制度を確認していきたいと思います。

佐倉市が現行の人事制度になって以降、降格を選択した職員はどれくらいいるかうかがいます。

また、1級から7級まである一般行政職において、級があがるときの具体的な昇給額をうかがいます。なお、具体的な数字の提示が困難な場合は、それぞれ一般的なモデルケースによる例でも、昇級区分ごとの平均値でも構いません。

さらに、佐倉市の現行の人事制度において、勤続年数が長いために上司より部下の給料のほうが高い、という給料の逆転現象が発生しているケースがどの程度あるかうかがいます。

執行部(市役所)回答

降格希望者の対象を給料表5級以上から4級以上に拡大いたしました令和2年4月以降、本人希望により降格した職員は26人でございます。
 昇格に伴う昇給額でございますが、モデルケースで申し上げますと、実務専任職である3級までが平均1万円、マネジメント職である4級から7級までが平均1万8,000円となっております。
 勤続年数による上司と部下の給料額が逆転するケースでございますが、課長相当職よりも高額な給料である職員は存在しておりません。市職員全体では、下位の級で最も高い給料月額を受けている職員と比較いたしまして、上位の級でそれよりも低い給料月額となっている職員数は、令和4年度で101名でございます。その要因といたしましては、経験年数の長い職員が実務専任職である3級として在籍していることや、社会人経験者採用等における勤務経験に基づく初任給調整によるものなどがございますが、将来的には上位の級の職員の定期昇給や昇格により、解消されてまいります。

ありがとうございました。降格を希望した職員数が26人。
いわゆる逆転現象、これはいろいろな原因があるとのことですが、約1割である101名ということで、かなり逆転現象はあるのだなということを確認いたしました。

箕面市の人事制度

大阪府箕面市では、「頑張った人が報われる給与体系」の実現と「若手でも有用な人材を積極登用できる制度の確立」を目的として、市職員の人事制度改革を実施しました。

大きな改革のひとつが「上位の役職階級との給料の逆転現象を発生させない(責任と処遇が一致する)給料表の導入」です。

具体的には、箕面市の一般職も佐倉市と同じ7等級ある人事制度ですが、

1,2級を一般職
3,4級を監督職
5,6,7級を管理職

として、それぞれの職位カテゴリで給料の逆転現象がない制度としました。

※注:箕面市では、1級が最上位級であるため佐倉市と昇順降順が逆転しているが、ここではわかりやすく佐倉市と順をそろえて説明。

効果としては、昇進のモチベーションがあがったため、昇級を忌避する職員が減少したことは当然ですが、民間からの人材登用にも効果があった旨確認しました。

箕面市ではこのような制度改革以外でも、人事評価を多面的に実施するいわゆる360度人事評価制度の導入など、特徴ある人事制度改革を実施しています。

以上、分野別に5点の提案を、他市事例をもとにしてまいりました。

これまで紹介してきた事例は、どれも他市で導入済みのものですから、よい意味で枯れた行政技術です。よって、先行事例をベースにメリットデメリットを見極め、佐倉市にフィットさせる検討もしやすい状況にあるといえます。他方、導入するにはいずれも大きな制度改革が必要ですから、市長のリーダーシップが問われるものばかりです。

私としては、少なくともしっかり検討する必要があると思われる分野について紹介してきたつもりですので、ぜひご検討ください。

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