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佐倉市コロナワクチン接種:高齢者接種予約の遅れの原因は?

ワクチン接種関連の質問は、オンライン、オフライン含め、これまで無数にいただきました。

その中で、Twitterに寄せられた質問の趣旨とあわせ、私の見解を記事としてまとめました。すでに公開している件ではありますが、Twitterの文字数制限によりコマギレのコメントとなっているため、改めて一部加筆修正などして公開します。

ご質問

佐倉市は当初7月末には高齢者の接種は完了する見通しだったはずですが、もはや難しいのでしょうか。遅れは何が原因なのでしょうか?

髙橋とみお回答

遅れの原因については、複合的なものだと考えています。

まず、ワクチン接種開始当初は、政府から自治体への納入スケジュールが確定的でなかった点が大きかったと思います。

「6月中に高齢者接種に十分なワクチンを供給する」というあいまいな政府の言葉だけで、予約だけ先行させる危険はおかせない。その意味では、少なくとも当時は、佐倉市をはじめとする自治体はみな気の毒でした。

次に、医療従事者など優先順位の高い接種者への接種と高齢者の予約が重なって、前のめりな予約計画に慎重になっていた「打ち手」側の思惑もあったと思います。前代未聞の大規模接種ですから、医療機関の「自分たちはどこまでできるのか?」という心情もわかります。

これは、例えば人口が2万人、などの小規模自治体ならば、高齢者数も少ないため、ある程度「読める」範囲で計画できます。また、政令市などの大規模な自治体ならば、実務をこなす職員の人員確保もできる。遅れが目立つのは、これはあくまで私の感覚ですが、佐倉市くらいの「中間的な規模の一般市」です。本件については、「自治体の最適な規模」を考えるうえで、事後行政学の貴重な研究対象になるのではないかと思っています。

さらにいえば、ここからは一部行政批判にならざるを得ませんが、当初計画がまずかった。高齢者なら日程の融通が効く場合が多いので、全員に接種日程と会場を割り当てるのが、今から思えば正解でした。とはいえ、これは後出しジャンケンですが。

もし佐倉市がとった「市民に接種予約をしてもらう」方針をとるのだとしたら、年齢別に予約ができる日程を細かく設定すべきでした。これは「後出し」ではなく、議員や市民からも事前に意見が出ていましたので、明らかに行政のフォルトです。

そこに、今回の「予約できないフリーズした予約システム問題」が加わりました。電話でも、予約サイトでも。

これは、予約開始初日の5/9と、予約再開後の5/20、5/21にも発生しました。これで、「予約はできない」と匙を投げてしまった市民が多かった。初回はまだしも、二回目以降の対策も全く不十分だったと思っています。その点については、16日の議会での一般質問でも聞いてみるつもりです。

現在は予約しやすい状況のようですが、もはや複数回予約できない経験をしてしまった市民は「だめだこりゃ」という思いであきめてしまっている。

一部私の主観もあったかもしれませんが、およそそのような複合的な要因で、スケジュールが後ろに倒れてしまったということと思っています。こういう「あきらめた市民」をはじめ、一人暮らしの高齢者など、「取り残されてしまった可能性の高い」市民をどう調べ、どう促すか、という点が、高齢者の接種を語るうえで欠かせないと思います。

ただし、現在は市役所から、接種予約の日程が8月、9月にずれ込んでしまっている市民に対して電話をして、前倒し接種を提案する計画が進行中ですから、7月末までに高齢者接種完了、とはいかないまでも、随分改善されると思います

本件については、やや強い言い方になりますが、残念な計画を決定した上層部の尻拭いをスタッフが実施している、と言わざるを得ないと、私は考えています。

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