【2019年12月4日】一般質問:佐倉新図書館を起点とした「歴史の街佐倉」街歩き誘導施策について
2019年12月4日(水)に私が実施した一般質問原稿を掲載いたします。
今回の定例会で私が実施した一般質問は以下5つです。
1.佐倉市の放射線量調査について
2.「佐倉市史」について
3.書籍「佐倉市郷土の先覚者」について
4.佐倉新図書館を起点とした「歴史の街佐倉」街歩き誘導施策について
5.小出義雄記念陸上競技場と紐づく金メダルジョギングロードについて
■はじめに:質問原稿の説明と補足
これは、以前紹介させていただいた、いわゆる「佐倉新図書館」関連の質問です。
今回の質問のトーンのひとつは、ライフワークとして取り組んでいる「佐倉の歴史」をベースにした内容が多いことです。また、単に歴史は大事だ!というのではなくて、例えば教育とか、観光とか、文化や郷土愛を育むような「佐倉市の価値を高める」施策に郷土史を活用しようとするものです。
この目論見はそんなに奇抜なものではありません。たとえば、鎌倉時代に幕府が立地した鎌倉市や、江戸幕府の天領として栄えた倉敷市などでは、歴史と文化を軸にした透徹したプロモーションが、現在のステータスを築いたのです。結果、たとえば鎌倉市は、東京都心からの距離は佐倉とほぼ等距離という立地でありながら、基準地価では佐倉市のほぼ4倍です。
「だって、どちらの市にも歴史資産がたっぷり残っていたから・・・」と思ったのだとしたら、それは「現在の在り様」だけを思い浮かべているからにすぎません。それらの「歴史的資産」は、ソフト面も含めそこに住む先人たちが誇りを持ち大切に残し、試行錯誤しながら活用しつづけた結果なのです。
「老中の藩」として日本の要の藩であった江戸時代の佐倉、「下総の中心・本佐倉城」が立地した室町時代の佐倉、「千葉一族の繁栄の証」として栄えた鎌倉時代の佐倉、「将門伝説も残る坂東武者の里」である佐倉。また、とかく「負の資産」として封印されがちな「連隊の街」という役割を担っていた明治から終戦までの佐倉ですら、「戦争の時代」を語り継ぐためにも、その歴史はとても貴重なものだと思っています。
この、多様な歴史の「縦の連続性」を常に念頭におき、それを生かし切ることができれば、他市にはないゆるぎない優位性を確立することができるはずだと考えています。
かなり力んだ前置きになってしまいましたが、提案事態は割と「小さな内容」に感じられるかもしれません。小さなところから一歩ずつ、これがきっと大切なのだということで。
■佐倉新図書館を起点とする街歩き誘導施策
去る11月16日土曜日、佐倉市が主催する佐倉新図書館のワークショップを傍聴させていただきました。
市民の皆さんの積極的な参加がみられ、とても刺激になりました。
ワークショップでのお話や、資料等を拝見するにつけ、新図書館について、ハード面は相当詰まってきている印象があります。
ついては、特に佐倉市新図書館を起点に、来場者に「歴史の街佐倉」を街歩きしていただくための施策の検討状況について、執行部にうかがいます。
佐倉市答弁
市では、昨年度から着物を着て城下町を歩く体験ツアー、サムライ散歩を、今年度からは旧堀田邸において座禅と茶道を体験するツアー、禅の心を開始したところでございます。新図書館は、城下町地区のほぼ中央に位置することから、歴史のまち佐倉を回遊いただく上での拠点になると考えており、教育委員会と連携し、例えばまず図書館で城下町の歴史等について理解を深めた上で、各種の体験ツアーに出発するなど、図書館を起点とした回遊策について検討を進めてまいりたいと考えております。また、今後武家屋敷などの主要施設において、城下町全体を案内する多言語看板を整備するなど、回遊環境の充実も図ってまいりたいと考えております。
ありがとうございました。「サムライ散歩」や「禅の心」などのイベントを通じて、城下町佐倉のすばらしさを活用した意欲的な取り組みを実施し、そのような企画を新図書館とからめていくような方向性が確認できました。
また、主要な見どころに、現在駅に掲げてあるようなしっかりしたサイズの魅力的な看板を設置される計画があるとのこと、今から楽しみにしております。
新図書館を起点とした街歩き誘導のための施策として、私からは3点ほど提案したいと思います。
- 当該施設を起点とした、新町の見どころをまとめた冊子もしくは書籍と、その電子化
- 主要な見どころに、乗り捨て可能な貸自転車設備の設置
- 主要な見どころの道標となるサイン類の整備
1.新町の見どころの書籍化について
佐倉新図書館は、佐倉の歴史に関する知識の集積地として機能し、またこの場所を起点として街歩きをしてもらう狙いもあるとうかがいました。
平成28年2月議会で、全議員一致で当該施設が「新町の活性化に資する施設」として機能するよう決議されてもいます。
その意味で、単なる「街歩きマップ」を用意する程度では、新町周辺の魅力は伝えきれないと考えます。
一つ一つの見どころ、歴史的な背景などを分かりやすく説明するような冊子が、まず必要でしょう。
たとえば、WEBでの閲覧、ないしデジタルダウンロードは無料とし、紙の本としてほしい人には安く提供する、という方式でもよいかと思います。そうなれば、販売の費用で印刷コストはまかなうことも可能です。
2.貸自転車の設置について
現在京成とJRの佐倉駅にある貸自転車について、例えば歴博の自由広場と新図書館に、どこでも乗り捨て可能な貸自転車置き場を設置し、連携させれば、周辺の回遊性は一段と高まることになるはずです。
確かに、あの周辺は自転車で走るには歩道が整備されていないという課題もございます。
とはいえ、令和4年の開館であれば、それを見越した整備も可能ではないでしょうか。
乗り捨て可能なものが理想ではありますが、あとはかけられる人数などとの折り合いで、他市での取り組みなども参考にぜひ前向きにご検討いただければと思います。
3.サイン類の整備について
主要な見どころでの歴史案内看板的なものは、ご検討されていると承りました。
ついては、新町周辺を街歩きする人が、googleマップが不要なくらいわかりやすい、主要な見どころへの道標としてのサイン類の整備をお願いしたく思います。
歩いていても、道の確認のためスマホの画面をいちいち確認するのはわずらわしいうえ、交通事故にあう可能性も高まります。まして自転車ならばなおのことです。
先日の時代まつりの折、久しぶりに武家屋敷まで足をのばしましたが、道案内用のサイン類が少なく、来場者が「こっちで大丈夫なの?」と言い交している姿を何件かみかけました。
以上3点について、市の考えをうかがいます。
佐倉市答弁
城下町地区には、多くの文化観光施設がございますが、施設が点在しているため、施設間を楽しく快適に回遊していただくことが課題であると考えております。新図書館を通じ、城下町地区の見どころ、その歴史的背景やストーリー等への理解を深めていただくことで、回遊のモチベーションや移動の楽しみにつながるものと考えており、議員ご提案の内容も含め、このための仕掛けをどうつくっていくか、教育委員会等とも連携して検討してまいりたいと考えております。
ありがとうございました。引き続きご検討いただき、歴史の街佐倉市のよさについて、市内外へのアピールをよろしくお願いいたします。
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