2021年12月13日討論:ジェンダー平等の視点から必要な法整備を求める意見書に反対
日本共産党が提出した本意見書については、意見書の結論部分については、私としては概ね賛同できるものでした。
発議案第4号 ジェンダー平等の視点から必要な法整備を求める意見書
については、上記タイトルをクリックしてください。
では、なぜ本意見書に反対したかといえば、その結論を導く理論に強い違和感を覚えたからです。
議員の中には、「全体的に概ね賛同できるなら、賛成でよいのだ」とする意見の方もおられます。
私は、佐倉市議会から国などの関連部署や総理大臣に対して発出する文書ですから、内容については全編において「腹に落ちる内容」でなければ賛成しません。
以下、反対討論です。
本意見書は、冒頭6行と、後段9行(髙橋注:議場で配布されている資料を前提とした行数表現です)のうち「女性が安心して」からはじまるまとめの部分については概ね賛同できるものの、「ジェンダー平等の視点から必要な法整備」を求める前提や論理展開について、疑義を抱かざるを得ない個所があるため反対いたします。
本意見書には、男女平等が実現しない原因を、「男尊女卑や個人の尊厳の否定を当然視する思想が、政権を担う人々に残っていること」としています。
確かに、過去の発言や振る舞いを振り返るとき、政権与党の議員の中には、上記の思想背景を疑わざるを得ない人物もいると考えますが、そのような人物は野党側にも多くいます。
また、男女平等と一口に言っても、国民一人一人が思い描く理想像には違いがあるはずですし、日本という総体が持つ意識でみても、欧米各国のそれとは違いがあるはずです。その差異は、「政権を担う人々」がそのように国民を誘導しているからではなくて、これまで日本が積み上げてきた歴史や営みが背景となっている、という認識がまず必要だと考えます。
その日本特有の考え方のうち、国民の大多数が課題として共感できる点を丁寧に抽出し、是正していくことが、私としては正しい道筋であると考えますが、本意見書はそこを「政権を担う人々の問題」として矮小化してしまっているように読めます。
さらに、男女の「非正規を含む平均給与」を前提に、その給与で40年勤務した場合の差額を男女の賃金格差とする理論構成も立論としてはあまりに粗いものに感じられました。
このような分析では、男女平等について冷静な議論はできないものと考え、本意見書に反対いたします。
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