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2023年2月定例会市長提出議案討論『さくら会「0円動議」により国費7億円が消えた長嶋茂雄記念岩名球場の後始末』

長嶋茂雄記念岩名球場の防球ネット

本件は、もはやおなじみの内容かもしれません。

この討論は、佐倉市の令和5年度予算に、長嶋茂雄記念岩名球場に防球ネット(総額約2億7800万円)を作るための予算が含まれていたことによります。

この防球ネットは、私の過去の原稿を読んでくださっている方にはおわかりのとおり、2015年にすでに佐倉市では計画していた設備でした。

しかし、さくら会の櫻井道明議員(現さくら会幹事長)、中村孝治議員(現さくら会会長)等3名の議員があげた「0円動議」により、佐倉市が上程した予算を「0円」にしてしまったために、作ることができなくなったものです。

2015年、もし佐倉市の予算を議会がそのまま通していれば、今回の防球ネット予算と同じ規模の予算で、1,3塁側のスタンド座席をはじめとする充実した設備が作られるはずでした。その理由は、市の財源以外にも国の交付金7億円があったからです。しかし、さくら会の0円動議により、長嶋氏を顕彰しようと国がつけた予算もろとも「0円」になってしまったわけです。

本討論の主旨は、さくら会をはじめとする「0円動議」に賛成した議員たちが、令和5年度の防球ネットを含む当初予算に賛成するのであれば、自分たちが2015年になした「0円動議賛成」議決の総括をせよ、と迫るものです。

しかし、さくら会はじめ当時「0円動議」に賛成した12名の議員は、誰一人本件について総括する議員はいませんでした。これは、重要な佐倉市議会の「悪しき歴史」の一コマだと思います。

以下、2023年3月13日の定例会最終日になした私の討論原稿です。

【2023年4月10日追記】私の討論動画をご覧になりたい方は、以下よりご確認ください。46分18秒経過あたりから、私の討論をご覧いただくことができます。
佐倉市議会会議放映 令和5年3月13日


長嶋茂雄記念岩名球場の防球ネットにかかる総額約2億7800万円のうちの、令和5年度分約1億5700万円について申し述べます。

本件は、2015年、執行部が約16億6800万円で建設しようと議会に上程した同球場予算を、さくら会があげた本球場予算に対する「0円動議」により、建設費が0円になってしまった結果、翌年10億円以上減らした予算で建設せざるをえなくなった同球場に、改めて防球ネットを設置しようとするものです。なお、2015年の動議の発議者は、当時の川名部実議員の他、現職の櫻井道明議員、中村孝治議員の3名です。

2015年16億6800万円で建設予定だった設備には、防球ネットはもちろん、1,3塁側のスタンド座席など、長嶋茂雄氏の名にふさわしい施設とするための項目がしっかり計画されていました。この設備ができていれば、夏の高校野球の地区大会予選や、屋外コンサート会場としての用途など、幅広い活用ができる施設となるはずでした。

また、2015年の予算には、長嶋茂雄氏の功績を顕彰するために、国の7億円もの交付金が組み込まれていました。しかし、さくら会による0円動議とその可決の結果、当該交付金は消えてなくなり、現在の「防球ネットも、1,3塁側のスタンド座席もない」不十分な設備になったわけです。

ちなみに、現在の球場は設計費、工事費、監理費あわせ約6億7000万円で建設されました。それに、この予算についた交付金(約6500万円)を差し引くと、6億500万円になります。さらにこの金額に今回の防球ネットの総予算約2億7800万円をあわせると、8億8300万円の一般財源ということになります。

2015年執行部があげた16億6800万円から、国の交付金7億円を差し引いた金額は9億6800万円です。

つまり、一般財源ベースでいえば、2015年予算と、今回上程された防球ネットを含む当球場建設予算はほぼ同規模の予算といえます。

先ほど申し上げたとおり、2015年の計画では、防球ネット以外にも、例えば現在芝生である1,3塁側に、当時でも5億円程度かかるとされていたスタンド座席ができた他、室内ブルペンなど、夏の高校野球の地区大会予選も実施可能な、あるいは佐倉市ゆかりのバンドなどによる屋外コンサートが実施可能な、充実した設備の球場が建設されるはずでした。

さらに言えば、2015年計画では、防球ネットは球場の外周を高さ20メートルすべて覆うものでしたが、今回上程された予算は場外ホームランを受けるためのホームランサイドのネットはほとんどない、つまり2015年のそれと比べると場外ホームランには脆弱な防球ネットとなっています。

つまり長嶋茂雄記念岩名球場は、2015年のさくら会による0円動議とその可決により、2015年計画と規模としては近似した一般財源を払いながら、スタンド座席等の充実した設備は作れず、2015年計画より安全性に劣る防球ネットだけ作るという結果になってしまったのです。

長嶋氏を顕彰する目的で国が決定した7億円もの予算を突き返した結果、防球ネットもスタンド座席もない球場としたさくら会他「0円動議」に賛成した皆さまは、もし本議案に賛成するのであれば、2015年当時なぜ「0円」がふさわしいとしたか、また翌年10億減らして防球ネットもスタンド座席も作ることができない球場予算に、なぜ付帯意見もなく賛成したのか、改めて明確にお示しいただきたい。

さくら会の櫻井道明議員がなした「0円動議」に対する当時の賛成討論を読むと、「執行部の説明不足」をその理由にあげています。

議員の仕事は、議案に対する疑義を執行部に問い、理解できるまで議論し、市民の代表としてその結果を市民の皆さまに報告することです。その意味で、執行部が説明不足であると言い切るのであれば、自分が執行部になした具体的な質問に対して、回答がどのように不十分であるのかを明確に述べなければなりません。

漠然と「説明不足」というのであれば、それは議員が「質問し、確認する」という仕事を放棄したことに外ならず、自分に対して唾を吐いているに等しい振る舞いであるからです。

2015年当時の議事録を読むと、さくら会では当時建設常任委員であった山口議員が主に

  • 球場建設予算の合計と内訳
  • 駐車場について
  • 当初計画である8億円と、16億6800万円との差分に関する疑義

という3点について質疑しており、それぞれの質問に対して執行部は明確に回答し、結果委員会ではさくら会をはじめとする主要会派はすべて本予算に賛成しています。

賛成する、ということは少なくとも執行部の説明を聞き入れている姿勢です。もし説明不足と思うのであれば、議員ならば納得いくまで徹底的に質問すべきでしょう。

さて皆さん、この討論の後、さくら会より令和5年度の予算について討論があるはずです。

当球場の防球ネット予算を含む本案について、さくら会はどのような総括をするのか、ぜひ刮目して確認したいと考えます。

特に櫻井道明議員は2015年、動議の提案者であるにもかかわらず討論をするという、佐倉市議会では慣例上認められていない振る舞いをしていますので、本件については大変強い思い入れがあるものと考えます。ぜひご自身の口で、しっかりご説明していただきたいと考え、私の討論を終えます。

※高橋注:先述のとおり、当時「0円動議」に賛成した12名の議員は全員、防球ネット予算を含む令和5年度の当初予算に賛成したにもかかわらず、誰一人本件について発言する議員はいませんでした。

以下、2015年の「0円動議」に賛成した議員一覧です。

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