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横断歩道無法国家日本と議会決議の行方:前編

横断歩道無法国家日本と議会決議の行方:後編


日本全国、横断歩道で車が停まりません。
道交法38条を持ち出すまでもなく、「歩行者がいる横断歩道」では停車しなければならない。これはもう、ドライバーなら自明のはずです。

しかし、日本では停まらない。これは、非常に恥ずかしいことです。「歩行者がいる横断歩道」で停車していないドライバーは、その都度万引きをしたり、公衆の面前で立小便をしたりしている自分を思い浮かべてください。つまり、あなたは無法者なのです。

先日、長く中国の大きな工場の工場長として働く友人が日本に一時帰国しました。彼は大学時代の同級である中国人の女性と結婚し、現在一児(娘)の父でもあります。その彼の奥様が、娘に対して「日本では横断歩道で車が停まらないので、気を付けるように。」と注意したそうです。

私が中国に留学していた時分、中国の道路事情は「最悪」の一言でした。マナーなんて、あったもんじゃない。まして横断歩道なんて、なんのためにあるのかわからなかった。とはいえ、こと横断歩道に関して言えば、日本の状況は二十年以上前の中国と未だに「五十歩百歩」です。

確かに、中国での近年でのマナー向上は、「天網」と呼ばれる個人監視システムの「成果」ではあります。ならば彼の国の民度があがったわけではないのだ、と胸をなでおろしているあなた、それならば一向に横断歩道の無法状態を解消しようとしない日本人には、法順守には「天網」が必要ですか、と問いたい。

なお、蛇足ながら付け加えると、欧米各国では車の横断歩道停止は当たり前。無法者ドライバーが野放しになっているのは、日本くらいなものだと心得ましょう。あぁ、恥ずかしい。「2020年。おもてなし」とか言ってる場合じゃありません。

市議会決議から日本を変えられるか

前置きが長くなりましたが、そんな状況を解消するため、わが佐倉市議会へ「佐倉市の横断歩道における安全・安心を実現する決議(案)」を提出しました。

詳細をご覧になりたい方はこちらからダウンロードしてください。 補足資料も含め確認できます。

この決議案が可決されれば、佐倉市役所はじめ関係諸機関、および日本全国に「横断歩道では歩行者のために停まるのが当たり前の佐倉市になります!」という議会の意思を、高らか宣言したことになります。また、実効性のある施策をしっかり打っていく一定の義務が、佐倉市オールに生じるともいえます。

ボトムアップという表現が適切かわかりませんが、この趣旨の決議は佐倉市にとどまらず、日本各地の地方議会で可決されることを強く望みます。国が手をこまねいているならば、地方議会が動きましょう(そんなわけで、決議案はテンプレとしてご利用いただいて結構です)。

佐倉市議会は「安全な横断歩道を実現する意思」を示せるか

さて、ここで試されるのが、佐倉市における「会派拘束の厚い壁」です。

私が議員になってから、佐倉市議会の会派「さくら会」、「自由民主さくら」、「公明党」と、無会派のうち1名は、常に「まったく同じ賛否行動」をとっています。

佐倉市議会議員は総勢28名。うち、上記の会派所属等議員は18名で、圧倒的多数。つまり彼らが賛成すればどんな議案も可決するし、そうでなければ否決されるという現状です。

今回、私は当該決議案を12月2日にすべての会派室に持参し、賛同をお願いしてきました。しかし、無会派の議員の発議は、少なくともこれまでの経験ではすべて「否決」されています。

他方、この決議を否決するということは、特段の理由がない限り「佐倉市は無法な横断歩道で全然OK」という議会の意思を示すことになります。

さて、本決議案は会派拘束の壁を破ることができるのか!このスリリング(?)な状況の結末は、近日中にお知らせいたします。乞うご期待。

※末筆になりますが、添付資料の出典として資料をご提供くださいました一般社団法人日本自動車連盟 (JAF)様に、厚く御礼申し上げます。

横断歩道無法国家日本と議会決議の行方:後編

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著 者:髙橋 とみお
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