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5.佐倉市の応急仮設住宅建設予定地はどうなっているのか?

2024年3月7日:髙橋とみお一般質問

2月29日の読売新聞では、輪島市を含む8市町、人口合計約20万人のエリアで、応急仮設住宅の入居申請が少なくとも約8,000戸に上っていると報道されました。他方、同日現在完成したのは約300戸にすぎず、避難所や親戚宅などに約1万9,000人が身を寄せているとのことです。人口20万人といえば、佐倉市の人口に近似します。

さて、応急仮設住宅建設予定地は、佐倉市では唯一西志津多目的広場がそれにあたります。

前回私がなした昨年5月の一般質問内容の一部、国土交通省の応急仮設住宅建設必携中間取りまとめの引用個所を再読します。

「自治体機能や職員等も被災を受けるような大規模発災後は、冷静に考える余裕などはなく、決められたことを決められた通りにこなしていくことで精一杯です。中略。発災後の混乱時期においては、平常時から準備していたこと以上のことは、対応できないという前提に立ち、平常時からできることは準備を進めておくということも、今回得られた大きな教訓であります」。

この中間取りまとめには、平常時からの準備として、被害想定に基づく応急仮設住宅の必要戸数の想定、想定必要戸数に応じた建設候補地の確保などがうたわれています。

2023年2月定例会の玉城清剛議員の質問に対して、佐倉市で唯一応急仮設住宅建設予定地として指定されている西志津多目的広場には、大規模災害時に一戸当たり29.7平米の仮設住宅を最大207戸建設する計画となっている旨答弁されました。

さて、佐倉市が平成25年に作成、公表している「防災アセスメント調査報告書」では、千葉県地震被害想定調査の結果をもとに、東京湾北部地震(M7.3)を想定している」、としています。

さらに当該報告書では、「東京湾北部地震による佐倉市における地震動の強さは、震度 5 強から 6 弱の揺れで、市の半分程度が震度 6 弱の強い揺れに見舞われる結果となった」、としています。

図3をご覧ください。当該報告書では、上記で想定された大震災の揺れ・液状化による佐倉市の建物被害の想定を、エリア毎に公表しています。

全建物の数に対して、全壊の建物数の合計は563棟、全半壊の数は4,794棟です。

報道によると、仮設住宅などの入居の対象となるのは、罹災証明書で住宅が「半壊」以上となった住民などとされています。全半壊の軒数は志津地区だけで1,981棟ですから、志津地区だけで考えても、仮設住宅に入れない、住まいを失った市民であふれかえることになります。なお、市全域の全半壊軒数は4,794棟です。

3月4日のNHKでは、輪島市のある地区で、「地区内に仮設住宅建設を」と住民が市に要望した事例が報道されました。住民が市に提出した要望書では、住民が長い期間離れて暮らすことでコミュニティーが失われ、人口の流出が進むとして、地区内に仮設住宅を建設するよう求めているそうです。

もちろん、前回の私の一般質問でご答弁いただいたとおり、被災市民については「公営住宅や民間賃貸住宅の一時借り上げ等の方法も検討」されることと思いますが、その場合空き状況の確認や民間の賃貸事業者との交渉などにより初動は確実に遅くなりますし、現在の能登半島でみられるように、需要と供給がマッチせず、結果的に災害関連死の市民を増やすことになります。いずれにしても、アセスメントでの想定被害を前提としたとき、数とエリアを確定できる仮設住宅予定地のキャパシティが佐倉市全体で最大207戸では、あまりにも少なすぎます。

繰り返します

  • 国交省の「応急仮設住宅建設必携」報告書では「発災後の混乱時期においては、平常時から準備していたこと以上のことは、対応できないという前提に立ち、平常時からできることは準備を進めておく」よう地方自治体に促しています。
  • 大災害では、被災による半壊以上の住宅居住者に、応急仮設住宅等の臨時の住まいを用意する必要があります。
  • 佐倉市では、「防災アセスメント調査報告書」にて、東京湾北部地震(M7.3)では、4,794棟の家屋が全半壊すると想定しています。
  • 佐倉市では、前回の私の一般質問時には、応急仮設住宅建設予定地として名前が挙げられているのは、西志津多目的広場のみであり、そこに立地できる仮設住宅の最大戸数は207戸です。

また、私は応急仮設住宅建設予定地が西志津多目的広場のみではあまりに少ないという観点から、江原新田旧無線塔跡地を仮設住宅立地予定地として提案したところ、前向きな答弁をいただいております。

そこで質問です。

  • 志津地区、臼井地区、千代田地区、佐倉地区、根郷地区、和田地区、弥冨地区各地区について、応急仮設住宅建設予定地の検討状況と、各地区に要件を満たす場所があるか、あればそれはどこなのか
  • 応急仮設住宅建設予定地に関する指定の今後の目標
  • 前回うかがった江原新田旧無線塔跡地に関する、地権者との協議の進展

ついてうかがいます 。

執行部(市役所)回答

応急仮設住宅建設候補地につきましては、佐倉市地域防災計画において、第1として西志津スポーツ等多目的施設用地、第2に当面利用が決まっていない公共用地、第3に都市公園、第4に民間の遊休地の順で建設用地を選定すると定めており、各地区ごとの選定はしておりません。応急仮設住宅の整備につきましては、仮設住宅の建設のほか、公営住宅や民間賃貸住宅の借り上げなどの手法も考えられますことから、引き続き様々な方策を検討しております。なお、今都市公園では、上座総合公園、ユーカリが丘北公園、佐倉城址公園について都市部と協議をしております。
 なお、江原新田の旧臼井無線送信所跡地に関する協議の進捗状況ですが、現在相手方に対しまして協議の申入れを行っているところでございますが、NTTがもともと持っていまして、企業分割が進んでいますので、なかなか協議に入れないような状況でございます。

細かく進められているという情報を伺いました。仮設住宅の建設予定地が地域にないとコミュニティーが崩壊してしまいますので、その辺りも加味しながら、これも時期と目標をしっかりと持って計画をしていただきますよう、市長にお願いを申し上げます。

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