2021年12月13日討論:明神橋災害復旧工事における市長専決を認める議案に賛成
討論原稿を公開するにあたり
この議案は、実にややこしいものです。
本件については、状況をご確認いただくため背景を簡単にまとめました。とはいえ、その説明も長い文章になってしまったため、もし私の討論だけを読みたい、という方は以下の文章は下段の罫線まで飛ばして、罫線以降をお読みください。
なお、本議案の内容をご覧になりたい場合は、以下のタイトルをクリックしてください。
発議案第9号 明神橋(6-108号線)災害復旧工事に係る専決処分事項の指定について
◆本議案の背景
明神橋という橋は、「千葉リサーチパーク」という、佐倉市と千葉市にまたがるいわゆる企業誘致のための開発エリア内にあります。
この橋のたもとの崖地が、2019年の台風や大雨により、おおきくえぐれてしまったことから、本件はスタートします。
上記被災の橋の復旧工事のため、約2億4千5百万円という予算をいったん可決したのですが、その後現場の状況が当初見込みよりさらに難しい状態になっていることがわかり、いったん本年の2月に工事をストップさせました。
それ以降、現場をつぶさに精査し、工事計画をたて、国の補助金確保のために調整をし、同時並行で工事予算の積算と調整などを実施し、その結果復旧工事に約2億5千8百万円かかることがわかりました。つまり、当初の予算よりは約1300万円ほど余計にかかる、ということになります。
今回の議会では、まずこの「約1300万円余計にかかる補正予算の是非」を確定させる議案審議がありました。
またさらに、現場が相当に複雑で繊細な状態にあるため、当該工事を進めたとき、追加工事が必要になる場合がある。その追加工事について、振れ幅4500万円までの金額を、市長専決で実施してよい、とするかどうかを検討したのが、この議案の要旨です。
これを認めた場合、市長専決により実施された振れ幅4500万円までの工事については、議会の承認を得ずに実施が可能、ということになります。
この一連の議案でいえることは、「被災しなければかからなかった予算」である、という点です。災害の復旧工事というのは、ある意味では仕方がないことである一方、その原因となっている災害の程度との兼ね合いで「そもそも、その被災は避けられなかったのか」という検証が必要だと考えます。
またさらに、「次に同じ程度の災害に襲われたとき、繰り返し被災するおそれはないのか」や、「同じような問題が、他の類似現場で発生するおそれはないのか」という検証が必要です。
そういった点を、議会は市民の代表として確認して、必要に応じて執行部に対応や対策を要望をする。
加えて、「そもそもその橋は本当に必要なのか?」という点も検討の余地があります。もし不要ならば、当然復旧作業は必要ない、ということになりますから、取り壊す費用を捻出すれば足りるわけです。
その点については、リサーチパーク内の事業者の物流を中心に、しっかりと聞き取りをし、私としては「橋は必要」と考えるにいたりました。
以上を背景として、先のとおり「4500万円の市長専決」に賛成した私の討論原稿をお読みください。
なお、本件は可決されたのですが、賛成討論を実施したのは無会派の私一名でした。
本議案は、現在作業を中止している明神橋の災害復旧工事について、先ほど議決された約2億5千8百万円の工事請負変更契約を前提として、それ以降の工事について、現場の状況をとらえた柔軟な工事内容の変更を可能とすべく、4500万円の変更を市長専決で実施できるよう、佐倉市議会から提案するものです。
確かに4500万円という大きな契約金額の変更を、議会の審議なく専決できるとする決定は重く、慎重にすべきものであると考えます。
他方、当該工事は長引けば確実に周辺事業者や住民の皆さまの不利益となる他、工事の遅れがさらなるのり面崩落などの原因にもなりかねず、一刻も早い工事再開と復旧が必須です。
例えば、明神橋を日ごろの業務で利用しているリサーパーク周辺の事業者の中には、橋が使えなくなったことで、運送や倉庫業務等に深刻な影響が発生し、コスト的にも多大な負担になっているとうかがいました。
現場は会派に属さない議員で視察しましたが、工事の進捗にあわせて柔軟な工法をとらざるをえない難工事であることは、市職員の説明により十分理解できるものでした。
仮に設計変更都度、臨時会を招集し議決をしようとした場合、参加議員の日程調整等事務手続きに2週間程度かかる可能性もあります。その期間に大雨が降るなどして、現場にさらなる崩落が起きてしまうリスクは、昨今の時期を選ばない豪雨の頻度を考えたとき、大きくあるものと考えます。
そこで、市長専決により契約変更が発生した場合には、都度丁寧な説明を議会にしていただくことを要望して、本議案には賛成いたします。
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