- 2019.05.21
【2019年5月16日】臨時会:会派代表者会議の謎 2/2
先の記事では、会派に所属していない議員は、自分が所属する常任委員会を決する会議で発言できないという、私としてはわりと衝撃的な事実に驚いたところまで書きました。
事実、私が今回事前に希望を出したのは「文教福祉委員会」でしたが、配属されたのは「建設委員会」でした。
なお、「建設委員会」が不服なのではありません。むしろ、それもいいなと思っています。
問題だと思ったのは、会派に所属していない議員には、希望アンケート提出以降、まったくなんの発言権もなしに所属委員会が決定されるプロセスについて、です。
◆佐倉市議会での所属委員会決定プロセス
今回の「議員の所属する常任委員会」の決定プロセスは、以下のとおりです。
- 事前に、全議員にアンケート形式で所属したい常任委員会について希望をとる。
- その内容を議会事務局で整理した後、さくら会の石渡議長に付託。
- 石渡議長は、各会派と調整し、所属常任委員会名簿案を作成。
- 「会派代表者会議」に上記案を提出し検討。事実上決定。
以上のとおり、会派に所属していない議員が参加できるのは、上記プロセス中「1.」のみです。
これが、通常の会社の人事案件であれば、意見を挟む余地はないでしょう。
また、今回の決定内容について、先のとおり特段の不服があるわけでもありません。
しかし、今後もし「会派代表者会議」で、我々会派に所属していない議員の「頭越しの」決定があるとすると、私に投票してくださった1748人の佐倉市民の方々の一票が、会派所属議員の一票と比べ「軽い」ということになりますので、これは見過ごすことができません。
そもそもこの「会派代表者会議」という会議体は、議会議員の人事案件について、事実上唯一検討する公式権限を、誰に与えられているのでしょうか?
全員がフラットな関係性をもつのが議員ですから、その意味では議員全員が意見を表明できる「全員協議会」で検討するのが筋なはずです。
さて、この「会派代表者会議」で、さくら会の石渡議長から参加者に、委員会名簿案が配布されました。大きな会派にはあらかた調整はなされているようでしたので、すんなり決定しそうなところ、市民オンブズマンひまわり会の藤崎市議から、決定の仕方について公平ではない、という立場で議論が提起されました。
藤崎市議の意見を要約すると、以下のとおりです(認識に誤りがある場合は、訂正しますのでご指摘ください。以下の方々の発言要約についても同様)。
- 議員の所属委員会を決定するプロセスが不透明で、かつ一部の議員には調整も行われていないというのは問題だ。
- 公平性を期すならば、定員オーバーしている委員会については、くじ引きで決すべきだ。
- または、選挙で市民の付託を多く受けた議員(つまり、得票数が多い議員)が、優先的に委員会を選べるというのも、一つの考え方だ。
というものでした。
それに対して、さくら会の中村市議は
- 議員の所属委員会の任期は1年であり、佐倉市議会では、通常4年の任期中に4つの常任委員会のすべてを経験できるようにするので、問題はないと考えている。
という趣旨の回答をされていました。
藤崎市議の問題提起は、「決定プロセスの公平性」に関する議論提起でしたので、私としてはズレのある回答に感じられました。
議会事務局からは、決定プロセスの公平性に関する回答ではないという前提のもと
- 委員会の人員構成は、委員会と本会議での「ねじれ」が生じないように、議員全員の会派比率と極力あわせるように配慮されていると承知している。
との説明がありました。
この役所からのご説明には、「なるほど」と思わされました。
つまり、ある会派が一つの委員会を独占するような人員構成は、委員会の議決に偏りが生じるため、バランスをとるべき、という意見です。
「なるほど」とは思いましたが、それにつけても
- 決定プロセスが不透明であること。
- 会派に所属していない議員に発言の機会がないこと。
については、問題であることに変わりありません。
さて、先の藤崎市議の、公平性を担保するため「くじ引き」等の決定方法に関する提案については、「会派代表者会議」に参加しているすべての議員が「不同意」ということで、結果的には常任委員会人事は、議長案のままこの後の本会議で正式に決定しました。
意外だったのは、藤崎市議の問題提起について、参加者のほぼすべてから終始ため息や失笑がおきていたことです。
私の理解や感性が世間一般とずれているのか、これが議会の特殊性というものなのか悶々としながら、発言権のない私は黙って腕を組んでいました。
なお、私の結論からすると、この「会派代表者会議」という会議体は、会派所属議員のみが共有すべき事務連絡の場としては有効かもしれないけれども、それ以外の検討をする場としては不適当だと考えます。議員全員が参加できる「全員協議会」とするべきでしょう。
いずれにしても、市民の皆さんに客観的に判断いただくために、すべての公式な会議は動画アーカイブを公開すべきだと、心に刻んだ「会派代表者会議」の報告でした。
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