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【2019年6月26日】一般質問:高齢者ドライバーについて(Uberと民間活力をもとにしたライドシェア施策の提案)

質問の二つ目は「高齢者ドライバーについて」です(一つ目の質問はこちらをご覧ください)。
この質問の要点を紹介します。

◆要点

  • 高齢者ドライバーの事故が、全国で多発しています。
  • 佐倉市の高齢化も、今後しばらくは加速度的にすすんでおり、たとえば認知機能が低下した高齢者が運転する車による事故が、いつおきてもおかしくない状況です。
  • 一方、免許返納を「したくてもできない」状況におかれた高齢者は多くおられます。
  • 佐倉市で実施しているコミュニティバスについても、佐倉市全域を網羅的に行き渡らせることは、財政的にみても現実的ではありません。
  • そこで、市の財政をほとんど使うことなく、免許返納の促進とあわせ、高齢者の多様な移動ニーズにこたえることができる、民間による「ライドシェア」事業のバックアップ施策を提案します。
  • 京都府京丹後市が実施している、Uberを利用した「ライドシェア」事業を具体的に紹介し、佐倉市でも取り組んでもらえるよう要望しました。

この質問は、市民の方からの要望を基に組み立てました。
下の原稿記事中にありますが、78歳男性で、通院の都合上「免許返納をしたいが、できない」という事情がある方です。
この方と何度か打ち合わせをし、調査をすすめる中で、佐倉市でも「公共交通空白地域」と呼ぶべきエリアが案外多くあることがわかってきました。
また、高齢者の方々が車を使って移動したいニーズも多岐にわたるため、コミュニティバスなどの「ルートありき」の交通手段だけでは、網羅できません。とはいえ、佐倉市の予算は限りがありますので、すべてのニーズを満たすことができる行政サービスを展開することは、事実上困難です。
そこで

  • 公共交通空白地域にお住まいの高齢者などの多様な移動ニーズを満たし
  • 利用料金がリーズナブルであり
  • 市の予算もほとんど使わず
  • 免許返納も促進できる

という、少々盛り込みすぎな方法について検討するうち、「Uberを使ったライドシェア事業を、民間の力で実現する」先行事例に行き当たりました。
なお、これを実施した場合の副産物として、海外からのインバウンド客の誘客にも有効な手法であることがわかってきました。
何もしなければ、加速度的に進む高齢化により、佐倉市の「移動しにくさ=住みにくさ」は後戻りできないところまで進んでしまいます。
それでは、以下の質問原稿をお読みください。

◆高齢者ドライバーについて

昨今のニュースでは、高齢者ドライバーの事故を見ない週はない、という頻度で、痛ましい自動車事故が多発しています。
佐倉市でも、65歳以上人口が30%を超え、今後しばらくは加速度的に増加していくことが予想されます。
議論のあるところではありますが、認知機能が低下した高齢者ドライバーの事故の発生を防ぐため、佐倉市でも免許返納を促進する施策整備が急がれます。
そこで質問です。

  • 現在の佐倉市で、65歳以上の運転免許保有者数をご教示ください。
  • 近年の免許返納の数(直近3年以上の推移データとともに)について、わかる範囲でご教示ください。

佐倉市答弁

佐倉市が公表した後、公開します。

高橋コメント

ご答弁ありがとうございます。
65歳以上の免許保有者が多いこととあわせ、免許返納の数が少ないことがわかりました。

昨日の押木市議や、本日の密本市議への答弁にもございましたが、免許返納者に対して、交通手段確保という側面で市が提供している特典としては

  • 2年間コミュニティバスの利用料200円について、半額の100円で乗車することができること

その他民間特典では

  • 免許返納者が京成バスグループに520円払って申請すると、同グループ15社の運賃が半額になる、「ノーカーアシスト優待」

の2点と承知しています。 この条件で、免許返納が促進されるのか、というと、はなはだ心もとないものがございます。

さて、佐倉市は、高齢者を含む市民の生活に必要な交通手段の確保を目的に、コミュニティバスを運行しています。
これは高齢者ドライバーにかかわらない話ではありますが、市民の移動ニーズは、買い物、仕事、家族の送迎、通院、など多岐にわたります。それらのニーズを満たすことが、今のコミュニティバスのルートと本数でできているでしょうか?
たとえば、私の知り合いの内郷地区在住の78歳男性から、こんな話をうかがいました。前提として、その方は運転免許を今も保持しているものの、条件がそろえば返納したいと考えています。

  • その方は、月に2回市民病院に通っています
  • その市民病院までマイカーで行くと10分程度で到着できます
  • バスを使うと、自宅からコミュニティバスで京成佐倉駅北口に到着→上り下りして佐倉駅南口へ移動→千葉グリーンバスで病院に通院、というルートになります
  • このルートでは、どんなに早くても片道1時間以上かかるうえ、バスの本数も限られているため、病身では待ち時間を含む通院は、身体的に厳しいものがあります

確かにコミュニティバスは大切な足ですが、このようなニーズを考えるとき、免許返納を促す決め手とは言い難いものがあります。

◆ライドシェア

そこで、今回紹介するのは、市の予算をほとんど使わず、民間のNPO法人が高齢者を含む市民の移動手段を確保した事例です。
日本で初めて Uber(ウーバー) のICT システムを活用した「公共交通空白地有償運送」として 、京都府京丹後市において2016年から運行を開始し、今も続いているケースを紹介します。
ライドシェアと呼ばれるこの仕組みは、簡単に言えば「地元住民が運転する自家用車」と「車で移動したい人」をつないで、「車で移動したい人」のニーズを安い価格で実現する「ささえ合い交通」ともいうべき方法です。
京丹後市の場合、運転手は18名の登録ボランティアさんたち。運賃は、最初の1.5kmまで480円、以遠は120円/kmですから、タクシーよりはずいぶん安い金額です。また、車に乗りたい人が配車をお願いする手法は、 Uber のアプリケーションを経由する方法の他、電話での配車依頼も可能にしたことで、高齢者でも安心してこの仕組みを利用できます。
「それでも高い」という声が聞こえてきそうですが、高齢者の免許返納を促す仕組みとしてみれば、車一台の年間維持費と比べれば、十分リーズナブルであると考えられます。
なお、当該団体のウェブサイトで確認したところ、移動先として利用が多い場所は、病院や市役所とのことです。

この仕組みを実施する場合、民間の受け皿を作る方法と、佐倉市が基礎自治体として取り組む方法の2つのパターンが考えられます。京丹後市の事例は、事業主体はNPO法人ではありますが、いずれの方法をとるとしても
① 地域関係者の合意
② 国土交通省に申請
をすることで前にすすめることができます。

この事例について、市が使った予算という意味でいうと、初期費用でドライブレコーダーやジャンパーなどをそろえるための費用を、補助制度などを使い200万円ほど拠出したそうですが、使った予算はそれだけだそうです。

佐倉市には、サポートセンターに登録している積極的なNPO法人や、非営利の社会福祉協議会など、受け皿になりそうな団体が多数あります。
たとえば、受け皿となる法人を募り、京丹後市に研修で派遣するための費用を含む初期費用を佐倉市が払ったとしても、運営をNPO等が担ってくれるのであれば、まさに「超低コスト」で、高齢者を含む市民の足を確保できる施策です。
あるいは、立ち上げのところを佐倉市が実施し、軌道にのったらNPOに引き渡す、などの方式でもよいかと思います。
また、冒頭の「高齢者ドライバー」に対しての割引分だけを市が負担する、などの施策を実施すれば、免許返納が促進されるはずです。

今回提案したのは、予算を極力かけることなく、高齢者を含む市民の交通手段を確保し、免許返納を促進する施策の一例でした。

どのような方法をとるにしても、今後ますます高齢化が進み、税収が減っていく将来を見据えて、しっかりと持続可能な市民の交通手段と、免許返納が可能な環境を整えることは市の責務であると考えます。
以上を前提として、今後実施市を検討している高齢者ドライバーの免許返納施策とあわせ、高齢者を含む市民の交通手段の確保策として、どのようなものを検討しているか、また京丹後市の事例を基にした今回の提案についてどのように考えるか、市の見解をお聞かせください。

佐倉市答弁

佐倉市が公表した後、公開します。

高橋コメント

ありがとうございました。

この仕組みついて、実施要件として「極端な辺境地」しかできない可能性もあるのではないかと、国交省に確認したところ、「高齢者の移動手段として、タクシーの代金は高額すぎるという趣旨のものでも、地域関係者の合意形成がとれれば可能」とのお話でした。つまり、佐倉市でも「地域関係者の合意」がとれさえすれば実現可能な施策です。

ぜひ、引き続きご検討をお願いします。


一つ目の質問「防災の備えと訓練について」はこちらをご覧ください。

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