- 2021.07.02
2021年6月28日:ESCO事業含む補正予算に対する賛成討論
本討論原稿を掲載するまでに、当初予算と補正予算の説明とあわせ、ESCO事業の概要説明と論点整理をしてきました。
ようやく、6月定例会最終日に私が行った討論原稿を掲載します。
私のブログでは何度か書いていますが、討論というのは「議案に対する賛否理由の演説」であり、これを公表することの一つ目の目的は「討論を聞いている他の議員に対して、自分の意見に賛同してもらうため」です。
しかし、私を含むほとんどの議員は、最終日より前に行われている審議や自分の調査結果をもとに、事前に議案に対する賛否をあらかた決めているため、他の議員の討論を聞いて「なるほど。それじゃ、賛成するか」と自分の賛否を変えることは、ほとんどありません(まったくないとは言い切れませんが)。
討論のもう一つの意義は、「自分は議案に対して、こう考えたから賛成/反対するのです」と、市民の皆さまに伝えるため、です。私としては、むしろこちらの意義が全体の9割、という印象です。
議員は、市民生活にかかわりが深い重要議案について、特に議員間で賛否が分かれた点については、「賛否の理由」を市民に伝える義務を負います。
ちなみに、今回の議会では、佐倉市議会の最大会派であるさくら会(会派所属議員10名)を除くすべての会派が討論を実施しました。
以下は、私の討論原稿です。
議案第1号 令和3年度佐倉市一般会計補正予算:賛成
歳入歳出それぞれ、約1億4500万円の増額補正であり、補正後の予算総額は約477億7000万円となります。
本件、議員間で賛否が割れるであろう、臼井公民館等2施設のESCOサービス委託について、特に賛成の理由を討論いたします。
本討論をお聞きいただいている市民の方に前提を簡単にお話しすると、ESCO事業とは、施設運営において、市ではなしえない専門的な省エネ施策を豊富なノウハウのある民間業者に任せて、結果省エネできた効果の一部を当該民間業者に報酬として支払う手法です。
例えば、佐倉市の先行事例でいえば、一昨年の西志津ふれあいセンターなど3施設のESCO事業契約が記憶に新しいところです。さて、本件について佐倉市の公式サイトで確認したところ、ESCO事業実施前との比較において
エネルギー削減率は
- 西志津ふれあいセンター:27.3%
- 北志津保育園:31.8%
- 佐倉南図書館:42.8%
二酸化炭素削減率でも
- 西志津ふれあいセンター:28.1%
- 北志津保育園:32.7%
- 佐倉南図書館:43.5%
と、まさに圧倒的です。
結果、3施設合計の光熱水費の削減予定額は年間約660万円であり、環境政策としても財政政策としても十分機能していると言えます。
これは、節電や節水の手法など、総合的観点から施設に最適な省エネ施策を専門業者が検討し、提案、運営、報告するからこそ得られる果実であり、ファシリティマネージメントにおいて、数値が明らかな成功例です。
また、今回佐倉市が実施しようとしている「シェアード・セイビングス契約」の場合、ESCO事業者が倒産するなど事業が継続できない場合について、総務常任委員会で質疑がありました。
本件について執行部に追加確認したところ、過去の契約においては、契約書にて
佐倉市が当該事業者側の事由により契約を解除する場合においては、当該事業者が10%の違約金を支払う義務を負い、当該事業者側の事由又は経営破綻による契約解除後は
- ESCO設備を合意に基づく金額で佐倉市が譲り受け、佐倉市が運転管理を実施する方法
- 佐倉市の承諾のもと、新たなESCOサービス事業者に事業を引き継ぐ方法
- ESCO設備設置前の状態に原状復帰し、代金は事業者が支払うという方法
の3択となっている旨確認できました。
また、リスク分担表で予想されるリスクと責任の仕分けもしっかりできていました。
さらに、過去の契約事例では、受注者はESCO設備について、偶発的な事故により生じた損害を補償する保険(動産総合保険)に加入する旨の条項がありましたので、「保険」につきましても担保されておりました。
今回の議案について、詳細は今後資産経営部で詰めていくことになろうかと思いますが、以上から事業者の倒産などに関する懸念も最小限となる措置がなされるものと考えます。
なお、請願15号から19号までについては、反対する17号、18号については先の経済環境常任委員会にて、19号については、その趣旨を昨年12月7日(月)の総務常任委員会にて討論いたしましたので割愛いたします。
以上のとおりですので、議員の皆さまにおかれましては賛同くださいますようお願いいたします。
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