【最上位固定記事】議員定数を削って、より有効な市税の使い道を
市議会の役割と議員定数の最適化について
市議会の役割はいろいろありますが、最も重要なのは「市税の使い道」を決めることです。
執行機関から議会にあげられた予算案を基に、現在の市の財政状況に照らして、何が必須で、何が不要かを検討し、決定することです。
そこで検討される内容は、市の議案すべて、といってよいでしょう。その中には、もちろん議員定数の最適化についても含まれます。
さて、2019年現在の佐倉市議会議員の数は28人です。
平成30年度の予算書における、議員報酬等の費用は約3億円です。この予算は、佐倉市の平均年収約500350万円の共働き世帯のおよそ3,000世帯分の市税をすべて「議員報酬等」で使っている計算です。(2019年2月9日付記:「年収500万円の世帯」としていたところ、「佐倉市の平均年収約350万円の共働き世帯」に変更しました。なお、佐倉市の平均年収については、総務省発表の統計資料をもとに、佐倉市の課税対象所得の総額を納税者数で除算した額を平均所得と規定し、平均所得(年収)を算出している自動計算サイトの2019年2月19日の数値を出典としています。)。
佐倉市の議員は28人必要か?
他市との比較で考える適正な議員定数
次に、議員定数を考えるうえで持ち出される「市の総人口」と「市の総予算」についてみてみます。比較対象として、①佐倉市より議員数が少ない、②佐倉市と人口が近い、③佐倉市より扱う予算額が大きい、浦安市と比較してみます。
■浦安市
- 平成30年度3月人口:約16万9千(市民約8,047人に議員1人)
- 平成30年度予算:約760億円(予算約36億1,905万円に議員1人)
約1,000億円(予算約47億6,190万円に議員1人)(2019年2月19日付記:1,000億円は浦安市の特別会計を含む予算であったため、一般会計の760億円としました) - 議員数:21人
■佐倉市
- 平成30年度3月人口:約17万6千(市民約6,285人に議員1人)
- 平成30年度予算:約480億円(予算約17億1,400万円に議員1人)
- 議員数:28人
絶対数ではなく、人口当たりの議員数でいっても、浦安市は佐倉市よりずっと少ない議員数で「二元代表制」を維持することができています。
また、議会が決定権をもつ市の年間予算についていえば、浦安市は佐倉市の約1.6倍2倍以上です。議員一人当たりの扱い額(という表現が適切かはわかりませんが)については、実に2倍以上の3倍近い(2019年2月19日付記:浦安市の予算に関する記載の修正にあわせ、取り消し修正部位の数値を変更しました)予算内容を検討していることになります。このように圧倒的な差がありますが、議会は問題なく予算を決定し、議員の人数が少なすぎるという声は聞こえてきません。
そこで、反論があるとすると、「佐倉市は浦安市と違い面積が広く、産業構造も複雑なため、いくら予算が浦安市の半分でも相応の議員数が必要だ」というものでしょう。
それでは、同じ千葉県内で、議員定数が20人の南房総市をみてみましょう。
■南房総市
- 総面積:230.1 km²(議員1人がカバーするべき面積:約11.5 km²)
- 議員数:20人
■佐倉市
- 総面積:103.6 km²(議員1人がカバーするべき面積:約3.7 km²)
- 議員数:28人
産業構造についていえば、南房総市は、佐倉市同様、農業、工業、商業のほか、海に面しているため、漁業関係、港湾関係がプラスされるほか、佐倉市よりも観光業に関する税収比率が高いため、そちらの検討も重要です。また、津波対策は喫緊の課題ですし、東京湾アクアライン連絡道が近いために神奈川や東京のベッドタウンとしての機能も求められる一方、過疎化は佐倉市よりも急速に進んでいるなど、まさに「検討事項のるつぼ」ともいうべき状況です。
総人口は、約3万8.700人と確かに佐倉市よりずっと少ないですが、総面積は佐倉市の倍以上ですから、議員一人がカバーしなければいけない面積でいえば3倍以上です。
議員定数は、見直すべき時期にきていること
そもそも、市議会議員の定数は、昭和21年の法律を基に設定されています。
昭和21年といえば、まさに戦後の混乱期で、道路は舗装されておらず、電話機など集落に一つあるかないか、という時代です。
そのころから、議員定数は全国的に漸減していますが、市民の声を聞くためのインフラも、検討すべき情報の量も質も検索性も、天文学的な倍数で整備されているのが現在の日本です。
佐倉市のみならず、基礎自治体の議員定数のすべてについて、もう一度ゼロベースで検討する時期にきている、というのが私の意見です。
もちろん、最適な議員定数を導き出すためには精緻な理論と合意形成が必要です。
仮に、私一人が声をあげたところで、何の力も持ちえないことは理解しています。
しかし、たとえば佐倉市で2万人の署名が集まったとしたらどうでしょうか?市長も市議会議員も、4年に1度の選挙で市民から選ばれる必要がありますから、それだけの市民の声が集まれば無視することはできません。
「現実性がない」とあきらめてはいけないのです。浦安市や南房総市でできることが、佐倉市でできないことはないのです。
たとえば、佐倉市の議員数を、浦安市と同じ21人にした場合、年間約5,880万円の恒久財源が生み出せます。
南房総市と同じ20人にした場合、年間約6,720万円の恒久財源が生み出せます。
また、財源を確保することは目的ではなく手段です。それらの財源を生み出せた場合に実施すべきと考える施策提案があります。
本稿以降、それらの政策を皆さんに紹介していきます。
【2019年2月19日(火)追記メモ】
私の主要施策実施の予算的根拠である本記事を、ブログの最上位固定に設定しました。
あわせて、主要施策へのリンクをご用意いたしましたので、ご興味のあるタイトルがあればぜひご一読ください。
- 【災害の備え】避難所の食料、飲料水の備えは、佐倉市の緊急課題です
- 【災害の備え】佐倉市に39ある災害避難所に、太陽光発電と蓄電設備の設置を目指します
- 一人暮らしの高齢者の命を守る「生活見守りセンサー」の提案
- 議員を減らした財源で、子供のインフルエンザ予防接種の助成を目指します
- 佐倉市で実施すべきと考える「若者議会」の概要
また、予算を使わず実施できる施策については、以下のとおりです。
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