NEWS

【2019年5月16日】臨時会:「プレミアム付商品券事業」に関する審議

今回の記事は、「三回目本会議」→「全員協議会」→「常任委員会」→「一回目議会運営委員会」→「四回目本会議」まで一気にいきます。
とはいえ、以上の会議で決められたことすべては書ききれませんので、「三回目本会議」で提起された6つの議案中、「議案第1号・プレミアム付商品券事業について」に絞ります。

この議案は、補正予算の審議案件です。
補正予算というのは、地方自治法第218条第1項で「予算の調製後に生じた事由に基づいて、既定の予算に追加その他の変更を加える必要が生じたとき」に編成することができる予算のことで、この「プレミアム付商品券事業」も、「予算の調製後」に、「国から突然降ってきた予算」ですので、それに該当します。

◆「プレミアム付商品券事業」とは何か?

そもそもこの「プレミアム付商品券事業」というのは何かというと、今度の消費税10%への引き上げに際して、低所得者や子育て世帯(0~2歳児まで)に対する増税緩和措置として、5,000円分の「プレミアム」をつけた商品券を販売する施策です。
具体的に言うと、佐倉市の加盟商店で使える「25,000円」の商品券を、上記対象者の中で希望する方に「20,000円」で販売する政策で、その事務費から5,000円の「プレミアム分」にいたるまで、すべて国税で実施できる(市税を使う必要がない)というもの。
細かい説明は割愛しますが、この「プレミアム付商品券」が使える期間の予定は、2019年10月から2020年3月までの間、とのことです。市の告知が始まるのは2019年7月から8月ごろだそうです。
また、もし消費税が10%に上がらなかった場合でも、この政策は国の予算で実施できるのか、という点については「国からの通達がないのでわからない」そうです。確かに、国からお達しがなければ、市役所ではわかりませんね。

さてこの施策ですが、結論からいうと「四回目本会議」で可決しました。つまり、佐倉市でも(国の予算が付くならば)実施されることが決まりました。
とはいえ、消費税増税は、どうも自民党内部でもあれこれやっているので、どうなるか予断を許さないところです。

さておき、この議案に対する私の賛否については
賛成
理由:
国から予算が付くのであれば、他の基礎自治体と横並びにせよ、実施しなければ佐倉市在住の「低所得者や子育て世帯」に不利になるため。
意見:
25,000円のプレミアム商品券を、対象者に20,000円で買ってもらう、とする施策は、膨大な事務コストがかかります。事実、本件にかかる総予算約2億8,300万円のうち、プレミアム分を引いた事務費は約1億1,530万円となっています。
対象者の痛税感を和らげるためならば、単に5,000円の商品券なりを送るだけのスキームにすれば、事務費用はずっと少なくて済むはずです。しかし、これは国が決めた政策をほぼそのまま実施しなければ、国の予算は降りてこないそうなので、消極的な賛成、ということになります。
もちろん、説明資料にあった「地域における消費を喚起・下支え」する目的において、ただ5,000円分の商品券を配るより、25,000円分の商品券を20,000円で購入してもらったほうが消費インパクトは強い、という理屈も考慮にいれましたが、はたしてそうでしょうか?
「5,000円」の商品券を対象全世帯に配布するならば、対象者のほぼ100%が当該商品券を利用するけれども、対象者中任意の希望者に「25,000円分の商品券を20,000円で購入」してもらう場合、そもそも対象者の何パーセントが商品券を購入するかもわかりません。
国税も我々が払っている税金ですから、「国からお金がでているからよい」ということにはなりません。国政を司る政治家も、もう少し弾力的な制度設計をすべきではないかと思います。
さらに言うならば、対象者がたった一回5,000円分得をする、というのは、そもそも虚しいバラマキ施策であるとも思えてなりません。

こういうことについて、賛否表明をして議決していくのが、とりもなおさず議員の重要な業務の一つです。

一覧へ戻る

最近の投稿

カテゴリー

アーカイブ

BOOKS

書 名:地方議会議員の選び方 佐倉市の事例を参考に
著 者:髙橋 とみお
カラー:表紙フルカラー 中面モノクロ
版 型:A5版
価 格:500円(税別)
出版元:欅通信舎 ご購入はこちら
書 名:佐倉市域の歴史と伝説 旧石器時代から戦国時代の終焉まで
著 者:けやき家こもん(本名:高橋富人)
カラー:全頁フルカラー
版 型:A5版
価 格:900円(税別)
出版元:欅通信舎 ご購入はこちら