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【2019年9月4日】一般質問:佐倉市しかできない「佐倉“江戸”時代まつり」の提案

2019年9月4日に私が実施した、その他の個人質問は以下のとおりです。
【2019年9月4日】一般質問:佐倉市の強みを活かしたレンタルファーム事業について
【2019年9月4日】一般質問:若者の声を反映する市政の実現


令和元年11月17日(日曜日)、「佐倉“江戸”時代まつり」が開催されます。
今回で21回目を数える、一定の歴史を持つ祭りとして定着しました。また、佐倉市と地域の方々、及び参加される皆さまの努力により、少しずつにぎわいも大きくなっているように感じられます。
他方、「江戸時代の装束に身を包んだ人たちによる行列」をメインにした祭りであり、佐倉市の独自性が薄く、また実施した結果佐倉市に何をもたらしてくれるイベントなのか、という点がクリアにわからず、歯がゆい印象を長く持っていました。
そこで、今回は思い切って「佐倉ならでは」の特色と、ターゲティング、開催目的などをもう一度整理しなおした「佐倉“江戸”時代まつり」を、議会質問の場を使って提案してみました。

以下、要点をご一読いただき、興味をもっていただけるようでしたら、全文をお読みください。なお、全文紹介の冒頭に、本個人質問の際配布した提案資料(PDFデータ)をダウンロードいただけるように設定いたしましたので、あわせてご確認ください。

◆要点

佐倉江戸時代まつりは、佐倉市在住者の中から選ばれた姫を中心に、江戸時代の装束に身を包んだ人たちによる行列がメインの祭りだ。
江戸装束の行列がメインのイベントという内容を見ると、佐倉市で実する必然性は薄い。また、イベントのターゲティングや目的の掘り下げが浅いと感じられる。
「時代まつり」という切り口のイベントならば、佐倉市には題材となる素材がたくさんある。
そこで、ターゲットや目的等の側面も考慮し、佐倉市ならではの「時代まつり」となるような企画案を提案する。

  • A案:佐倉・江戸「藩主とその時代」まつり
  • B案:古今佐倉真佐子編 江戸時代・麻賀多神社の祭礼の復元
  • C案:佐倉ゆかりの著名人まつり(概要資料提出のみ)
  • D案:佐倉戦国まつり(概要資料提出のみ)

◆導入

※本提案のために作成した資料【PDF:529KB】はこちらよりダウンロードください。

「佐倉”江戸”時代まつり」について質問いたします。
当該イベントには、これまでも何度か訪れたことはありましたが、昨年は最初から最後まで参加させていただきました。
江戸時代の風情を伝える祭りとして、佐倉市在住者の中から選ばれた姫を中心に、江戸時代の装束に身を包んだ人たちによる行列がメインの祭りで、その他には

  • 佐倉藩の御用武術である「立身流」の演武
  • 麻賀多神社の祭礼で演奏される「佐倉囃子」の実演
  • こども向けの手裏剣道場や忍者変身処
  • 大道芸

などでにぎわい、また来場者に和服で散策を促す仕組みがある、愉しいものでした。そこで質問です。

時代まつりをはじめ、佐倉市で実施している主なイベントと集客数、かかる費用を教えてください。

佐倉市答弁

佐倉市が公表した後、公開します。

ありがとうございました。
主要なイベントの中で、集客を効果と考えた場合、かかる費用に対する効果が比較的高いイベントであることがわかりました。

とはいえ、イベントは集客するだけが目的ではありません。
来場いただくターゲットは市民なのか、それ以外なのか。またそれらはどんな属性の人なのか?
それらのターゲットに、何を伝えたいのか。
収支はどうか。
また、イベントを実施したエリアの経済活性化に資するものなのか。
そして、イベントを実施したことで、結果佐倉市に何をもたらしたいのか。佐倉市の認知度向上なのか?イメージアップなのか?はたまた、佐倉市の利便性を訴えたいのか?

という複数の軸により計画され、結果をチェックして、たゆまぬチューンアップが必要です。

そういった視点で考えたとき、現状の「佐倉江戸時代まつり」が、江戸の装束を着た行列が市中を練り歩くイベントなのだとしたら、佐倉市で実施する意味は薄いのではないでしょうか。
厳しい言い方になりますが、佐倉市ならでは、という点でいえば、「立身流」演武と「佐倉囃子」の実演以外、見つけることはできませんでした。

佐倉市には、紐解けばお祭りの題材となる素材がたくさんあります。それらの素材を活かして、先にあげた評価軸のうち、主要なものをベースに簡単に案をまとめてみました。

◆提案

最初の二つの案は、現状のまま「江戸」の要素を残したもの。続く二つの素案は、「江戸」から離れた概要のみを資料として配布しております(冒頭に紹介した資料をダウンロードしてご確認ください)。

A案:佐倉・江戸「藩主とその時代」まつり

江戸時代の佐倉は、ご案内のとおり、江戸の東を守る要衝の地であり、徳川一族や譜代大名が治める、きわめて重要な藩でした。
事実、佐倉藩になる前には、徳川家康の実子にして、武田信玄の血を引く甲斐源氏武田家最後の当主でもある武田信吉がこの地を治め、佐倉藩になって以降は、これも家康公のご落胤といわれている土井利勝、幕末の老中首座であった堀田正睦など、錚々たる人物たちが藩主となりました。

歴代20名以上を数える藩主たちはいずれも歴史に名を遺す「大物」たちであり、様々な切り口で「日本史」にインパクトを与えました。
そんな人物たちを掘り起こさない手はありません。
A案では、「藩主とその時代」という切り口で、毎年テーマを変えるイベントを提案いたします。

テーマの例でいえば、資料のとおり
「土井利勝と江戸幕府開府」、「稲葉正往と赤穂浪士の時代」、「堀田正睦と開国」など、「日本史の中の佐倉」を知るうえで、これ以上ない題材ばかりです。

これらのテーマをベースにして、知的好奇心とエンターテイメントの二つのラインで、イベントを演出します。

「知的好奇心」のラインでは、毎年のテーマごとの講演や文化財展示です。新町には佐倉美術館もあり、また新しくできる図書館には佐倉の歴史関連の蔵書を集めたスペースもあるので、うってつけといえるでしょう。

エンターテイメントラインでは、イベントのテーマに「江戸時代の佐倉藩」というバックグラウンドを持つわけですから、これまでどおり姫を選ぶ必然性もでてきます。
また来場者は、着物を着て風情を楽しむのもよし、テーマに沿ったコスプレを楽しむのもよし、です。また、テーマにあわせた仮装(これは、必要に応じて歴博の研究員にも当時の服装の監修に入ってもらってもよいかもしれません)をするのもよいでしょう。それら市が用意した仮装者と、一般来場者が一緒に撮ることができる写真撮影会を実施すれば、話題性は抜群です。
さらに、これは先日の議会報告会で市民の方からいただいた知恵ですが、せっかく着物を着た若者たちを呼ぶのであれば、このイベントを婚活の場として食事会などをセットしてもよいかもしれません。

このイベントのターゲットは、資料のとおり

  • 郷土の歴史に興味のある市民
  • 歴史好きな周辺住民(周辺の意味は、広義には関東近県も含まれます)
  • イベントを楽しみたい若い世代の市民、周辺住民

です。

コンセプトは
『江戸時代の佐倉を「知る」、「楽しむ」そして誇り(あこがれ)を育てるイベント』です。

これだけ時代を彩った藩主たちをもつ市は、佐倉市をおいてほかにないと言っても過言ではありません。着物行列だけならば歴史ある市であればどこでもできますが、この切り口はどうひっくりかえっても、どの市でもできません。
毎年メディアに取り上げられれば、「歴史のまち佐倉」のイメージ効果は、計り知れないものがあります。

余談ですが、「歴史のまち」のプロモーションについて、目標とすべきは鎌倉市でしょう。
鎌倉市は、東京からの距離でいえば、むしろ佐倉より遠方にありながら、1平米あたりの基準地価では佐倉市の4倍あります。ご案内のとおり、鎌倉市は道も狭く一方通行も多い、見方によっては「住むには不便な土地」ですが、「歴史」という透徹したキーワードで街づくりをしてきた結果、文化度も高く、「お金があったら住みたい街」というポジションを獲得しています。

B案:古今佐倉真佐子編 江戸時代・麻賀多神社の祭礼の復元

毎年10月行われる、いわゆる「佐倉の秋祭り」には、古今佐倉真佐子という古文書に克明に描かれた原型の祭礼があります。
昨今、いわゆる「江戸型祭り」は日本各地で実施されていますが、江戸時代の初期から中期に実施されていた原型の祭りの記録が、これだけしっかり残っているものは、調べた限り、佐倉市以外ございませんでした。
また、現在行われている「佐倉の秋祭り」についても、江戸時代に江戸の大門をくぐった山車や山車人形を、これだけ豊富に保持する市は、日本広しといえども佐倉市しかありません。
これらの「佐倉市にしかない」優位性を、しっかり後世に残していくことは、我々の大切な役割といえるでしょう。

余談ですが、私はかつて、中国に留学していました。中国では、1960年代の文化大革命の時代、関帝廟や寺院などの歴史的な建造物や、古文書などを徹底的に破壊・焚書してしまいました。結果、彼らのアイデンティティの根っこの部分が物理的に消え去ってしまい、中国人の学友たちが大いに嘆いていたのを記憶しています。
確かに、祭りは神事でありますから、それを市税で復活させるのはどうか、という議論はあろうかと思います。
他方、それを言ったら、京都の寺院や、世界遺産となっている天草の隠れキリシタンの里の整備にも、一切税金を使えないことになってしまいます。
私の提案は、あくまで「神事の復活」ではなく、「文化の復元」です。そのため、このイベントでは、たとえば山車を引き回す人員も、新町や鏑木の方に限定することなく、佐倉市全域から募集をかけてもよいでしょう。むしろそのほうが、市内全域に「佐倉の祭り」の文化としての重要性の認知が深まると思います。また、開催時期も、現在の実情にあわせて行えばよいと思います。

では次に、江戸時代初期に行われていた麻賀多神社の祭礼がどんなものであったか、簡単に説明いたします。

行列は、大きく「大神輿の渡御」と「氏子町会の山車や屋台の引き回し」の二つからなります。つまり、以上のおおまかな構成としては、現在の「佐倉の秋祭り」とほぼかわらないものです。
とはいえ、たとえば「大神輿の渡御」では、行列の構成要員と祭具といった詳細は、神輿と神主以外現在のものとほぼすべて変化しています。
また同様に、氏子町会の山車と屋台も、その形態は現在よりずっと質素であることがわかります。
この様相から、現在の秋祭りに変化していく過程を考えるのは、「日本の祭礼文化」を考察するうえでも大変貴重な復元になることと思います。

以上ご提案などもひとつの材料としていただき、次年度以降、このイベントをどうしていくか、また、それ以外のイベントについても、市民の皆さんや我々議員がある程度概要がつかめるような統一フォーマットによるイベント紹介と実績を、おまとめいただけるとありがたいです。

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