- 2024.11.29
2024年予算審査特別委員会:髙橋富人討論
本年3月に行われた、予算審査の討論原稿を公開します。
すっかり公開したつもりになっておりましたが、検索をかけてもあがってこず、アップし忘れていることに気づきました。
この当初予算については、私の5年間の議員生活においてはじめて「反対」の立場をとりました。
もちろん、ただ反対したわけではなく、私が問題に思っている里山自然公園関連予算、草ぶえの丘の指定管理に関する債務負担行為などを白紙にする対案を出しました。結果的に、私を含む複数議員から出された対案の予算が否決されたために、執行部が提出した当初予算には反対した、という経緯です。
執行部が出した予算の問題点の指摘は、以下の討論含め私の他の記事に譲りますが、簡単に言えば、それらの事業予算を認めてしまうと、佐倉市にとって損失となるためです。
以下、討論原稿です。
令和6年2月定例会予算審査特別委員会 3月22日 髙橋とみお討論
公開と改革の髙橋であります。議案第1号、令和6年度予算に反対の立場で討論をさせていただきます。
令和6年度予算全体について
まず、予算委員会の審議の結果、全体的にバランスを欠いた予算だと認識をいたしました。特徴的なところで言うと、土木費が大きく上がっております。具体的には、昨年対比で約4億円のアップ、率にして実に19.2%に及ぶ上げ率であります。その内訳を見ると、街路樹、カーブミラー、ガードレール設置などの、いわゆる生活道路の安全を確保する事業である土木管理費の予算が削られている一方で、道路橋梁費で2億円のアップ、都市計画費に至っては実に2億2,100万円、率にして47.9%アップしています。それ自体に問題があるわけではありませんが、さらに具体的な数値を追ってみると、里山自然公園の整備事業に約1億円、飯野Ⅱ―31号線の大規模道路事業に1億2,000万円(本事業は総額で10億円にもなるとのことでした)、などの大型の開発事業が並んでいます。
里山自然公園について
特に里山自然公園の民有地買取りに関わる6,695万円については、当該公園で買取りを進めていこうとする重点地区の民有地が何平米あり、それ以外の民有地が何平米あり、全体として幾ら程度の民有地を将来的に買い取ろうとしているのかの試算もなく、また、今回買い取ろうとしている民有地がどこであるのかという図面も一切出すことなく、加えて重点整備地区をどうしたいのかというビジョンも示すことなく、ただ予算を審議してほしいと言われても、審議する材料がありません。
重点的に取り組むべき災害対策の予算は横ばい
このような全く必要性の薄い事業予算が提案されている一方で、昨今、千葉県一体で群発地震が続いている状況でありながら、防災機能をつかさどる危機管理部の予算はほぼ横ばいです。事業内訳を見ても、避難所運営委員会の開設を加速したり、災害時協力井戸の締結に注力したり、大災害時の応急仮設住宅建設予定地の確保を急ぐなどについて具体的な計画もないまま、例年どおりの仕事をしようとしています。この姿勢を見る限り、能登半島地震の教訓は得られていないというそしりは免れないだろうと考えます。
一方で、消防団出初式について、これまで我が会派が折に触れ要望してきた式典の室内開催を決断したことについては、評価したいと思います。
子育て支援の予算は減額
子育て支援については、子供の居場所づくりの推進や高校生等医療費助成事業など、こども支援部関連で評価できる新たな取組もありました。しかし、世代間の税の分配について、どうしても不利にならざるを得ない子供世代、子育て世代に対する予算割当ては、例えばこども支援部全体の予算が4.5%の減額となるなど、全体的に見れば横ばい、あるいは減少傾向にあり、現執行部の考えは子育てに重点を置いているとは思えない予算編成であります。分かりやすい例を挙げれば、インフルエンザ予防接種は、ご高齢者には補助があり、1回当たり1,500円で接種できますが、同じく所得を生み出すことができない子供には補助がない。そのため1人当たりおよそ3,500円の負担がかかります。可処分所得が少ない子育て世代で、家族全員で毎年2万円もの費用をインフルエンザ予防接種にかけているというケースも多く見られます。また、日帰りのバス旅行について、ご高齢者のそれはバスの料金を佐倉市が全額補助しておりますが、子ども会等の子供たちには1円の補助もつきません。このように、子ども会に加入するメリットを見いだせない状況から、子ども会は佐倉市各所で存続の危機にさらされています。税の分配の世代間の公平性を考えるとき、本予算は再考すべきものと考えます。
草ぶえの丘指定管理の10年、9億円超に関する疑義
また、さらに過去2回にわたり、議会主流派が極めて不可解な否決権を発動した草ぶえの丘の指定管理者について、10年で9億円以上の予算をつけようとしています。佐倉市では前例のない10年という長きにわたり、競争原理が働かない状態に置くことが市民のためになるとは思えません。まして、前回否決された指定管理の年間予算が6,800万円であった一方、今回の予算は1億円に跳ね上がっていますが、予算委員会でその差分に関する明確な説明もありませんでした。先進的な市町村でも10年の長きにわたる指定管理の指定は、福祉施設など長期的に安定したサービスが求められる施設と極めて抑制的です。10年の指定管理は、断じてすべきではありません。
まとめ
以上により、予算として非常にバランスが取れていないことに加え、特に今回はどう考えても喫緊の課題とは思えない里山自然公園の民有地購入に係る予算6,695万円や、議事録も公開しない会議の意見を参考に、極めて乱暴にその期間と予算を決めた草ぶえの丘指定管理に係る令和6年度から令和16年度までの債務負担行為9億656万8,000円など、明確に削除すべき予算などが含まれているため、令和16年度予算に反対をいたします。 以上、ご賛同くださいますようお願いいたします。
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