2021年12月1日一般質問:災害弱者の個別計画について
この質問を実施するにあたって
これは、間違いなく全国的な大問題です。
ご案内のとおり、日本は「災害列島」です。また、高齢化の波は待ったなしで日本を飲み込もうとしている。
そんな中、大災害に襲われたどうなるか。実は、毎年進度5以上の地震は日本各地で発生しているのですが、まさに「どんぴしゃ」で自分の済む地域で発災しない限り、人間は自分事として考えられません。
さて、そのような状況を踏まえ、国は市町村に対して、災害時逃げ遅れる可能性高い「要支援者」の名簿を作りなさい、また、その名簿に記載された人たちの避難計画を作りなさい、という法律を作りました。
確かにその通り。要支援者は、災害時支援が必要なのだから、誰かが寄り添う必要があるのですが、災害というのはだいたいにおいて、周辺住民や行政もすべからく「被災」している場合が多いわけです。そのような状況において、「要支援者」をどう支援したらいいでしょうか?人手は?避難場所は?食料は?そのための予算は?
今回の法律は、ざっくり言えば「地方自治体で考えてね」という建付けになっています。
国が言っていることは、筋としては正しい。しかし、それでなくても財政状況がひっ迫しているほとんどの地方自治体において、どこまで、何ができるのか?
今回の一般質問は、「佐倉市では、現時点で法律に対してどこまでできるのか?」を確認するために実施したものです。
これは、今後確実に尾を引く話です。以下、質問原稿です。
1.個別計画の策定と自治会等との協力体制について
本年5月20日、「災害対策基本法等の一部を改正する法律」が施行されました。同法では、個別避難計画の作成を、市町村の努力義務と定めました。
佐倉市でも、大地震や台風・大雨による風水害等に備えて、災害時に自力で避難することが難しい高齢者や障害者等を登録した「佐倉市避難行動 要支援者名簿」と、当該支援者名簿をベースとした計画の策定を開始したところかと存じます。
さて、この法施行に先立つ平成30年の佐倉市議会 市民意見交換会では、社協、民生委員、をはじめとする福祉関連組織の各代表者にお集まりいただき、様々なご意見をいただきました。
そこで語られた内容を読むと、各組織が「いざ発災」となったとき、どのような役割を果たすべきか、平成30年の段階では一様に不安に思われていることがみてとれます。
以上を踏まえ、当該支援者名簿は、現在どのような基準で作成され、およそどの程度の人数が見込まれ、またどのように更新され、誰とどのように共有しているのかをご教示ください。
執行部答弁
ありがとうございました。
次に、避難行動要支援者ごとに策定される個別計画は、現在どのように検討がすすめられているかをご教示ください。
執行部答弁
ありがとうございました。
本件について、国は予算の前提なく、市町村の努力義務として法制化しました。
ご答弁により、災害時要支援者として予定されている人数、当該人数を収用する施設の物理的・人的・予算的キャパシティ、計画実行を担保するための協力機関の問題など、理想と現実との間にうめがたい課題が多々存在していることが明らかになりました。議員として「やってください」とお願いすることはたやすいですが、代替予算等の提案もなくお願いするのは、誠実な姿勢ではありません。
市としては、一つには国に対して「現実と理想の乖離」を訴え、地道に予算要求をしていただきたいと思います。もちろん、私たち政治家もできる限りそのように訴えていきたいと考えます。
他方、私が感じるのは、本計画を実行性のあるものにするための、福祉政策にかかわる人員、激甚化していく一方の災害に備えるべき危機管理部の人員が足りていないという点です。人命は最優先事項なので、ぜひ工夫をお願いしたいと思います。
危機管理部は本件以外にも、自治会や自主防災組織との連携、避難所運営員会の立ち上げとその普及、実効性ある訓練の運用、協定団体との日ごろからの連携も使命です。このような事業は、いわゆるICTによる業務効率化がほぼできないマンパワーが必要なものばかりです。以前、一般質問で危機管理部の人員を増やすようお願いした際、執行部答弁で、災害発生時の職員配置を増強する趣旨のご答弁をいただきました。
災害発生時に人員が必要なのはもちろんですが、ぜひ平常時の危機管理部の人員の増強もお願いしたいところです。
その意味で、人員配置の優先順位としても、草ぶえの丘等の施設は指定管理に任せることができればよりよい人員配置ができたものと考えますが、そこは議会で否決されてしまったことですので仕方ないとしても、今後本件についてはぜひそのような施策とあわせご検討ください。
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