【災害の備え】避難所の食料、飲料水の備えは、佐倉市の緊急課題です
佐倉市の災害避難所について、調べるきっかけになった体験談は前回記載しました。
今回の記事は、災害避難所の飲料水の備蓄が必須であることと、食料備蓄をしっかり整える必要性についてのお話です。
大震災時の食料と水について
「巨大災害に備えた食料及び飲料水の新たな備蓄手法の研究 – 関西大学」というPDFデータがあります【PDF:678KB】
この報告書では、2011年3月11日に発生した東日本大震災の被災状況について、調査報告がなされています。これを読むと、大震災のときにいかに備蓄が必要かを知ることができます。
災害発生時、すべてを行政にまかせることはもちろん無理で、自助とか共助とかの概念が持ち出されます。しかし、家が完全倒壊してしまった、火災で全焼してしまった、あるいは集合住宅で収納スペースを災害対策用には使えないという事情があるなど、どうしても避難所に頼らざるをえない状況に陥る場合は多くあります。
さて、この報告書のP70を読むと、宮城県の避難所では、計算上6日間「1日1食」の生活が続いた、とあります。6日間、1日1食ならば、そして、被災したタイミングが酷暑や厳冬であれば、体力がなければ耐えられません。
しかも、さらに先を読むと、自治体が自力で集められた食料があまりに少なく、危機的状況にあったために、最終的に「国が物資の調達・代行を行った」とあります。
千葉に大震災が起きることが予想されている昨今、もし佐倉市に大きな被害がでた場合、準備が貧弱ならば国、つまり東京に頼る、となりそうです。
しかし、「東京を含む千葉県」など、比較的広域に被害が出た場合は、いったいどのようなバックアップ体制がとられているのか?東京頼みがゆえに、むしろ共倒れになる危険性が大きいのが首都圏の宿命です。また、その大災害の発生タイミングが冬だとしたら、東北地方からの物資供給がままならない状況であることも、十分考えられます。
防災井戸に頼り切る危険性
また、別の報告書では
東日本大震災による井戸の被害調査報告書 – 全国さく井協会【PDF:36MB※重いのでご注意ください】
P4で、地震発生に伴い濁り水が発生した井戸数は、調査対象の234本中18本。その他、水の大量減少1本、井戸破損3本が発生していた、と報告されています。
佐倉市には、飲料水の備蓄はありません。水道が止まったときの飲料水のバックアップは、防災井戸のみです。
水道が止まり、井戸が濁るなどで飲料水が確保できない場合、どうするのか?
また、避難所として指定されている臼井小学校、印南小学校、根郷小学校の井戸の水は、そもそも水質が悪く、「飲めない水」です。
道路の地割れによる寸断や、富士山の噴火(実際、1704年江戸時代におきた宝永大噴火の折には、巨大な南海トラフ地震が近い時期に発生しています)による降灰などで、簡単に道路網も電気の供給もストップします。そのとき、「飲料水を避難所に供給する方法」は、限りなくゼロに近い状態になります。
「想定外だった」ではすまされませんが、今上記のような災害が起きれば、おそらく想定外だったことで処理されることになるでしょう。
まとめ
とはいえ、今の佐倉市の予算は、柔軟性がありません。備蓄飲料水という、本来ならばしっかりした予算をあてるべきところにも、お金をまわすことができない。「これを辞めたらいいじゃないか」という、ちょっとした無駄を見つけることすら難しい状況です。
さて、ここで、おなじみの問題提起をしたいと思います。
佐倉市のすべての避難所に、最低限の飲料水の確保をすることと、議員定数を現状の28に据え置いて、年間3億円の「報酬および活動費用」を使い続けることとで、どちらが有効な市税の使い道でしょうか?
熊本でも、福島でも、被災した住民の皆さんが、TVインタビューで「まさか自分の街が大震災にあうなんて」と口にされていることを、私たちは忘れてはいけないのです。
2019年3月3日付記:「【災害の備え】佐倉市に39ある災害避難所に、太陽光発電と蓄電設備の設置を目指します」と題した記事を公開しました。お時間が許すようでしたら、そちらもぜひご一読ください。
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