- 2023.03.15
2023年2月定例会:議員提出議案に対する討論
認知症の人も家族も安心な社会の構築を求める意見書:反対
この意見書の主旨には賛同します。
しかし、意見書に対する質疑の折、同意見書に書かれていた以下の文言について、意見書提出議員に説明を求めましたが、明確な説明が得られなかったために、本意見書には反対いたしました。
『(意見書抜粋)認知症に対する施策を、国と地域が一体となって、総合的かつ相対的に推進するための、「(仮称)認知症基本法」を整備すること』
私の質問は、上記中の「(仮称)認知症基本法」について、「この法律が制定された場合、具体的にどのように状況が改善されるのか教えてください。」というものでしたが、この意見書に書いてあるとおりである旨回答があったのみで、立法効果について回答はありませんでした。
私は、意見書には「趣旨がおおよそ賛同できるから賛成」とはしない議員です。
国に立法を求める以上、その効果を理解する必要があると考え、本意見書には反対しました。
※討論では、上記趣旨の内容を要約して反対しました。
防衛力増強より平和外交に力を尽くすよう求める意見書、及び2023年度防衛予算の抜本的見直しを求める意見書:反対
国が戦争のない、平和な状態を続けられているのは、各国が取り組んでいる外交努力、経済や文化協力の促進とあわせ、その国にふさわしい防衛力を保持しているからに他なりません。
ウクライナは、NATOに加盟しておらず、またロシアからみて戦力的に「弱い」と分析されたことから、ロシアに侵略されました。
本討論の対象である両議案で批判している反撃能力にしても、例えば日本が他国からミサイルを撃ち込まれた際、2発目、3発目の着弾を阻止するためには必要な能力です。このような防衛力や安全保障の枠組みが「あること」により、平和な状態が保たれているという現実を、私たちは直視する必要があると考えます。以上のとおり、覇権国家に対しては攻撃を躊躇させる総合的な防衛力、及び安全保障の枠組みの前提があってはじめて外交の効果が出現されると考え、本案に反対いたします。
物価高騰から市民の暮らしと営業を守るための抜本的な対策を早急に講じるよう求める意見書:反対
本意見書がいうインボイス制度は、確かに一部課題があると感じます。他方、本意見書は消費税を直ちに5%に引き下げることや、後期高齢者の医療費窓口負担の引き下げを求める等、当該政策を実施するに際しての財源の裏付けのない政策提言をしていることから、反対いたします。
日本学術会議の独自性を奪う政府方針の撤回を求める意見書:反対
本案がいう、学術会議が政府の政策推進のための機関と変容することの懸念は理解できる一方、学術会議側に何らの瑕疵もないとする立場には疑問があります。NHKによれば、学術会議の立場として「優れた業績などを持つ学者を新会員に選ぶためには、現会員が主体となって選考を行う現在の方式が世界のアカデミーに共通するものだと、維持を訴えている」とありますが、その結果、委員選考の際には思想的背景を世襲するような弊害も生まれてしまっていると考えます。学術会議が国の機関である以上、私は現在の第三者機関を設置するとする政府提案にも一定の理があると考えます。
結論としては、欧米のように学術会議を国の機関ではない法人組織にしたうえで、一定程度の予算を国が拠出する形がもっともすっきりするのではないか、と考えていることから、本意見書には反対いたします。
原発運転60年超を認める規制制度改悪の撤回を求める意見書:反対
本意見書がいう制度見直しは、確かに原発行政の転換点のひとつであり、議論を多く含む問題です。他方、本意見書では「中性子照射にともない必然的に生じる原子炉圧力容器の脆化について科学的知見に対する配慮が皆無」や、「閣議の構成者に専門的知見を有する者が皆無」、「福島第一原発の大事故の教訓を完全に無視した今回の規制制度の改悪を断じて認めることはできない」など、事実の裏付けがとれない強い表現が散見されます。
例えば福島の事故については、原発施設の老朽化が原因ではなく、巨大な津波による冷却設備の破壊がその原因であったわけで、その意味で「福島第一原発の大事故の教訓を完全に無視した」という表現はあたらないと考えます。
以上により、本意見書に反対いたします。
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