NEWS

2021年12月1日一般質問:市保有の施設の今後について

この質問を実施するにあたって

相模原市では本年1月、歳出超過の解消のため、27施設の廃止などを含む大型の市行財政改革案をまとめました。
さがみはら中央区版

詳細は上記記事に譲りますが、簡単に言えば「我が市の財政はピンチ」という認識にたって、市民向けの施設の統廃合を含む改革に本腰を入れよう、という相模原市の覚悟がわかる内容です。

翻って、佐倉市はどうか?例えば、佐倉市は第五次総合計画策定のために試算した中期収支計算がありまが、そこには2028年に物件費という費目が10億円も激減する、ということになっている。

私の本質問の末尾にもありますが、物件費というのは例えばゴミの回収委託費や、施設の維持・運営にあてる費用等ですから、このまま手をこまねいていると、7年後には市民サービスが「年間10億円分減る」ということになります。

今回の私の質問は、上記のような中期的な展望にたてば「ジャブ」のようなものですが、こういう危機的な状況に対する認識が、佐倉市には不十分だということを伝えるための手段として、今回質問してみました。


1.「佐倉市公共施設等総合管理計画」の進捗について

図書館や公民館などの公共建築物、道路・上下水道などインフラ施設は、老朽化にともなって更新需要が発生します。

「佐倉市公共施設等 総合管理計画」のP18では、公共施設やインフラの維持について、更新費用だけで年間73億円もの予算が必要、と試算されています。

他方、人口減少等による財政状況の悪化や、高齢化による社会保障費の増加などにより、佐倉市では追加的な財源確保がますます困難な状況となっていきます。

そこで行政が果たすべき役割を見据え、佐倉市の保有施設やインフラについて、統廃合も含めた継続的な見直しが必要なことから、2017年に「佐倉市公共施設等総合管理計画」が策定されたと承知しています。

さて、当該計画のP36では、「施設の再配置」を検討するための評価軸として
・老朽度/劣化度
・利活用度
・経済性
・アクセス性
が設定されています。
上記4つの評価軸は必要であると考える一方、これに「平等性」という観点を追加する必要があると考えます。つまり、ある地区に偏在している行政施設はないだろうか、あるいは若い世代のための施設の不在など、税金の用途に関する「世代間の不公平」がないだろうか、という観点から、施設の再配置を検討する必要があると考えますが、執行部の考えをうかがいます。

執行部答弁

ありがとうございました。

2.施設項目ごとの検討状況

当該計画の施設分類や個別施設ごとに、具体的検討状況をうかがいます。

【地域防災集会所】
佐倉市に5施設ある当該施設群は、その役割について佐倉市公式サイトでは「平常時は地域のコミュニティ施設として利用されるほか、災害時には、施設内に整備してある防災用資機材を活用するなどして、地域での防災活動に役立てていただきます」とあります。
本施設について、佐倉市の防災計画上どのような位置づけとなっておりますでしょうか?また、行政として、これらの施設を今後どのようにしていくか方針をうかがいます。

執行部答弁

【老人憩の家】
現在、市内に3施設あります「老人憩の家」については、地域の高齢者を中心に利用されておりますが、地域の偏在性、世代間平等の検討を踏まえ、本施設に関する執行部の方針をうかがいます。

執行部答弁

ありがとうございました。この施設については、西側に偏在しているという点もふまえ、公平性の観点からもしっかりご検討くださいますようお願いいたします。

【その他集会施設】
「その他集会施設」という施設群は、佐倉市に28ヶ所あります。その名称をみると、集会所、自治会館、会館などまちまちです。
一見すると、これら施設群は自治会館と同様の役割であるように思いますが、通常佐倉市の自治会館は市保有施設ではありません。
以上を踏まえ

  • この「その他集会施設」の行政上の位置づけ
  • 仮に「その他集会施設」と自治会館と同義であった場合、更新の際の補助金や設備等に関して、自治会館との平等性の担保がとれているかどうか
  • 同一地域内に自治会館と「その他集会施設」が存在している地域の有無と、仮に併存している場合、公平性の観点から統廃合を検討するかどうか

の3点についてうかがいます。

執行部答弁

次に個別施設について質問いたします。
【西志津多目的広場】
過去の一般質問で、執行部の答弁として「広場」と「施設用地」で揺れていますが、昨今の答弁では「多目的施設用地」で統一されております。
呼称を統一された意図など、ございましたらご教示ください。

執行部答弁

ありがとうございました。
当該広場は、以前の玉城議員の質問にもあったとおり、毎朝の地元住民のラジオ体操や各種イベント会場としての用途の他、防災トイレを完備し、救急用ドクターヘリ発着所も擁している「なくてはならない広場」です。
今後ともぜひ、地域住民の皆さまの協力のもと、しっかり整備し、末永く管理してくださいますようお願いいたします。

【市民体育館】
市民体育館について、岩名に移転・統合などの話がありましたが、現在本件についてはどのように検討されているかうかがいます。

執行部答弁

【市庁舎】
市庁舎の建て替えについて、現在佐倉市では基金として約53億円積まれていることと思いますが、現状の検討の進捗と今後の方針についてうかがいます。

執行部答弁

本質問を実施するにいたったきっかけと、私の課題意識について述べます。

市の中期的な収支を確認したところ、第5次総合計画策定のため、財政部が財政収支を、2031年まで決算ベースで試算した資料がありました。

この資料を見ると、27年まで毎年10億円以上ある繰入額が、29年にその1/100である1000万円にまで目減りします。また、物件費も27年に約70億あったものが、28年に10億円以上激減する試算となっています。

物件費が10億減る、というのは、例えばゴミの回収委託費や、施設の維持・運営にあてる費用等が10億減る、ということであり、このままいけば7年後には住民サービスに支障をきたすおそれもある、ということになります。

執行部としては、このような財政状況を見据え、しっかり市保有施設のご検討を進めていただきますようお願いいたします。

一覧へ戻る

最近の投稿

カテゴリー

アーカイブ

BOOKS

書 名:地方議会議員の選び方 佐倉市の事例を参考に
著 者:髙橋 とみお
カラー:表紙フルカラー 中面モノクロ
版 型:A5版
価 格:500円(税別)
出版元:欅通信舎 ご購入はこちら
書 名:佐倉市域の歴史と伝説 旧石器時代から戦国時代の終焉まで
著 者:けやき家こもん(本名:高橋富人)
カラー:全頁フルカラー
版 型:A5版
価 格:900円(税別)
出版元:欅通信舎 ご購入はこちら