- 2023.01.06
繰り返される謎の否決 損なわれる市民のレクリエーションと年間3,000万以上の「無駄な赤字」の発生
草ぶえの丘等の指定管理者の「不可解な否決」
2020年11月定例会
【記事の要約】
さくら会等議員団による「不可解な業者選定の否決」が再発した。
2016年、厳正な審査の結果決定した指定管理者を、さくら会等議員団は「不条理な理由」により否決した。その結果をなぞるように、2020年「まったく同じ結果」となった指定管理者の選定結果を、根拠薄弱なまま、再度さくら会等議員団は否決した。
この否決により、2021年度決算では年間3,000万円以上の「無駄な赤字」が発生し、今後もほぼ同額の赤字が発生し続ける構造になっている。さらに、民間のノウハウを生かした同施設の活性化も失われ、市の人事戦略にも狂いが生じている。「責任会派」を自任するさくら会とその周辺の議員団に、大儀はあるのか? (以下本編)
本件は、端的に言えばさくら会等議員団による「不可解な業者選定の否決」についてです。
後段詳述しますが、この否決により令和3年度決算では年間3,000万円以上の「無駄な赤字」が発生し、今後もほぼ同額の無駄が発生し続ける構造になっています。また、民間のノウハウを生かした活性化も失われ、市の人事戦略にも狂いが生じています。
「市民に与えた損害」という観点でみたときの事案の大きさでいえば、この件が「さくら会等議員団」の議決の中でも最大最悪ではないかと考えます。
本件の要旨を以下にまとめました。
- 直近過去二回佐倉市が実施した「草ぶえの丘」と呼ばれる施設の指定管理者の選定において、「アメニス・プラネット共同事業体(以下「アメニス社」とする)」と「山万グループ佐倉草ぶえの丘共同事業体(以下「山万グループ」とする)」が競合関係にあったとき
- 議会で承認を得た「公平な手続き」と「厳正な審査」にて、アメニス社が選定されるたび
- 佐倉市議会の「さくら会等議員団」はその結果を不可思議な理由で「否決」した。
このようなさくら会等議員団における「ボス議員の面子の維持」としか思えない振る舞いは、山万グループの皆さまにとっても迷惑でしかなかったろうと思います。
(髙橋とみお議員討論:38分28秒から)
抑制的であるべき否決権の行使
入札や指定管理者選定では、議会の承認を得たものであるならば、理論上議会は最低限の関与しかできません。
なぜならば、議会は指定管理者の選定方法や内容に至るまで、事前に審査しているからです。
そのため、執行部が「議会が認めた」入札内容と手続きをしっかり踏んだうえで、公平性が担保された審査委員の審査結果なのであれば、議会は「理由がつかない」ために反対できません。
議会が関与できるのは、入札や審査が「議会が認めていない」方法で実施されていたり、業者決定の過程で、選定業者の運営能力や不正の疑義が発生したりする場合にのみ、最後の防波堤として否決する権限があると解されます。
しかし、佐倉市議会は過去二回、きわめて不自然な否決をしました。直近の否決では、2月議会で指定管理者の審査方法や内容を了解したにもかかわらず、同年の11月議会で突然「指定管理者選定の審査方法や内容がけしからん」という理由で否決したのです。
ちなみに、山万グループが選ばれた過去2回の選考では、彼らは両方とも「可決」しています。
詳細は以下でお読みください。
過去二回に及ぶ「アメニス社選定の否決」の折、さくら会等議員団の各会派が述べた否決理由は、控えめにいって「不自然で奇妙な理屈」ばかりでした。上の記事でその点を詳述していますので、ぜひご確認ください。
「さくら会等議員団」の決定により市民が被った不利益について
今回、佐倉市議会が草ぶえの丘とサンセットヒルズの指定管理者を選定していれば
- 年間数千万円もの経費が節減でき
- 子どもたち等市民が受けられるサービスやイベントの量と質が向上し
- 6名もの市役所職員がより重要度の高い事業で力をふるうことができる
はずでした。それを、根こそぎ奪ったのが「さくら会等議員団」の否決です。
具体的な数字で確認できる予算と職員数で、「指定管理を前提とした執行部案」と「指定管理を否決した佐倉市議会の決定」で比較してみましょう。
「指定管理の否決」により、佐倉市直営にせざるをえなかった草ぶえの丘とサンセットヒルズの管理運営事業の2021年度(令和3年度)の歳出の決算額は以下のようになりました。
【草ぶえの丘】:約9,100万円。
【サンセットヒルズ】:約1,730万円
上記金額に、市職員の人件費は入っていません。佐倉市職員の年間の平均給与額は6,164,000円ですから、現在草ぶえの丘で業務している職員数の6をかけると、人件費合計は約3,700万円です。
この数字を合算すると
- 9,100万円+1,730万円+3,700万円=1億4,530万円
です。
他方、同年草ぶえの丘とサンセットヒルズで、利用者から徴収した利用料収入(つまり利益)はそれぞれ
- 【草ぶえの丘】約3,200万円+【サンセットヒルズ】約1,540万円=4,740万円
よって、「①-②」で支出から収入を差し引くと、合計で9,790万円の予算が費やされたことになります。
一方、アメニス社の提示価格は、人件費含め約6,600万円でした。
差し引きすると
【令和3年度決算】9,790万円-【アメニス社入札額】6,600万円=3,190万円
予算だけとってみても、佐倉市の決算額とアメニス社との比較では、3千万円以上の無駄が単年度で費やされていることになります。なお、この「無駄な税金支出」が発生する構造は、「さくら会等議員団」がそうすべきとした「市直営」が続く限り発生し続ける構造です。
この市職員6名の役割は、私としては深刻になっていく少子高齢化対策や、激甚化が危ぶまれる災害対策、加速していくデジタル社会への対応などに振り向けられるべきだったと考えますが、そのような人事戦略を壊したのも佐倉市議会です。
指定管理により、子どもたちをはじめとする市民が受けられるサービスやイベントの量と質が向上したとすると、さくら会等議員団等の否決行為が、どのくらいの損失を市民に与えたのか、計り知れないものがあります。
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