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2.広報佐倉防災号に関する提案:行政の役割を明確に広報すべき

2024年3月6日:髙橋とみお一般質問

東京新聞の本年1月8日の記事では、輪島市の被災1週間後の避難所の状況が書かれています。

特に質問に関係する箇所を読み上げます。

「被災住民が、行政指定の避難所に入らず自主避難所を設置するのは、指定避難所に人が多く集まり、収容しきれなかったことが要因の一つとして挙げられる。輪島市では、開設された避難所160カ所(1月7日午後3時時点)のうち、市の指定避難所は35カ所にとどまり、8割近くが自主避難所や市が臨時開設した避難所などとなっている。市の想定を上回る被害が市内全域で発生したためで、郵便局や農協などのほか、ビニールハウスが避難所となっている例もある」

とのことです。

輪島市の人口は約2万7,700人です。その人口に対して、発災から一週間後に開設されている避難所が160カ所。その160カ所のうち、市の避難所は35とのことでした。

佐倉市の人口は約17万人、輪島市の約6倍です。市が指定している避難所は39です。輪島市と同じレベルの震災があった場合、住民が自力で設定するものも含めて、避難所は輪島市の倍以上になることが容易に想定されます。

追って避難所について質問しますが、自助あるいは共助という観点でみたときに、市民が自力で開設した避難所であればなおのこと、食料や水、光、熱の多くは自分たち、つまり市民の皆さまが独自で確保する必要があるでしょう。実際、この記事の中でも、「市の支給だけなら、全員飢えていたかもしれない」とあります。行政が備えるべき水や食料は当然としても、自助、すなわち「食料や水の確保は自分たちで」という周知徹底は必要です。

また、私の体験として、2019年の大雨の折、避難所生活を経験した高齢の市民から「行政の炊き出しは一回もなかった」とお怒りの言葉をいただいたことがあります。私は、行政は炊き出ししてくれません、と説明しましたが、市民の感覚はまだまだ「災害時には行政がなんとかしてくれる」というものだと実感しました。

そこでうかがいます。

一つ目は提案です。佐倉市では、毎年1度9月に広報さくら防災特集号を作成しています。その内容は網羅性があり大変役立つものですが、一方で「いざ発災!行政も罹災している」を前提に、市民に求められる自助共助特集を別冊で組まれてはいかがでしょうか?

特に、発災から72時間は、行政は「何もできない可能性がある」からはじまって、市民はどのように備え、何をし、また平常時にはどのような訓練や心構えが必要なのかを特集するのです。

さらに、大災害時に行政は「ここまでしかできません」というラインをしっかり伝える。さきのように「行政が炊き出しをしてくれる」という「漠然とした安心感」を払拭する必要があると考えます。 本件について、執行部の考えをうかがいます。

執行部(市役所)回答

地震や風水害などの自然災害は私たち人間の力では食い止めることができませんが、災害による被害は日頃の備えによって減らすことができます。市などによる防災の取組である公助はもちろんのこと、自分のことは自らで守る自助や地域の人たちで助け合う共助こそ災害による被害を少なくするためには不可欠な取組であることから、これまでもホームページや「こうほう佐倉」防災特集号、防災ガイドブック、地域の防災訓練等で周知啓発に努めてまいりました。今後につきましても、地域防災推進のための3原則である自助、共助、公助の連携の重要性についてあらゆる機会を捉えて啓発してまいります。

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