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2021年6月28日:佐倉市議会最終日「議員発議」に関する私見

今回の議会は、議案数が少なかったこともあり、議員発議の意見書に対してある程度網羅的に討論(賛否の理由に関する議会での演説。佐倉市議会の場合、自分が所属する委員会と議会最終日に行われる)をすることができました。

なお、以前の記事にも書きましたが、私の場合基本的に意見書に対する姿勢は慎重です。

意見書というのは、地方議員が政府機関などの行政に意見を提出する一つのルートなのですが、私が「意見書に対して賛同に慎重な理由」は以下のとおりです。

◆役割的観点
意見書は、政府機関に対して意見を表明する場合が多いため、国政の専門家ではない市議会議員は判断できる材料や情報入手するための方策が圧倒的に少ない。他方、現状の国等の政策は当該政策の専門省庁が政策立案し、国民の付託を受けた国会議員が決定したものであるため、意見書の内容に確信的な同意がない限り賛成には慎重。

◆効果的観点
市議会から国等の行政に意見書を提出する権利はあるが、影響力がほとんどない場合が多いため、世論を動かしたいならば、言論媒体等によるほうがよいと考えること(佐倉市議会から千葉県への意見書など、比較的「近い行政」にモノを言う場合はその限りではない場合もある)。

◆優先順位
市議会議員であるため、市長提出議案や佐倉市に対する請願、陳情などの検討事項が多い場合は、市の検討事項を優先する。

さて、今回の6月議会の議員発議の意見書は1号から9号までありました。

令和3年6月定例会議員提出議案

その中で、賛否が分かれそうな議案を選んで討論しました。
なお、今回も「さくら会、公明党、自由民主さくら」の17名の議員の皆さまは、「それ以外」の議員からあがってきた意見書には、一切討論なしで「反対」をしました。

何度もお伝えしたとおり、私が議員になってからこれまで、「さくら会、公明党、自由民主さくら」の17名の議員の皆さまは、議案のすべてにまったく同じ賛否行動を取り続けています。

今回の意見書でいえば、例えば
発議案第6号 千葉県立高等学校の校則を生徒の理解が得られる内容に改善するよう求める意見書

  • 全国の高等学校において、下着の色の指定など生徒から見て理不尽といえる校則が問題になっており
  • 千葉県内においては昨年、県立高校にて校則を理由に教員が女子生徒の髪に、本人の同意なく黒染め用のスプレーをかけた事例をもとに
  • 高校の校則は、生徒の意見をよく聞き、生徒と先生が十分に話し合い、生徒自身が理解し納得できるものにすることが必要

とする内容でしたが、これにも討論なく反対しました。つまり、「さくら会、公明党、自由民主さくら」の17名の議員の皆さまは、討論なしの反対ですから、議論の余地もなく「千葉県の高校の校則は現状でよい」と考えているということなのでしょう。

高校生といえば、3年になれば選挙権をもつ立場ですから、せめて千葉県の高校の校則は自主性を重んじるものにしていただきたいと思いました。その意味で、私は本意見書に賛成しましたが、いつものことではありますが、 17名の議員の皆さまの「討論なしの反対」は非常に残念でした。


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