- 2024.08.30
DIC川村記念美術館休館の報道によせて
【速報】佐倉のDIC川村記念美術館、来年1月休館へ 規模縮小と移転を選択肢に検討し、年内に結論
佐倉市は、歴史、文化、自然の調和が強みです。
利便性の面では佐倉市より西側の自治体には勝てないし、自然だけならより豊かな自治体は山ほどあります。
その意味で、川村記念美術館や歴史民俗博物館は、その調和の中心的役割を果たしてきました。それら施設は、歴史と文化と自然をつなぐ回廊であり、人々が足を止め、思いをはせ、市民として、日本国民としての誇りを持つための装置としてあります。
その一つ、川村記念美術館が、佐倉市から失われようとしています。
私は、家族で川村記念美術館を参観することが多くありました。
特別展にも数々足を運びましたが、常設展の、特に入り口付近にある印象派絵画の数々や、言わずと知れたレンブラントの自画像、壁一面に圧倒的な迫力をもって展示されている赤い近代絵画は圧巻でした。恥ずかしながら、アンディ・ウォーホルの作品は、川村記念美術館の常設展でしか観たことがありません。
今は亡き母が美術館に向かう小路で、自生する銀蘭を見つけながら、こんな素敵な美術館はないよね、と言っていたのを思い出します。
あの場所は、佐倉市の自然と文化が見事に調和した空間です。
一方、私を含む政治家は、それらの重要性を把握しようと努め、佐倉市の誇りのシンボリックな存在として、当館と意思疎通できていたでしょうか?
例えば、佐倉市の花のシーズン、川村記念美術館と佐倉美術館とで連携をはかり、花を主題とした特別展をしかけたり、美術を中心に大手代理店等とツアーパッケージを組み観光ルートとして紹介したり、川村記念美術館にとって「近距離のお客様」である市民に広報を届ける努力をしたり。さらに、佐倉市が主体となって、千葉県やすぐ隣の千葉市に、川村記念美術館を起点とした大きや視野での交流人口の活性化策を検討したり、してきたでしょうか?
失おうとしているこの状況になって、私たちはその重要性の大きさに、改めて思い知らされるのです。
佐倉市長は、当然にここにいたるまでに株式会社DICとのやりとりはあったと推察しますが、市長自らがしっかり足を運び、「佐倉市で何ができるのか」を確認するところからの話しであろうと思います。
私は、個人としても市議会議員としても、できる限り当美術館の存続を望みます。
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