- 2021.05.19
2021年5月18日(火):臨時会について ①専決処分と賛否公開システムに関する所見
5月18日、臨時会が行われました。
臨時会とは、すべての議員の出席が求められる「本会議」の一つです。
佐倉市の場合、年に4回の「定例会」の他、毎年5月中旬に「臨時会」が定例的に開催されています。
通常、臨時会とはその名のとおり「臨時的に招集」される議会なのですが、この5月中旬に開催されるものだけは、議会議員のその年度の所属委員会等の人事案件を決めるために必ず開催される、「レギュラー化された臨時会」という、不思議な議会です。
この一日の議会で審議・決定された内容は
- 専決処分の審議
- 議員から選出される監査委員の審議
- 佐倉市議会の議長・副議長の選挙
- 議員が所属する常任委員会の決定と、委員長・副委員長の決定
- 議会運営委員会の決定と、委員長・副委員長の決定
細かい段取りは置きますが、毎年とにかく盛りだくさんです。
この原稿では専決処分についてお話します。
専決処分というのは、緊急性の高い予算執行について、議会にかける前に市長の「専決」により執行した案件を指します。
市役所は、細かい用途はともかくとして、「議会の承認」を経てからでないと予算を使うことができません。でも現実的には、年に4回ある定例会を待っていたら間に合わない、とか、一刻も早く支払わねば、という案件が必ず発生します。
例えば、今回3つあった専決処分のうちの一つは「低所得の子育て世帯に対する生活支援特別給付金」について、約1億5百万円を市長の専決で処分したよ、というもの。
これは、国の補助率が100%のものなので、予算執行的な観点から言えば、市が国の事務を請け負ったようなものなのですが、その内容について議会で審議するわけです。
議員からは、支給漏れが無いように広報の徹底を求めたり、二人親や別居家庭などでの給付の有無などについて質問や要望がなされました。
上記議案を含む今回の3つの議案については、すべて「国の法律や事業がこうなったので、佐倉市もそれにあわせてこうしたよ」というものでした。
この他、よくある専決処分としては、市の施設や職員が物損事故などを起こしてしまった際の損害賠償金の支払いや、今回のコロナ関連のような緊急性の高い事案に対する予算執行、などがあります。
なお、今回の専決処分はすべて可決されました。
可決された内容の詳細はこちらをご確認ください。
佐倉市議会公式サイト
令和3年5月臨時会 市長提出議案
議員別賛否表(PDF 88KB)
◆議案別賛否の公開について
なお、すこし前にサイト上で議案の賛否表が公開されるようになりました。上のリンクでいうところの「議員別賛否表」というPDFデータがそれです。少々手前みそですが、議員の議案別賛否はできる限りわかりやすく公開すべき、と私が事務局に要望し続けたことも影響したのだと思っています。
議案の賛否は、市民が議員の仕事を評価するための大きな指標ですから、議会事務局の対応にまずは感謝申し上げます。
欲を言えば、具体的な議案のページ内に賛否があるのが最善です。例えば、下のページをご覧いただくと、「議決結果」の欄には「賛成22人、反対5人」とあるだけで、誰が賛成・反対したのかわかりませんよね。
賛成議員と反対議員の氏名が書かれていたら、とてもわかりやすい。そのためには、議案DBを作って賛否を一元管理し、適宜必要なページに賛否データを反映するようなシステムを作ることがベストですし、システム的にそれほど難しいものでもありません。しかし全国の基礎自治体の議会サイトで、「議案別賛否公開システム」が前提となるような賛否公開をしているサイトを見たことがありません。いくつか地方議会用CMSの機能を見てみましたが、そういう提案があるものすら見当たりませんでした(あるのかもしれませんが)。
市役所に対しては、やれ「RPAで業務効率化せよ」だの「情報の一元管理で業務効率をあげよ」だのと言っているほとんどすべての議会が、その程度のこともやっていない。おそらく、課題とすら思っていない。その理由は、「あまり賛否公開したくない」と思っている議員が大勢を占めているからでしょう。
実に恥ずかしいですが、それが地方議員の見識であり、実力です。
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