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長嶋茂雄記念岩名球場について

昨年と本年の予算の中に、「長嶋茂雄記念岩名球場」に関する防球ネットの予算がありましたので、それに関連して質問いたします。

長嶋茂雄記念岩名球場を作るに至った経緯

2013年広報佐倉8月1日号を読むと、読売巨人軍終身名誉監督である長嶋茂雄氏が、生まれ故郷でもある佐倉市にお越しになられた記事を読むことができます。

記事には、長嶋氏が佐倉市民栄誉賞を受賞されたこととあわせ、岩名運動公園野球場が、「長嶋茂雄記念岩名球場」と名称変更され、新球場の除幕式が行われた、と書かれています。

本件について、岩名の野球場が、長嶋茂雄記念岩名球場と名称変更されるにいたった経緯について詳しくうかがいます。

執行部(市役所)回答

広報佐倉と同じ日発行された佐倉市議会だよりにも、本件は記事となっています。

長嶋茂雄記念岩名球場に名称変更される件について、議会では可決、とあります。

また、同じ議会だよりの「会派等の意見」には、当時のさくら会の意見も記載されています。

読み上げます。

「佐倉市で生まれ育った長嶋茂雄氏が国民栄誉賞を受賞され、その長嶋氏のお名前をいただいた球場を持てることは、市民にとってたいへん誇りであるとともに、市の知名度を高めるものと考える。今後、名前にふさわしい球場にしていくことが求められる。」

同感です。

さて、その後、佐倉市は本球場のための予算を策定し、2015年6月議会に上程しました。

そのとき上程した予算額と、その予算にしめる国からの交付金の名称と交付率、交付金の予定総額についてうかがいます。

執行部(市役所)回答

ありがとうございました。

予算約16億7千万円のうち、7億円の国家予算ついたことがわかりました。

国の交付金7億円含め予算が0円となった経緯

本件については、議会で審議されて、結果当時の建設常任委員会では可決しました。その折には、さくら会も賛成しています。

さて、同じ議会の最終日、先に示された約16億7千万円の予算が0円となり、結果国からの交付金も含めて、この球場の建設のために市が執行できる予算がなくなりました。これは、さくら会の櫻井道明議員他一名の議員がいわゆる「0円動議」をあげ、公明党、のぞみや無会派議員の一部がそれに賛同したからですが、彼らがなぜ予算を「0円」にしたと分析しているのか、その理由について執行部の見解をうかがいます。

執行部(市役所)回答

当時の本会議の議事録を読んでも、委員会の本件報告では「これまでの経緯や予算の具体的な使い方、改修後の青写真などの説明が十分になされていない。さらに、国への交付金申請時においても、事業内容の説明が不足」としています。

まったく不思議なことですが、当時の委員会の議事録を読むと、執行部はそのすべてについてしっかり説明している。説明不足なのであれば、議会ならば納得いくまで聞けばよいわけです。当時市民だった私は、議会は何をやっているのだろうと考えました。蛇足ですが、この件が、私が議員を志す端緒になりました。

その後、執行部は「建設予算0円」とした議会の決定をうけ、その翌年の2016年の当初予算で、改めて長嶋茂雄記念岩名球場の予算を計上し、議会に上程されます。この2016年の当初予算は可決され、結果このとき組まれた予算を原資として、現在の長嶋茂雄記念岩名球場は建設されました。

そこで質問です。2016年当初予算に議会上程し可決した予算総額、2016年、2017年の各年度に、国に要求した社会資本整備総合交付金の要求額と、交付額。また、その交付額の中で、各年度に同球場にあてられた金額。本球場建設にかかる決算の総額についてうかがいます。

執行部(市役所)回答

つまり、2015年本来長嶋茂雄氏を顕彰しようという国の意思でつけられた7億円もの国家予算を、佐倉市は蹴ってしまった。そしてその翌年である2016年、その国の交付金額にも満たない約6億6500万円という予算で、日本の宝である長嶋氏の名前を冠した球場を作らざるをえなかったのが、現在の長嶋茂雄記念岩名球場だということがわかりました。

一般的に、国が必死になって予算化した交付金を自治体が国に返還するようなことがあったら、「あの自治体は、要求した交付金を消化できない自治体だ」となります。

7億円もの交付金を佐倉市議会が蹴った翌年、佐倉市の交付金の要求額が約2億円だったにもかかわらず、交付額は約4800万円、つまり1/4です。さらに、そのうち当球場に充てることができた金額はたったの3,000万円にすぎませんでした。これは、国による嫌がらせなのではなく、当然の国の判断と考えるべきでしょう。そのように、国の信用を欠損させるような議決行為を、佐倉市議会は行ったわけです。

これを市民の不利益といわずして、いったいなんというのでしょうか?

防球ネット等の施設について

さて、2016年に完成した長嶋茂雄記念岩名球場の設備について確認します。

この球場の当初計画では、1,3塁側のスタンド座席や室内ブルペンなど、予算相応の立派な球場を見込んでいました。

特にスタンド座席ができていれば、屋外コンサートなどにも利用でき、結果佐倉市の経済にもプラスのインパクトのある球場になるはずでした。

さて、その当初計画では、当球場の防球ネットは球場の外周全体をぐるりと取り囲むものであったと聞いていますが、それは事実ですか?また事実であった場合、防球ネットの高さは何メートルだったのでしょうか?

執行部(市役所)回答

ありがとうございました。

つまり、2015年の計画では、高さ25メートル、ホームランエリアも15メートルの防球ネットが全周をおおっていたことになります。

防球ネットは、硬球がスタンドを超えて場外に飛び出した場合の危険を回避するために作られます。

しかし、結論から言えば、2015年にさくら会らによって球場予算が0円になった後、2016年の予算で完成した約6億6500万の球場には、予算が少なすぎて、なんとその防球ネットすら設置できませんでした。文字通り、「危険な長嶋茂雄記念岩名球場」となってしまったわけです。

よって、これまで防球ネットがない「長嶋茂雄記念岩名球場」で硬球を使った試合を行った際には、安全を確保するため球場の外に係員を配置していたと聞いています。その認識に間違いはありませんか?

執行部(市役所)回答

つまり、もし佐倉市が防球ネットのない球場において、安全管理義務を怠って、場外飛球による事故が発生した場合、その責任は当該球場を管理する佐倉市とされる可能性が高い。よって、このような措置を実施せざるを得なかった。

また、そのような措置にかかった予算も、防球ネットがあれば不要だった、つまり無駄な予算と労力であったわけです。

令和5年度と6年度の防球ネット予算と整備内容について

そんなわけで、防球ネットのない長嶋茂雄記念岩名球場は、なんと2017年から7年間、危険な球場であり続けたわけです。

そこで佐倉市では、昨年と本年の2年間で、同球場の防球ネットの予算を計上しました。

そこで質問です。令和5年度と令和6年度で見込んでいる、同球場の防球ネット予算の総額をうかがいます。また、そのうちの交付金の名称と、交付金でまかなえる金額の総額についてうかがいます。今回作る防球ネットは、どのような仕様で、どのような設計思想で作られるのかうかがいます。

執行部(市役所)回答

まとめます。

さくら会などが0円にした後、2016年の本球場建設予算が約6億6500万円。うち、国の交付金を引いた佐倉市の一般財源は6億3500万円。それに、今回の防球ネットにかかる市の真水の一般財源予算は約2億6千万円。つまり、現在の球場には、9億円かかっている。さらに、この期間防球ネットがない7年間で、ことあるごとにかかった安全対策予算と職員の労力も加算すべきでしょう。

一方、本球場の当初の予算は16億7千万円。うち国の交付金は7億円。よって市の財源は9億7千万円。つまり、市の財源という意味では、同球場は当初計画とほとんど同じ予算をかけていることがわかりました。

一方、当初計画では、1,3塁側のスタンド座席や室内ブルペンの他、球場の各施設も今よりずっと立派なものができあがるはずでした。

それを、ホームランがカバーできない防球ネットをようやくつけた、スタンド座席もない、高校野球の夏の地区大会予選すらできない規模の球場が、現在の長嶋茂雄記念岩名球場の姿です。

本件について、佐倉市議会は、説明不足という意味不明な理由により、市民からいただいた税金と希望、国家の意思、我が国の宝である長嶋茂雄氏の顕彰の全てを踏みにじったことを指摘し、次の質問にうつります。


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