- 2022.01.18
2021年3月4日一般質問:GIGAスクール構想とオンライン教育について
この質問を公開するにあたり
ICT教育の推進は、基礎自治体にとって最重要課題の一つと言えます。
基礎自治体の事業全般にいえることですが、多くの事業が「国の政策の事務を代行」するものというのが実情です。
特に、財政の硬直化率がのきなみ90%を超える「火の車自治体」が多い昨今にあっては、予算的に市の独自色を出せる事業はごく限られているのが実情です。
その中にあって、コロナ禍も相まって加速された「GIGAスクール構想」関連の事業は、教育長や首長の意識や財政事情の格差等を背景に「しっかり取り組めている自治体」とそうでない自治体との間の格差が、大きく広がっている。
この件について「負け組」となった自治体は、子育て世代に選ばれることはありえません。もし私の息子が小中学生だったなら、ICT教育に立ち遅れた市町村には絶対に住まない。
私がこの件について何度も質問を実施しているのは、そのような格差が大きなものにならないよう、教育委員会や市長の意識を高くもってもらいたいという強い思いからです。
繰り返しになりますが、教育に対する予算の優先順位は、私は最重要だと考えています。
以下、質問原稿です。
佐倉市の小中学校34校全校のネットワーク増強工事も終了し、今年度中に生徒1人1台の端末が配備される運びとなりました。各種手配等ありがとうございます。
さて、複数の市内保護者の方々から、佐倉市のオンライン授業をはじめとするいわゆるGIGAスクール構想に関し、方針と今後について情報が欲しいという要望をいただいております。そんな中、さきの2月12日、佐倉市教育委員会では、「佐倉市GIGAスクール構想の実現へ」と題された資料が公表されました。大方針がよくまとまっており、とても読みやすいものでした。
他方、児童生徒や保護者、先生方をはじめとする皆様と、佐倉市におけるGIGAスクール構想への取組をしっかり共有するためには、今後より詳細な内容を本資料、あるいは別紙に落とし込んでいく必要があると考えます。
私としては、横浜市教育委員会が発行している「横浜市におけるGIGAスクール構想」という資料が大変参考になりました。当該資料における趣旨の部分では、国の施策であるGIGAスクール構想を横浜市としてどう捉えるかが詳述されております。特に課題の整理は、その後の計画にも大きく関わる部分でもあるので、記載は必須だと考えます。
書かれている課題を抜き出してみると、不登校児童生徒の増加、様々な障害への対応、日本語指導が必要、子供の貧困などが書かれています。それら課題に対してICTで何ができるのかというのは、非常に大きなテーマであると考えます。課題に呼応する現状を見ると、不登校の生徒がオンライン教育をステップに登校するようになったとする青森県のニュースも記憶に新しいところです。様々な障害という課題の中には、コロナ禍を背景とする学校閉鎖も含まれると思います。また、6人に1人と言われる貧困家庭の児童生徒に対して、ICTで何ができるのかという視点も不可欠です。さらに、白血病などの生徒は、学校に通いたくても通えない、そういった子供たちから、まずはICT教育と登校選択制などをセットで導入する検討を始めてもよいかもしれません。それらは、前提としての課題設定がなければ、対応を落としてしまうこともあり得ます。
さらに、横浜市は、小学校、中学校、特別支援学校等にて、なぜその端末を選んだのかや、なぜそのソフトウエアやクラウド環境が最適と考えるのかなども公表した上で、それらを利用した具体的な取組と今後の計画も公表しています。
以上のような点については、児童生徒やその保護者、併せて学校の先生方も、佐倉市のICT教育は具体的にどのように組み立てられ、どこに向かっているのかを確認する意味で、とても知りたいポイントであろうと思います。さらに、コロナ禍など非常事態において、ICTを活用した自宅学習の計画や登校選択制への取組など、特に生徒さんや保護者から昨今関心が寄せられている課題にも、GIGAスクール構想という大きな枠組みの中で捉えることができると存じます。
もちろん佐倉市教育ビジョンとの整合性を考慮する必要があるという点で、簡単な作業ではないことは承知しております。しかし、急速に進むICT化の波をどう捉え、どう取り組むのかという件を考え、公表していくことは、これからの佐倉市の教育における最重要課題の一つであろうと考えます。
そこで、今後の佐倉市のGIGAスクール構想の取組や課題について、どのように公表していくか伺います。
教育委員会答弁
教育長(茅野達也):
GIGAスクール構想につきましては、現在議員もおっしゃってくださったとおり、ホームページで学びのイメージや活用方法について広く公表しております。また、学校からも発信している状況です。
また、今後につきましては、タブレット端末を活用した学びの在り方やオンライン授業など、様々な視点から取組の成果、課題についてお知らせしながら、情報教育の充実に努めてまいります。
ありがとうございました。
昨日のNHKのニュースによると、イタリアでは小中学校でのコロナの変異ウイルスの蔓延により、一部の地域で学校の授業を全てオンラインに切り替える措置をしたそうであります。保護者をはじめ、市民の皆様への周知と併せ、オンライン教育に関しても、今いただいたとおり継続的な取組を引き続きお願いしつつ、次の質問に移ります。
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