議員活動について、しっかりした情報公開を実施する
市民生活にかかわる重要な議案について、賛否の理由を明確伝えること
市議会と、市議会の構成員である市議会議員は「市民の声を反映した市政」を実現するために選挙で選ばれています。 主な役割は
- 市民の多様な要望、意見を聞くこと
- それらを基に、市が提案してきた議案について「やるorやらない」を決めること。また、ときに市に対して政策提案すること
- 議会での重要な決定事項については、議員個人の賛否の理由を市民に伝えること
です。
しかし、特に3番目について、ほとんどの議員の情報発信は、控えめに言っても不十分です。もちろん、すべての議案について賛否の理由を述べよ、とは言っていません。しかし、市民の生活にかかわる重要な議案についてすら、議員個人のサイトやチラシで情報発信されていないのであれば、市民としては議員の評価はできません。つまり、その議員には選挙で投票できないのです。
過去4年の気になる議案と公民館有料化の事例
過去4年分の「議会だより」から、気になる議案を抜き出してその結果をまとめてみました。
たとえば、2017年11月定例会の「請願」という項目をみてください。
請願というのは、市民が市議会を通じて、要望を市に伝える手段です。この『佐倉市公民館の「有料化」を行わないよう求める請願書』という請願も、皆さんと同じ佐倉市民が、市議会に提出したものです。
具体的な請願内容はこちらをご確認ください。
結果は、有料化に賛成する議員が多数であったため、請願は否決され、そのまま公民館は有料化されました。
さて、この請願が否決されるなら、されるなりの理由があるはずです。
理由を確認するため、「議会だより」や、議会事務局が公開している検索システムをみてみます。
2017年11月定例会の内容が記載されている議会だより(PDF)
「議会だより」では、確かに有料化に反対する議員の質問や意見と、行政側の説明が、それぞれ「数十文字」程度で掲載されています。しかし、これでは「なるほど、それならば有料化するのも仕方がない」と納得することはできません。まして、有料化の請願について最終決定権をもつ議会議員が「有料化やむなし」の理由を述べている情報は皆無です。
次に、議会がインターネットで公開している議事録検索システムで、当該請願をひいてみます。
ページが表示されたら、「検索語」のキーワード入力欄に「公民館」、「有料化」と入力し検索ボタンを押してください。
検索の結果、有料化に反対している議員の発言の詳細が掲載されています。それに対する市側の答弁も確認できます。しかし、有料化を賛成する側の議員の意見は、やはり見つけられません。
「賛成」or「反対」の理由を説明するのは、議員の義務です
さて、通常市民は議会議事録の検索システムで、個別議案の非常に長い議事録を読むことはしません。
「反対」でも「賛成」でも、議会が終わったら、議員ご自身のサイトやチラシで、理由を含め重要議案の賛否をできる限りわかりやすく表明するのが、市民の票を預かる議員の義務でしょう。
とりわけ、この場合有料化に「賛成」した議員は、議会だよりにも議事録にも意見の記載がありませんので、なぜ「賛成」したのか、それぞれの見解を表明するべきです。
行政が議会で説明したからよい、という問題ではありません。「やむなし」という理由が、議員個人の見解としてなければ、有料化には賛成できないはずです。
公民館の主な利用者は、シルバー世代と子育て世代が中心です。
「シルバー世代や子育て世代にとって、住みよい佐倉市を」と選挙でいうのであれば、有料化に「賛成」という立場だけみれば、真逆の行動です。有料化について理由の表明がなければ、その議員が「シルバー世代と子育て世代」の市民に対して、価値があるといえるでしょうか。
繰り返し言いますが、公民館の有料化に「賛成」したから悪い、とは言っていません。議会は市政のチェック機関です。ですから、ときに市の財政状況などを勘案し、市民にとって厳しい結論をくだすこともあるということは、私を含むほとんどの市民が理解しています。
しかし、市民からの票を預かり、市税を報酬として受け取っている市議会議員ならば、市民に対して、議案の賛否についてしっかりした理由を説明する義務があるはずです。先のケースでいえば、「公民館有料化やむなし」と判断した理由を表明してほしい、と言っているだけです。
その意味では、「有料化に反対」した議員も同様の義務を負っています。委員会や本会議で意見を述べたから終わり、では、市民には情報は届きません。
先に紹介した過去4年の「気になる議案一覧」をご参考に、ぜひ皆さんも、個別議員の賛否確認とあわせ、「賛否の理由」を追ってみてください。「佐倉市 議会だより」でインターネット検索すれば、簡単に議案別の議員の賛否を見つけることができます。
誰に投票するにしても、「議案の賛否」と「その理由」は、現職議員を評価するうえで欠かせない情報です。
議員個人が、おそれずに、議案に対する態度立場をしっかり説明することが、これからの佐倉市の議会運営には欠かせない、と私は思います。
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