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大規模災害時における佐倉市の応急仮設住宅について

はじめに

国交省がまとめた仮設住宅に関する資料を読んで、改めて思いを深くした点があります。

「自治体機能や職員等も被災を受けるような大規模発災後は、冷静に考える余裕などなく、決められたことを決められた通りにこなしていくことで精一杯です。」

確かに、大震災の際には、市民の命を守るべき行政も被災している。そんな中、「決められていない」臨機応変な対応ができると考える驕りは、捨てなければなりません。

以下は、本質問の折私が執行部に質問したにもかかわらず、答弁になかった被災予想について、佐倉市がまとめた資料です。

東京湾北部地震における佐倉市内の建物被害予測では、全壊棟数588軒、半壊棟数4291棟という壊滅的な被害であることがわかります。

しかし、現在佐倉市で応急仮設住宅建設予定地として指定されているのは、西志津多目的広場のみ。建設可能棟数はたったの207棟です。

以下、質問です。


大規模災害時における応急仮設住宅について

次に、応急仮設住宅について質問いたします。

応急仮設住宅建設予定地とは、大規模災害に被災したことで住居を失った住民に対し、早期に一時的な住居を提供するために、行政が災害前に仮設住宅の建設を予定したまとまった土地を指すと承知しています。

国土交通省が取りまとめた、「応急仮設住宅建設必携中間とりまとめ」にはこのような記述があります。

「自治体機能や職員等も被災を受けるような大規模発災後は、冷静に考える余裕などなく、決められたことを決められた通りにこなしていくことで精一杯です。(中略)

「発災後の混乱時期においては、平常時から準備していたこと以上のことは、対応できない」という前提に立ち、平常時からできることは準備を進めておくということも、今回得られた大きな教訓であります。」

この中間取りまとめには、平常時からの準備として

  • 被害想定に基づく応急仮設住宅の必要戸数の想定
  • 想定必要戸数に応じた建設候補地の確保

などがうたわれています。

現在、佐倉市では唯一西志津多目的広場が、応急仮設住宅建設予定地として指定されている旨、本年2月定例会の玉城清剛議員の質問に対する答弁にございました。

なお、同じ玉城議員の質問の中で、当該広場では、大規模災害時1戸当たり29.7平米の仮設住宅を最大207戸建設する計画となっている旨答弁されました。

そこで質問です。現在でも、佐倉市の応急仮設住宅建設予定地は西志津多目的広場のみという認識でよいでしょうか。また佐倉市において、大規模災害時およそ何棟の仮設住宅の建設が必要となる想定かご教示ください。

また、応急仮設住宅予定地は、どのような公式文書に規定されるものなのか教えてください。

執行部(市役所)回答

応急仮設住宅建設候補地につきましては、佐倉市地域防災計画に、第1の候補地として西志津スポーツ等多目的施設用地、第2に、当面利用目的が決まっていない公共用地、第3に、都市公園、第4に、民間の遊休地の順番で建設予定地を選定することとなっております。
 また、大規模災害時に必要な仮設住宅の戸数につきましては、災害の規模や被害状況によって必要戸数が変化することから、素早い情報収集を行い、公営住宅や民間賃貸住宅の一時借り上げ等の方法も検討しながら、必要戸数の確保に努めてまいります。

ありがとうございました。先ほど紹介した国交省の必携では、被災時には「決められたこと以外のことはできない」とうたっておりますので、やはりしっかりと場所を指定し、そこには何戸建つのかという調査検討をしていただきたいと思います。今の話でいえば、バイネームで決められているところは、少なくとも西志津多目的広場のみということですので、そちらは大変に重要である一方、それだけでは足りないということが、私的には感じました。

それでは次に、コンテナハウスの協定についての確認です。

現在佐倉市では、株式会社デベロップとの災害時応援協定により、移動式宿泊施設等の提供について取り決めがございます。

その協定内容と、仮に大規模災害時にコンテナハウスが設置された場合、それはプレハブ等が建設される前の一時的な仮設住宅という位置づけなのか、コンテナハウスがそのまま応急仮設住宅として使われるものなのか、そのあたりの計画についてご教示ください。

執行部(市役所)回答

市では、災害時における移動式宿泊施設の提供に関する協定を、令和2年10月14日に株式会社デベロップと締結しております。協定の内容といたしましては、災害時における市からの要請に対し、移動式宿泊施設を優先的に提供していただくものでございます。提供を受ける移動式宿泊施設は、避難所生活が長期化した場合の二次的避難場所や、応急仮設住宅が建設されるまでの一時的な避難場所として考えているところでございます。

先の玉城議員の質問に対する答弁で、応急仮設住宅建設予定地の選定について「市街地へのアクセスや二次災害の危険性など地理的条件をはじめ、入居者の生活、住宅建設工事に支障のない道路整備、また電気、上下水道等のライフライン整備などといった様々な物理的条件がございます。」とあります。

応急仮設住宅建設予定地の選定について、定められた要件はありますか?

またいずれかの場所を予定地として選定した場合、災害時以外の当該予定地の管理について規定はありますか?

執行部(市役所)回答

応急仮設住宅建設用地の選定要件といたしましては、議員のご質問にもございましたが、佐倉市地域防災計画に、既成市街地へのアクセスがよく、地震による地盤の液状化や土砂災害など二次災害の危険性がないこと、建設候補地の道路や上下水道、電気、雨水排水などライフラインが整備され、防火対策のための消火水利が確保可能な土地であることなど9項目が明記されております。
 また、応急仮設住宅建設用地における平常時の管理につきましては、所管する施設管理者が維持管理を行います。

これまでのご答弁で、応急仮設住宅の建設予定地は西志津多目的広場だけでは足りないこと、また予定として指定する要件についても確認ができました。

そこで、提案があります。

296号線沿いにある、江原新田旧無線塔跡地を予定地とするのはどうでしょうか?

そこで、ご提案がございます。296号線沿いにある江原新田旧無線塔跡地を予定地とするのはどうでしょうか。
本地は、比高差20メートル程度の丘の上にあり、二次災害の危険はほとんどありません。また、市街地へのアクセスも至便であり、物理距離でいえば、佐倉市のほぼ中央に位置します。また、太陽光発電が行われている立地であることも、防災協定を結べば、災害時には有利に働くはずです。
以上より、ご提案した場所が候補地として規定的に問題ないか、また検討候補地としてあり得るか、ご教示ください。

執行部(市役所)回答

応急仮設住宅建設用地につきましては、基本的には公共用地を優先的に活用する予定でございますが、議員ご提案の旧臼井無線送信所跡地につきましても、広大な平地であることから、所有者に対して災害時における応急仮設住宅建設候補地として協力していただけるよう協議してまいります。

ありがとうございました。 規定的に問題なく、候補地としてありうるのであれば、ぜひ前向きにご検討くださいますようお願いいたします。

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