NEWS

地域コミュニティの在り方:自治会への貸与掲示板の扱い

はじめに

かつて、佐倉市を含む多くの基礎自治体では、市内の自治会などに対して掲示板の設置をお願いしていました。

行政が自治会に掲示板を設置してもらうことの目的は、大きく二つあります

  • 市の広報を自治会内にお知らせする:市の情報提供
  • 自治会内の行事(お祭りや公園の草刈りなど)をお知らせする:コミュニティ内の情報共有

しかし、昨今ではインターネット環境が整備さはじめたことや、地域コミュニティの衰退などを背景として、かつて機能していた掲示板が使われなくなってきているケースが、全国的に多くなってきています。

ちなみに、佐倉市周辺の市町でも、今後自治会掲示板については予算をつけない、とするところが増えてきています。

そうなると、老朽化した掲示板の扱いをどうするのか?あるいは、本当に掲示板は不要なのか?という課題が発生します。

掲示板は、基礎を含めれば1台あたり数十キログラムある、なかなかに重い機材ですから、大風で倒れた場合大きな事故につながるおそれがあります。

また、そもそも掲示板のように「歩いている人の目に飛び込んでくる情報メディア」はインターネットとは別の情報提供資材であり、本当に役割を終えたのか(工夫によればもっと活用されてしかるべきものではないのか) ? 、という検証も必要です。

質問自体は地味に感じるかもしれませんが、こういう一つ一つの確認が、私は重要だと考えています。

以下、質問です。


質問:自治会への貸与掲示板の扱い

自治会への貸与掲示板の扱いについて質問します。

先般、地元の自治会に設置された掲示板の基礎部分がぐらつく事案が発生しました。

当該掲示板は、傾斜のある盛り土に設置されていたため、基礎の下にあった土が長い期間の風雪で削られ、掲示板そのものがぐらついていました。

なお、自治会の掲示板については、佐倉市が自治会ごとに2つ程度貸与し、設置そのものは自治会が実施するとうかがっています。

そこで質問です。

現在、佐倉市に存在する自治会の数は254団体と承知していますが

  • 自治会に市が貸与している掲示板のおよその数と、掲示板1台あたりの重さを教えてください。
  • また、市が貸与した掲示板の基礎がぐらつく、あるいは支柱が腐敗して危険な状態にある、などの掲示板の再設置に関する補修工事は、市と自治会のどちらが行うのか教えてください。

執行部(市役所)回答

市から自治会に貸与している掲示板につきましては約400基で、1基当たりの重さは約30キログラムでございます。
 また、自治会掲示板につきましては、自治会からの要望に基づき市から貸与しているもので、その管理につきましては、設置や補修に係る工事も含め自治会に行っていただくものでございます。

ありがとうございました。規定上自治会が行う旨確認しました。

基礎がぐらついた掲示板は通学路に立地していました。そこで、例えばその掲示板が倒れ、小学生が下敷きになって怪我、あるいは死亡した場合、法的な責任の所在はどうなるとお考えか教えてください。

執行部(市役所)回答

掲示板に係る事故等につきましては、その責任は原則として市が負うものと考えております。
 また、先ほどご答弁いたしましたとおり、掲示板の管理は自治会が行っているものでございますので、その管理状態によっては、自治会にも責任の一部を負っていただく可能性があるものと考えております。

ありがとうございました。予算等がない自治会が責任を負うというのは、なかなか難しいことではないかなというふうに思いますが、ありがとうございます。

確かに、一義的には市に責任があるかと思います。

一方で、万一の事故は「おきない」ことこそが重要なのであって、責任は市だが、補修は自治会だ、しかし自治会に補修するほどの技術も予算はない、とした場合、壊れかけた掲示板が放置されることはきっとどこかで発生するはずです。そうなれば、どこかの時点で事故の発生は不可避です。

今回は、たまたま区長さんが基礎工事の知識をもっておられ、かつご自身で補修工事をしてくださる親切な方であったためことなきをえましたが、これは極めてレアなケースです。

市として、本件は一刻も早く何等かの方向性を示す必要があると考えます。

それでは、掲示板の建て替え案件に関する相談は年間に何件ありますか?過去3年の実績でお答えください。

また、もし掲示板の交換が必要な場合も勘案し、掲示板の価格と、備え付けにかかるおよその予算について教えてください。

執行部(市役所)回答

掲示板の建て替えに係る相談につきましては、令和2年度、令和3年度は、各5件、令和4年度は6件ございました。
 また、掲示板の価格につきましては、1基約8万円であり、交換に係る工事代金は設置場所や条件によって異なりますが、約15万円と伺っております。

ありがとうございました。それだけの予算なのであれば、例えば私などは市職員向け持ち家手当を廃止してそちらに予算を振り向けるべきだ、などと考えます。いずれにしても、本件は問題が発生する前に市としてしっかり方向性を示すようお願いいたします。

一覧へ戻る

最近の投稿

カテゴリー

アーカイブ

BOOKS

書 名:地方議会議員の選び方 佐倉市の事例を参考に
著 者:髙橋 とみお
カラー:表紙フルカラー 中面モノクロ
版 型:A5版
価 格:500円(税別)
出版元:欅通信舎 ご購入はこちら
書 名:佐倉市域の歴史と伝説 旧石器時代から戦国時代の終焉まで
著 者:けやき家こもん(本名:高橋富人)
カラー:全頁フルカラー
版 型:A5版
価 格:900円(税別)
出版元:欅通信舎 ご購入はこちら