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佐倉市第5次地域福祉計画

2025年12月4日:髙橋とみおの一般質問の質疑の記録です。
以下は、佐倉市議会公式サイトのライブ中継と、ケーブルネット296の放送データをもとに文字起こししたデータにつき、佐倉市議会の正式な記録ではありません。


包括的支援体制の整備

本市の第5次地域福祉計画は、社会福祉法第107条に基づき、市町村地域福祉計画として策定されたものであり、佐倉市総合計画にも位置づけられる重要な上位計画です。

この計画の進捗管理が現在、諮問機関により進められていますが、同機関の委員から、計画の根幹に関わる複数の指摘がなされております。

その中でも、今回は特に二つの問題について質問いたします。

「包括的な支援体制の整備」における計画構成の適正性について

社会福祉法第106条の3第1項では、包括的な支援体制の整備に関して、1号から3号にわたり、「相談支援体制」「関係機関連携」「包括的支援の仕組み」など、いわば“横断的な仕組み”を整えることが趣旨とされています。

ところが、本市第5次地域福祉計画の「基本目標5」において掲げられている内容を見ると、各課がそれぞれに実施する個別施策(例:住宅支援、障害者支援、子育て支援等)が並列されており、必ずしも「包括的な支援体制を整備するための施策」となっていません。

他市の計画、たとえば千葉市の地域福祉計画では、同じ項目を社会福祉法の趣旨に即して「包括的支援体制の構築」を骨格に置き、その上で各施策の連携・調整を位置づけています。

加えて、社会福祉法第106条の3第2項には、「前項各号に掲げる施策に関して、その適切かつ有効な実施を図るため必要な指針を公表するものとする」とあり、平成29年12月12日に「地域共生社会の実現に向けた地域福祉の推進について」(PDFデータ)という通達が出され、指針について詳しく説明をしています。

この通達では、市町村地域福祉計画は、包括的な支援体制の整備に関する事項を含む5つの事項を踏まえなければ、「法律上の地域福祉計画としては認められないものである。市町村においては、主体的にこれら5つの事項についてその趣旨を斟酌し具体的な内容を示すとともにその他の必要な事項を加え、それらを計画に盛り込む必要がある」(P29)としています。

つまり、地域共生社会の実現を図る上でも、「包括的支援体制の整備」は避けて通れないものであり、各市町村では具体策を講じて、それを地域福祉計画に入れることが義務となっています。

そこで質問です。「基本目標5」に掲げる内容が、社会福祉法第106条の3に定める“包括的支援体制”の趣旨と一致していると考えるか伺います。

また、他市の事例ように、包括的支援の仕組みづくり自体を明確に骨格として再整理する考えはないか、あわせて伺います。

執行部(市役所)回答

第五次佐倉市地域福祉計画では、地域住民や既存の各種ネットワークと連携し、課題の解決と伴走型支援につなげるアウトリーチ型支援を重点施策としており、こうした連携により、市全域での包括的な相談支援体制の強化・推進を目指しております。
この重点施策を軸に、「基本目標5」に位置づけた包括的支援体制の整備を進めることは、法の趣旨に則しているものと考えております。なお、包括的支援体制に係る施策につきましては、体制づくりや制度づくりに直接つながる施策だけではなく、個別具体的な支援に関する施策も計画に盛り込んでおります。
これらの個別施策は、実施を通じてお困り事を抱える方の実態や制度の課題を把握できるほか、地域住民の生活基盤づくりに寄与し、地域生活の安定を図ることで、地域における包括的横断的な支援体制の基盤となるものと考えております。
そのため、包括的支援体制の整備に資する施策として位置づけております。計画の再整理につきましては、現時点では具体的な予定はございませんが、地域福祉計画推進委員会のご意見等を踏まえ、見直しの必要性を検討してまいります。

ありがとうございました。今おっしゃられた個々具体的な計画については、非常に重要な計画であると私も感じております。ただ、私が指摘しているのは、計画の階層の話をしています。例えば、今の御答弁では、残念ながら包括的支援という法定概念を具体的施策の積み重ねとして捉えているように私は感じられました。

一方で、繰り返しになりますが、社会福祉法第百六十条の三の趣旨は、あくまで個別施策をつなぐ仕組みそのものの整備と考えております。実際、他市の事例では、包括支援センターや社会福祉協議会との協議体制とか、社会福祉分野を超えた情報共有基盤などがこの項目に整備されています。

したがって、佐倉市の現行構成では、計画階層上の誤配置が起きているのではないかと考えております。以上より、改訂時に法の趣旨に即した再整理を検討すべきであるという指摘をさせていただき、次の質問に移ります。

指標の妥当性

「子ども食堂(地域食堂)の推進」を例にお尋ねします。

社会福祉課が掲げる事業計画の中で、「子ども食堂の開設数」を指標としていますが、一方で、昨年度までの「佐倉市子ども・子育て支援事業計画」では、「子ども食堂は行政が直接整備しているわけではないため、指標としていない」と明記されていました。これと同様趣旨の「指標のねじれ」は、「学習支援団体数」にもみられます。後継の計画として、今年度からスタートした「佐倉市こども計画」においても、理由の明記こそありませんが、これらを指標としていないことに変わりはありません。

つまり、同一自治体の計画の中で、行政が直接関与しない取組を指標化している計画と、指標化していない計画が併存しているという整合性の問題が生じています。

そこで質問です。

行政が直接整備していない事業を、本市の公式計画の“成果指標”とすることは妥当と考えますか。また、他計画との整合性をどのように確保していく考えか伺います。

執行部(市役所)回答

お答えいたします。第5次佐倉市地域福祉計画は、市の福祉行政の基盤となる計画であり、行政のみならず、地域の多様な資源や住民の皆様が一体となって地域福祉を推進することを目的として策定をしております。
このため、直接の実施主体が市ではない場合であっても、市と連携し、地域福祉の推進に取り組む事業など、市が一定の関与を行い、かつ計画の推進に資すると判断した取り組みについては掲載することが妥当であると考え、地域福祉計画推進委員会の審議を経て指標として制定しております。
また、基盤計画として各個別計画における施策を含め、地域における福祉の取組をより広い範囲で捉え、指標としたものでありますことから、市以外の実施主体による取り組みを取り上げることが直ちに他の計画との整合性を欠くということには考えておりません。
なお、計画における取組や指標につきましても、先のご質問へのお答えと同様に、地域福祉計画推進委員会のご意見等を踏まえながら、見直しの必要性について検討いたします。

ありがとうございました。お考えよく分かりました。

であるならば、例えばこども食堂の整備や学習支援体制の整備等の数ではなくて、彼らをどのように支援するかという、その下支えのポイントについて指標化するなどの工夫が必要かと、私は今ご答弁いただいて思いました。 また、工夫をいろいろしていただければというふうに思い、次の質問に移ります。

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